2020/03/24
子どもに持たせるならキッズ向けケータイ? スマホ? それぞれの特長と安全な使い方
進学や進級など、新年度から始まる新しい生活に向けて、子どもにケータイやスマホを持たせることを検討し始める時期。
子ども向けの機種は大きく分けて、通話がメインの「キッズ向けケータイ」と、ネットにもつながる「キッズ向けスマホ」がある。今選ぶならどちらがいいのか、キッズ向けケータイとキッズ向けスマホそれぞれの特長を紹介するので、機種選びの参考にしてほしい。
auの子ども向け機種、ラインナップは大きく分けて3つ
auには子ども向けの機種として、キッズ向けケータイの「mamorino5(マモリーノ ファイブ)」「mamorino4(マモリーノ フォー)」と、キッズ向けスマホの「miraie f(ミライエ フォルテ)」がラインナップされている。まずは、それぞれのスペックや仕様を比較してみよう。
機種名 | mamorino5 | mamorino4 | miraie f |
---|---|---|---|
発売年月 | 2019年 2月 | 2018年 2月 | 2017年 1月 |
本体サイズ | 約56×99×15.5mm | 約56×99×15.5mm | 約67×135×9.9mm |
重量 | 約105g | 約105g | 約136g |
カラー | ブルー ラベンダー ホワイト |
プリンセスパープル サニーイエロー スポーティーブルー |
スカイブルー スノーラベンダー リーフグリーン |
操作 | タッチパネル | タッチパネル | タッチパネル |
電話 | 〇(自動応答可) | 〇 | 〇 |
メール | SMS | SMS | SMS/メール |
予定管理 | 〇(通知あり) | 〇 | 〇(通知あり) |
インターネット | × | × | 〇 |
カメラ | × | × | 〇(イン/アウト) |
防犯ブザー | 〇 | 〇 | 〇 |
居場所確認 | 〇 | 〇(要安心ナビ契約) | 〇 |
どの機種も電話ができ、防犯ブザーと居場所確認機能が搭載されている。mamorinoシリーズとmiraie fの大きな違いは、インターネットができるかどうかと、カメラが付いているかどうかだ。ひとくちに子ども向けケータイといっても、その年齢によって必要な機能は変わるため、それぞれどの年代に向いているかとあわせて特長を紹介していこう。
ひとり行動を想定した見守り機能が充実「mamorino5」
2019年に発売されたmamorino5は、カメラやインターネット機能はいらないが、電話やショートメールなど通話をメインとした防犯ツールとして子ども向けケータイを持たせたい人に適している機種だ。GPSで位置情報を確認できるのはもちろん、帰宅を通知する機能や自動的に電話がつながる機能など、防犯機能が充実している。
小学校高学年であれば、友だちとのコミュニケーションを含めてスマホを欲しがる子どもも多いが、小学校低学年などあまり早い段階からインターネットやSNSを利用するのを控えたい場合は、やはりある程度、機能制限されているケータイのほうが安心できる。そういう人には、防犯機能が充実しつつインターネットは使えない、このmamorio5が選択肢になるだろう。
■GPSで位置確認。ココセコムとの連動で防犯も万全に
mamorino5では、GPS機能を使って子どもの居場所を保護者のスマホや携帯電話から確認できる。さらに、5分ごと、10分ごとで連続して位置情報を受信できるので、子どもの移動した経路が気になる場合にも安心だ。
さらに、防犯対策としてうれしいのは、警備会社のセコムが提供する「ココセコム」と連動したサービス。子どもが防犯ブザーを鳴らすと、保護者と同時にセコムに通報される。セコムから子どもに連絡し、最寄りのセコムから緊急対処員が子どもの元へ急行してくれる。
■子どもが着信に気づかなかったら自動でつながる
親が心配するポイントとして、「子どもに電話をしても出ない」ということがある。こんなときmamorino5では、自動的に電話がつながり、ハンズフリーで通話ができる「着信自動応答」の機能がある。子どもが着信に気がつかなくても、周囲の音を拾うので、今どんな状況にあるのか知ることができる便利な機能だ。
■子どもがひとりで帰宅、習いごとに出かける時にも安心
「おうちだよ通知」は、子どもが帰宅したことを保護者の携帯に知らせてくれる機能。子どもの帰宅予定時間帯を設定しておくと、15分ごとにmamorino5が自宅のWi-Fiルーターをサーチし、検出したタイミングで保護者の携帯に通知してくれる。
また、帰宅後に習いごとなどで再び出かける際には、遅れずに行けるのかが心配になるもの。そんなときに使えるのが「出かけるよアラーム」。出発する時間を設定しておくと、出発時間が近いことを通知し、mamorino5を持って行くように促してくれるという親切な機能。これならひとりのお留守番も安心だ。
子どもがひとりで行動する際に直面するさまざまなシーンを想定した、安心な機能が満載のmamorino5は「初めてのケータイ」にぴったりの機種といえる。
基本的な通話と防犯機能を備えた「mamorino4」
mamorino5の一世代前の機種ではあるが、基本的な防犯や見守りの機能はついているので、最低限の機能があればOKという保護者におすすめなのがmamorino4だ。
mamorino5との差分は、「おうちだよ通知」や「出かけるよアラーム」など通知機能が搭載されていないことと、保護者からの電話に出なかったときに自動的にSMSを送り、居場所などを通知する機能がないこと。それらの機能が必要なければ、本体価格がおトクなmamorino4が選択肢になるだろう。
使用制限、防犯機能もついたキッズスマホ 「miraie f」
小学校低学年のうちは機能制限したキッズ向けケータイで、高学年になったらスマホに切り替える親が増えているが、とはいえ大人用のスマホを持たせるのはまだ心配……という場合に選びたいのがキッズ向けスマホ「miraie f」だ。
「miraie f」は防犯ブザーを搭載したスマホで、インターネットの閲覧やアプリの利用など機能ごとに利用制限をかけられる。
■危険なサイトから守る、フィルタリングの設定が簡単
キッズ向けスマホのいちばんの利点としては、子どもにとって危険で有害なサイトやアプリから子どもを守る機能が備わっていること。特に「miraie f」は、小学生、中学生、高校生のなかから自分の子どもの学齢を選ぶだけで、フィルタリングレベルの設定ができる。アプリ、ウェブサイトそれぞれでフィルタリングレベルを設定できるほか、ダウンロードしたアプリも、アプリごとに使用の許可と制限を選ぶことが可能だ。
■利用時間を保護者が設定して使いすぎ防止
子どもにスマホを持たせたときに、もうひとつ心配になるのがスマホの使いすぎ。それを防ぐために「miraie f」では、「1日のトータル利用時間」「1日のトータル通話時間」「利用を制限する時間帯」をそれぞれ設定できる。
これらのフィルタリングや利用時間制限は、パスワードをかけた「保護者メニュー」からのみ設定できるので、保護者の管理のもとで安全にスマホを利用できる。
もちろん、キッズ向けケータイと同じく防犯機能もしっかり搭載されている。カメラ機能付き防犯ブザーが付いているので、ブザーを鳴らすと、位置情報に加え、カメラで自動撮影した周辺写真も一緒に保護者にメールで届けられる。
大人のスマホにはない機能がついたキッズ向けスマホなら、安心してスマホデビューできるだろう。
フィルタリングをかければ、親のおさがりスマホも
最近では親が過去に使っていたスマホを、新たに契約し直して子どもに持たせるというケースもある。端末代を節約できるのがメリットだが、そのまま使わせるのが心配な人もいるだろう。
そんな場合には、「あんしんフィルター for au」アプリが便利だ。「あんしんフィルター for au」を使えば、利用時間制限や利用状況の確認、居場所の確認など、フィルタリングレベルに応じて利用を制限できる。
設定するにはまず、子どもが持つスマホで「あんしんフィルター for au」アプリをダウンロード。アプリ内で、学齢に合わせてフィルタリングレベルを設定する。さらに、親のメールアドレスを管理者として登録すると、親のスマホから設定の変更や利用状況の確認ができるようになる。
現在は18歳未満の子どもがスマホや携帯電話を持つ際、フィルタリング設定をすることが法律で義務化されているので、親のおさがりスマホを使わせる際には、「あんしんフィルター for au」でフィルタリングを設定しておこう。
子どもには何歳からスマホがいいのか
いまやスマホやケータイはひとり1台持つ時代で、小学生でも5割が携帯電話を持っているという。2018年にKDDIが行った調査では、都市部では小学3年生、地方部でも小学6年生を境に所有率は約5割となり、6年生からはキッズ向けケータイよりスマホの比率が高くなっている。
小学生の娘を持つ筆者の周囲でも「小学校高学年になってサッカーのクラブチームに入ったら、チームから子どもへの連絡手段がLINEなので、スマホを持たせるようになった」などの声を聞くようになった。家庭や子どもの状況によって、スマホが必要になるタイミングはさまざまではあるが、大事なのは親子でよく話し合い、適切な時期を見極めることだ。
安全に使える方法を、しっかり親子で確認して
スマホ=危険というイメージを持つ保護者も多いかもしれないが、子どもに持たせることで見守りできるだけでなく、いつ起きるかわからない災害時の通信手段としても活用できるため、安心できる点も多い。2020年からプログラミング教育が必修化されることからも、子どもたちがITに触れる機会は増えていく。時代や環境にあわせて、初めて購入する際の参考にしてほしい。
文:相馬由子(ディライトフル)