2020/05/20

iPhoneで『タイムラプス』撮影! 上手な撮影方法やコツ、SNSで人気の撮影シーンを紹介

撮影ボタンを押すだけで「早回し動画」が撮影できる「タイムラプス」機能。iPhoneであればiOS 8以降、iPhone 4s以降の標準カメラに搭載された機能で、Androidでは、Galaxy S9、S9+、AQUOS R2など一部の機種に標準搭載されている「ハイパーラプス」と呼ばれている。iOS、Androidともタイムラプスの撮影ができるアプリは多数あり、標準搭載されていない機種でも、アプリをダウンロードさえすれば撮影することができる。

このカメラアプリやタイムラプス撮影アプリを使うことで、誰でも簡単に面白い動画を作成できる。最近ではSNSなどで見たことがある人も多いだろう。

スクランブル交差点のタイムラプス動画

本記事では、まだタイムラプスを撮影したことがないという人に向けて、タイムラプス動画の撮影や編集のコツ、タイムラプス撮影にぴったりなシーンを紹介する。

タイムラプスとは?

タイムラプスは「時間(time)」「経過(lapse)」という意味で、専門的には低速度撮影や微速度撮影と呼ばれる撮影技法のこと。一般的に動画は1秒あたりに撮影されるコマ数(静止画の枚数)が多ければ多いほど「なめらか」になるが、タイムラプス動画は、コマ数を数秒に1コマ、数分に1コマと撮影したものを、パラパラまんがのように再生し「早送り」したような作品になる。

料理動画などで制作過程を短時間で見せるためによく用いられるので、YouTubeや料理レシピサイトで見たことがある人も多いだろう。

スマホでタイムラプス動画を撮影するには、カメラアプリのタイムラプス機能や、タイムラプス撮影アプリを使うことで簡単に撮影でき、非常に身近な撮影方法となった。

工夫次第でさまざまなおもしろい動画を撮影できるので、最近ではSNSなどでタイムラプス動画を投稿している人が増えている。

ちなみにiPhoneのタイムラプスでは、コマ数の間隔は調整できず、撮影時間に応じて完成した動画の長さが自動的に決まる。

<iPhoneのタイムラプスの撮影時間と再生時間>

iPhoneのタイムラプスの撮影時間と再生時間

iPhoneのタイムラプスでは、30分以上撮影をしても自動的にすべて約30秒の動画となる。長く撮れば撮るほど動画の再生スピードが速くなるので、たとえばゆったりとした雲の動きを撮影する場合、2〜3時間かけて撮影すると雲の動きが速くなり、よりダイナミックに捉えることができる。

タイムラプス動画の撮影方法

iPhoneの場合、「カメラ」アプリを起動して、タイムラプスモードに切り替える。撮影ボタンをタップすれば撮影が始まり、もう一度タップすると終了して自動的に保存される。写真アプリから動画を呼び出して再生すればその場で確認することができるので、非常にかんたんだ。

iPhoneのタイムラプスモード

Androidの場合は、機能搭載機種であれば撮影時に選択できるが、機能のないスマホでもタイムラプス撮影アプリがたくさんリリースされているので、iPhone同様、簡単にタイムラプス動画が撮影できる。

タイムラプス動画に向いているシーン

それではタイムラプスでどんなものが撮れるのか、どんなシーンがタイムラプス撮影に向いているのか。TIME & SPACE編集部がiPhone Xのタイムラプスモードで撮影した作例がこちら。

【作例① 日の入り/雲の流れ】

手軽にタイムラプス動画を楽しむなら、雲の動きや日の出、日の入りを撮影するのがおすすめだ。とくに日の入りの様子であれば「ダイナミックな雲の動き」「夕陽で空の色が変化していく様子」がまとめて撮影できる。肉眼ではわからない、雲が発生する様子やその動きが手に取るようにわかる。タイムラプス動画ならではの代表的なモチーフだ。

・撮影方法
ベランダや屋上などにスマホを固定して撮影ボタンを押すだけ。屋外なので、風でスマホが揺れないように、三脚などでしっかりと固定するのがポイント。地上の建物よりも雲や太陽の動きを捉えたいので、スマホを若干、上に傾けて、画面の2/3ほど空が映るようにセットしよう。快晴の日よりも雲がある日に、2〜3時間をかけて撮影すると雲の動きがより速く、ダイナミックな映像になる。

【おすすめシーン② お絵かきの様子】

なにかを制作する過程、とくに子どもがお絵かきしている様子などをタイムラプス動画で撮影しておくとよい思い出になるだろう。動画はSNSにアップするだけでなく、離れて暮らす両親に送っても喜んでもらえそうだ。

今回はTIME & SPACEのキャラクターである「デジカル大ちゃん」を描いている様子をイラストレーターの沼田光太郎さんにタイムラプス撮影してもらった。

・撮影方法
デスクの上部、いかにスマホを固定するかがポイントになる。今回は三脚を用いて真上から撮影したが、三脚を持っていない場合やデスクの真上にスマホを固定できない場合は、斜め前方からスマホを固定して撮影すればOK。

【おすすめシーン③ 30秒の料理レシピ】

動画

次はSNSで公開する人も増えている、料理風景の撮影だ。ただし「レシピ」「調理」「盛り付け」とそれぞれタイムラプス撮影したものをつなぎ合わせる必要があり、少々手がかかる。今回はさらに文字やBGMを追加して、10分の料理を「ソレっぽく」40秒に編集してみた。

作例はiPhoneの動画編集アプリ「iMovie」でつくってみたが、動画をパズルのように感覚的につなぎ合わせることができる。動画編集の初心者である筆者が編集しても、文字入れまで含めて正味30分で完成できる。この機会にぜひ試してみてほしい。

・撮影方法
作例では三脚を使って調理台の真上から撮影したが、三脚がない場合は斜め上から手元が映るようなアングルでスマホを固定してもいいだろう。編集時にレシピや完成品などは、動画ではなく静止画にして挟み込むことで、動画全体に緩急がついて見やすくなる。最後の生姜焼き完成品のカットは、通常の動画で撮影し、手で皿をゆっくりと回転させている。

タイムラプス動画を撮影するコツ

スマホで手軽に撮れるのがタイムラプス動画の良いところだが、撮影する際に以下の2点だけ気をつけておけばよりきれいな動画になる。

・とにかくブレないように撮影する

通常の動画撮影でも同じだが、定点撮影する場合、とにかくスマホがブレないようするだけで動画の仕上がりがきれいなる。100円ショップなどに売っているミニ三脚でも十分だが、室内であれば本など重いものを利用して固定してもよいだろう。

スマホ用のミニ三脚

また、動きのあるタイムラプス動画を撮影する場合は、ジンバルなど手ブレが軽減できるガジェットを使うのがおすすめだ。画面揺れを軽減してくれるので、価格帯と撮影目的によって選ぼう。

スマホ用ジンバル

・スマホのバッテリーが十分にあるか確認する

2〜3時間かけて雲の動きや日の出、日の入りを撮影する場合、バッテリーが満充電されていることを確認しよう。機種によって連続撮影時間の上限があるので、長時間にわたる撮影の場合は、モバイルバッテリーをあらかじめ接続しておけば安心だ。

タイムラプスはアイデア次第。SNSに投稿してみよう

上で紹介した作例だけでなく、たとえば「旅行先の街並みを歩きながら撮影」や、「人通りの多い街並みを定点撮影」など、アイデア次第でさまざまなおもしろい動画が撮影できる。「勉強している手元の様子」を撮影することで、自らモチベーションアップに活用しているという子どももいるようだ。また、おもしろ動画以外にも、迷いそうな場所への道順の説明や、説明書ではわかりにくい組み立て手順の紹介など、お役立ち観点での活用もできる。アイデア次第でその活用範囲は広いので、ぜひ撮影のコツを踏まえ、ぜひ試してみてほしい。

文:よもぎ三太郎

撮影:HAYASHI★2020

イラスト撮影協力:沼田光太郎