2019/12/09
『乾電池式充電器』が災害時スマホ充電手段として再評価! メリットやおすすめ商品を紹介
近年、大型台風といった自然災害による停電などの被害が増えている。命を守るためのツールとして携帯電話やスマホは重要な役割を担っているが、心配されるのはその「充電」だ。スマホがバッテリー切れにならないように、しっかりとモバイルバッテリーを用意しておくことが安心につながる。
だが、充電式のモバイルバッテリーの場合、スマホを充電できるのは1、2回限りで、再充電しないと使えないというのは、停電時の備えとしては少々心もとない。そこで再評価されているのが、乾電池さえあれば何度でも充電できる「乾電池式充電器」だ。本記事では、乾電池式充電器のメリットや乾電池の選び方、シーン別のおすすめ商品も紹介する。
停電時にも平常時にも心強い! 乾電池式充電器のメリット
まずは停電時における、乾電池式充電器のメリットについて説明しよう。
充電式のモバイルバッテリーの場合、本体に充電された電力を使い切ってしまうと、当然ながらそれ以上はスマホを充電できない。複数回充電できる大容量タイプも存在するが、停電している状況で充電回数に限りがあるのは少々不安だ。
その点、乾電池式モバイルバッテリーなら、電気が止まったとしても、普段からまとまった本数をストックしておけば、コネクタに接続するだけでスマホの充電が可能だ。停電時に乾電池のストックが切れていても、テレビやエアコンのリモコンなど、使用中の乾電池を使い回すこともできる。さらに、災害時は支援物資として手に入る可能性もある。
乾電池の長期間保存は自然放電や液漏れが心配という人は、長期間保存可能な乾電池を用意しておくと安心だ。なかには10年間にわたって保存可能な防災に適した商品もある。乾電池ならさまざまな家電製品で活用できるので、ストックが無駄になりにくいのもメリットといえるだろう。
防災時でなくても乾電池式充電器を常にカバンの中に入れておき、充電が必要になったら、コンビニなどで乾電池を購入して使用するといった普段使いも可能だ。充電器だけならモバイルバッテリーよりも重量がかなり軽いので、負担になりにくい。
このことからも、充電式のモバイルバッテリーに加えて、乾電池式充電器と乾電池も準備しておくと災害時にも心強いというわけだ。
乾電池式充電器に最適な乾電池の種類は、「アルカリ乾電池」
乾電池式充電器を使用する上で知っておきたいのが、乾電池の種類だ。多くの乾電池式充電器は単三乾電池を使用する設計になっているが、実はひと口に単三乾電池といっても3つの種類が存在するので、それぞれの特徴を紹介する。
なお乾電池式充電器の使用に適しているのは、ひとつめに紹介するアルカリ乾電池だ。一度家にある乾電池の種類も確認してみてほしい。
①ハイパワーで容量が大きい「アルカリ乾電池」。10年保存できる製品も
近年最もポピュラーなのが、ハイパワーで容量が大きい「アルカリ乾電池」だろう。プラス極の材料である二酸化マンガンと、マイナス極の材料である亜鉛が多く含まれているため、マンガン乾電池の2〜5倍ほども長持ちする。電動歯ブラシやストロボなど、連続して大きな電力を供給し続ける機器に適している。
ほとんどの乾電池式充電器は、アルカリ乾電池での使用を想定して作られている。なかでもパナソニックの「エボルタNEO」なら10年の長期保存ができるため、備蓄用の乾電池としておすすめ。「世界一長持ちする単三アルカリ乾電池」としてギネス世界記録にも認定されている。
②リモコンなどの小さな電力供給に向いている「マンガン乾電池」
全世界で広く使われ、古い歴史を持つ「マンガン乾電池」。アルカリ乾電池よりもパワーでは劣るが、時間を置くと再度化学反応が起こり電圧が回復することが特長だ。時計などの小さな電力で動作する機器や、スイッチのオンオフがあるリモコンや懐中電灯など、休み休み使用する機器での使用に向いている。
また、マンガン乾電池は赤色の見た目をした「赤マンガン」と、黒色の「黒マンガン」の2種類をイメージする人が多いだろう。これは単なるデザインの差ではなく、赤マンガンは電力が弱いものの回復力が高く、黒マンガンは電力が強いものの回復力が低い。なお、赤マンガンは徐々に生産が終了している。モバイルバッテリーで使用する場合は、一気に電力を供給できる黒マンガンを選択しよう。
③充電して繰り返し使える「ニッケル水素電池」
「ニッケル水素電池」は、充電して繰り返し使用できるタイプの乾電池だ。使い捨ての乾電池よりもハイパワーで長持ちのため、充電器はもちろんのこと、デジタルカメラやCDプレーヤーといった高電圧が必要な機器での使用にも向いている。
災害対策から旅行、ビジネスまで。おすすめ乾電池式充電器3選
ここからは、おすすめの乾電池式充電器を紹介しよう。持ち運びしやすいミニマムなタイプや、災害時に役立つライトの機能も備えた商品などを選定したので、自身の目的に合った乾電池式充電器を選んでほしい。
・コンパクトで持ち運びやすい「電池でGO!!」
コンパクトサイズでお出かけのお供として持ち歩きもしやすいこの「電池でGO!!」は、本体の価格も高くはなく、汎用性の高いタイプだ。乾電池4本をすっぽりと包むだけのサイズ感で、持ち運びの煩わしさも軽減してくれる。
また、アルカリ乾電池4本で電池容量1960mAhのスマホの場合は約50%ほど充電可能で、緊急用のモバイルバッテリーとしての性能は十分。「電池でGO!!」単体のほか、micro USBケーブルとUSB Type-C変換コネクタが付属したタイプ、Lightningケーブルが付属したタイプも販売されているため、必要に応じて選択できる。
商品名/電池でGO!!
販売元/株式会社オウルテック
価格/本体のみ 1,188円(税込)、超タフLightningケーブル付き 2,618円(税込)、超タフケーブル&USB Type-C変換コネクタ付き 2,068円(税込)
・11gという軽さで常に持ち歩きできる「nipper」
とにかく小さな本体の重量は、なんとたったの11g。というのも、ケースタイプのモバイルバッテリーではなく、電池の両電極をつないで充電するという発想の転換の商品だ。キーアクセサリーとして使用できるので、常にカバンに入れていても気にならない。自宅やクルマの鍵とセットで持ち歩くことになるため、自宅に忘れてしまうリスクを最小限に抑えられる。たとえば鍵につけておけば、家の中では所定の位置に、外では肌身離さず持っているものなので非常時でもすぐに使用できるだろう。
普段はキューブ状の指先サイズで、充電時にセットできる単三乾電池は2本。その分、充電できるバッテリー量は約20%ほどにとどまるが、通話は3時間ほど可能となり緊急時の備えとしては十分役立つだろう。乾電池を持ち歩きたくない人は、必要なときだけコンビニなどで調達すればOK。出力用端子はmicro USBだが、手持ちのLightning変換コネクタを使えばiPhoneも充電可能。
本体を開き、電池を挟むようにセットするだけで充電ができる。マグネットが内蔵されているので、充電中の電池もきちんと固定される設計だ。
商品名/nipper
販売元/日本ポステック株式会社
価格/2,680円(税込)
・高機能タイプの「USB入出力付急速充電器 BQ-CC87L」
充電式の電池「ニッケル水素電池」を使用する人は、ぜひ「USB入出力付急速充電器 BQ-CC87」を検討してほしい。充電池を充電する機能と、乾電池式モバイルバッテリーとしての機能、LEDライトの機能を兼ね備えた商品だ。
モバイルバッテリーとして使用するには本体に電池をセットする必要があるが、その際には充電池だけではなく通常の乾電池も使用できるという優れもの。たとえば停電といった非常時に充電池が2本しか見当たらない場合や、充電池が切れてしまった場合でも、テレビのリモコンなどから乾電池を抜いてスマホの充電に使用することもできる。満充電にした充電池エネループ単三4本を使った場合、内蔵電池3.7V 2700mAhのスマホであれば約50%充電ができる。
さらに普段使いでおすすめしたいのが、外回りの多いビジネスマンをはじめとしたPCを持ち歩く人。こちらの商品はmicro USBケーブルで充電池を充電する仕組みなので、いざというときはPCのUSBからでも充電ができる。所要時間もエネループ単三2本の場合約2~3時間と、かなりの急速充電だ。
その他、付属のアタッチメントを装着するとLEDライトとして使用することも可能で、満充電されたエネループなら点灯時間はなんと11時間。停電時に明るさを確保したいときには、きっと頼りになるだろう。
商品名/USB入出力付急速充電器 BQ-CC87L
メーカー/パナソニック株式会社
価格/オープン価格
スマホは災害時の生命線。しっかりとバッテリー切れ対策を
災害時、外部との連絡手段になるスマホは、自分と家族や友人をつなぐ生命線。バッテリー切れに備えて、充電式のモバイルバッテリーに加え停電にも強い乾電池式充電器の準備もぜひ検討してほしい。備えあれば憂いなし。災害のリスクを確実に減らすだけでなく、日常生活のサポート役となることも知っておきたいところだ。
みんなの「ほしい!」がプレゼントに!?
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文:佐藤宇紘