2020/03/16

レシートを撮影するだけ! おすすめ『家計簿アプリ』や利用時の注意点を解説

家計簿アプリのイメージ

「家計簿アプリ」は、月々の出納を管理できるとても便利なアプリだ。ただし、始めてはみたものの三日坊主でやめてしまったり、あとでまとめて入力しようとレシートを財布に入れたままにして結局続かなかった……という経験がある人もいるだろう。

実は、最近の家計簿アプリは、レシート読み取り機能や銀行口座・クレジットカードとの連携など、機能性、使いやすさのどちらも向上している。本記事では家計簿アプリの便利機能や、セキュリティの不安を解消するポイントを解説し、さらに、おすすめのアプリも紹介する。

家計簿アプリの便利機能

家計簿アプリには、単に出納を記録するだけではなく、さまざまな便利機能が追加されている。出納管理を継続していくためには、これらの機能を活用していきたい。

・レシート読み取り機能

レシートをスマホのカメラ機能で撮影すると、家計簿に必要な日付、品名、金額、店名などを自動読み取りしてくれる。ほとんどの家計簿アプリに無料で搭載されており、使いやすさの目玉にもなっている。

読み取り精度もかなり上がってきており、店舗情報を読み取ったり、品名からAIが分析したりすることでカテゴリーを自動分類する機能もある。あとで修正したり、再撮影したりすることも可能。もちろん、読み取りにくいレシートや領収書の場合は手入力できる。

アプリ「家計簿Zaim」のレシート読み取り画面 アプリ「家計簿Zaim」のレシート読み取り画面
アプリ「マネーフォワードME」のレシート読み取り画面 アプリ「マネーフォワードME」のレシート読み取り画面

・銀行口座やクレジットカードなどとの連携

キャッシュレスの普及にともない、クレジットカード、電子マネー、交通系ICカード、各種キャッシュレスサービスによる支払いが増えている。家計簿アプリでもこれらを登録し、入出金履歴を自動連携してくれるものが多い。連携するだけで、家計簿アプリに簡単に反映できるので非常に便利だ。

アプリ「家計簿Zaim」の銀行口座自動連携画面 アプリ「家計簿Zaim」の銀行口座自動連携画面

・家族や他のデバイスと共有

家族と家計簿の内容を共有し、収入、支出の見える化が可能。また、タブレットやパソコンなど、ほかのデバイスでも同じ情報を確認することができる。

アプリ「家計簿Zaim」のパソコンでの支出画面 アプリ「家計簿Zaim」のパソコンでの支出画面

・グラフ化でわかりやすく表示、予算管理にも

支出のカテゴリーごとにグラフ表示やカレンダー表示してくれる家計簿アプリも多く、わかりやすく楽しみながら家計簿をつけることができる。予算管理も可能で、たとえば今月分の食費に対する残高表示もできる。また、カテゴリーごとに週・月・年ごとの比較をしてくれるアプリもある。

アプリ「LINE家計簿」の支出グラフ アプリ「LINE家計簿」の支出グラフ(カテゴリー毎、月間)

銀行口座やクレジットカードと連携しても大丈夫?

家計簿アプリで銀行口座やクレジットカードと連携するのは便利だが、不正アクセスや個人情報の漏洩を不安に思う人も多いだろう。

銀行口座やクレジットカードの連携といっても、基本的にはWEB上で明細を見るためにログインするだけなので、残高や入出金の閲覧のみで、口座内のお金を引き出すとことはできない。

ここでは、家計簿アプリにセキュリティ対策が施されているかの目安となるポイントを紹介する。連携する前に確認しておこう。

・通信方式が安全か(第三者が通信内容を見ることができない、など)
・ユーザー情報をどのように保存しているか(暗号化しているか、など)
・必要な情報のみを保存しているか
・第三者機関の認証を受けているか(ISMS: Information Security Management System 情報セキュリティマネジメントシステムなど)
・退会時にデータをどう扱うか
・身に覚えのないログイン情報をユーザーにお知らせする機能があるか

また、多くの家計簿アプリが最新のセキュリティ対策に取り組んでいるとはいえ、悪意ある第三者から口座を見られないための最低限の自己防衛は必要だ。

たとえば、

・銀行口座やクレジットカードで身に覚えのない引き落としや出金がないか、こまめにチェックする
・アプリのログインパスワードを使いまわしにしない
・スマホやアプリのロック設定をしっかりかける
・スマホのウイルスソフトを最新にしておく

などをぜひ実践してほしい。

おすすめの家計簿アプリ

では、おすすめの家計簿アプリを紹介しよう。

■LINE家計簿

LINEアプリの[ウォレット]タブから利用でき、収支の記入・管理ができる。また、「LINE家計簿」の公式アカウントと友だちになれば、トーク画面から日々の買い物などの入力も可能。普段LINEを使っている感覚で毎日の支出入力ができ、入力結果はLINEの返答メッセージでも確認できるほか、AIが自動で食費や日用品といったカテゴリー分類もしてくれる。

LINEのウォレット、「LINE家計簿」のトーク画面

ただし機能に制限があり、すべての機能を使うには別途「LINE家計簿アプリ」(無料)のインストールが必要。「LINE家計簿アプリ」にはレシート読み取り機能が搭載されるほか、トーク入力によって入力した内容がわかりやすくグラフ化されるなど、支出状況をスムーズに把握できる。

「LINE家計簿」アプリのアイコン

LINE家計簿(iOS)
LINE家計簿(Android)
アプリ利用料/無料

■家計簿Zaim

食費や日用品といった支出のカテゴリーを自由に変更できるので、自分にあった使い方が可能だ。ほかにも、給与や保険料といった毎月の固定費を繰り返し入力機能で設定することもできる。アプリと同じ内容をパソコンでも確認・修正しやすいのも特徴だ。

アプリ「家計簿Zaim」

有料プランでは連携口座の更新が随時可能(無料プランでは更新のタイミングが数日に一度のみ)になるほか、アプリ内のすべてのデータを無期限で保存・ダウンロードできる(無料プランでは制限あり)といった機能が追加される。

「家計簿Zaim」のアイコン

家計簿Zaim(iOS)
家計簿Zaim(Android)
アプリ利用料/無料(アプリ内、一部有料会員サービスあり)

■マネーフォワード ME

金融機関、ポイントサービス、通販サイトなど、連携先が多いのが特徴。また、各カテゴリーの支出を月ごとに見られたり、クレジットカードで高額な支払があったことなどをアラートする「MY通知」があるなど、支出を把握しやすいツールが充実している。

アプリ「マネーフォワード ME」支出確認、マンスリーレポート

有料プランでは、「データの閲覧可能期間が無制限」(無料プランでは過去1年分のみ)、「連携可能口座数が無制限」(無料プランでは10まで)といった機能が追加される。

「マネーフォワード ME」のアイコン

マネーフォワード ME(iOS)
マネーフォワード ME(Android)
アプリ利用料/無料(アプリ内、一部有料会員サービスあり)

■Dr.Wallet

レシートを撮影するとオペレーターが手作業で入力してくれるため、誤入力が少なく、手書きなど読み取りにくいレシートも高い精度で入力される。所要時間は最短数分程度だ。また、1枚のレシートを分割して別々のオペレーターが処理するので、匿名性、安全性も高い。

アプリ「Dr.Wallet」の撮影したレシートのデータ化の例
アプリ「Dr.Wallet」の撮影したレシートのデータ化の例

有料プランでは、「レシート入力が無制限」(無料プランでは100枚/月まで)、「レシート入力で品目ごとにデータ化」(無料プランでは合計金額のみ)といった機能が追加される。

「Dr.Wallet」のアイコン

家計簿Dr.Wallet(iOS)
家計簿Dr.Wallet(Android)
アプリ利用料/無料(アプリ内、一部有料会員サービスあり)

家計簿アプリを毎日の習慣に!

月々の出納を継続して管理するために、家計簿アプリの便利機能をうまく使って毎日の習慣にしたいもの。銀行口座やクレジットカードだけでなく、最近身近になってきたスマホ決済などの各種サービスとも連携が進んでいる。春からひとり暮らしや新生活を始める人も、ぜひ本記事を参考に家計簿アプリを始めてみてはいかがだろうか。

文:津村 雅