2019/09/30

『iOS 13』『iOS 13.1』がリリース! ダークモードなど注目すべき新機能をまとめて紹介

日本時間9月20日に「iOS 13」の配信がスタートした。iOSはどのように進化しているのだろうか。同月26日に配信された「iOS 13.1」とあわせて、注目すべき新機能をまとめて紹介する。

【目次】

注目の新機能

今回のアップデートで進化したポイントは多くあるが、とくに注目したい機能が「ダークモード」と「写真」「カメラ」アプリ、「バッテリーパフォーマンス」だ。ダークモードは基本画面の背景色を黒地に変更できるようになり、写真、カメラアプリでは編集や補正に関する機能が大幅に向上。バッテリーは劣化を抑える設定などが追加された。

目にもバッテリーにもやさしい「ダークモード」

iOS 13で、なにより大きく変わるのが画面の“見た目”だ。これまでのiOSでは、基本画面は白地に黒文字の表示で統一されていた。今回登場したダークモードでは“背景を黒”、“文字を白”に切り替えられ、これまでとまったく違う印象になる。

iOS 13 ダークモードのiPhone 左がiOS 12、右がiOS 13「ダークモード」

単に見た目がガラリと変わるだけでなく、目にもやさしく、さらに黒が基調だと周囲に光が漏れにくくなるので、暗い場所でも使いやすい。有機ELディスプレイの場合は消灯していることになるので、バッテリーの節約にもつながる

切り替えは設定アプリやコントロールセンターから簡単にでき、日の出や日の入りの時間にあわせて自動で切り替えることも可能。ダークモードに最適化された壁紙が登場するというのも楽しみだ。

「写真」と「カメラ」はUIが一新されて使い心地アップ

写真アプリは表示サイズが均一のスタイルから、サイズがランダムなアルバムのようなスタイルに変わり、撮影した場所や関連情報などのタイトルもわかりやすくなった。さらにLive Photosや動画はサムネイルで自動再生されるなど、まるでまったく新しいアプリを使っているような印象だ。

iOS13「写真」アプリの表示

重複している写真やスクリーンショットを非表示にしたり、複数のキーワードで検索したりと、お目当てのファイルを探しやすくなった。また、編集機能もパワーアップしており、露出やコントラスト、明るさといった調整可能な項目が15に増え、手前や奥に写真を倒す「傾き補正」も可能となった。また、それらを動画にも適用できるのがうれしい。

「カメラ」アプリは、セルフィーをもっときれいに撮れるよう、ポートレートモードでライティングの位置や強度が調節できるなど、標準カメラアプリだけでできることが増えている。とくにカメラを楽しむためにiPhone 11 Proを購入したという人の期待に十分に応えられるだろう。

「バッテリーパフォーマンス」が向上。充電速度が最適化されるように

バッテリー充電を最適化する機能が設定できるようになった。端末の利用状況を学習して充電状態を80%程度にすることでフル充電状態を避け、バッテリーの劣化速度を抑えるというものだ。ON/OFFの切り替えもできる。また、iOS 13.1ではiPhone XR、iPhone XS、iPhone XS Max 以降の機種では突然のシャットダウンを防止するパフォーマンス管理機能、予期しないシャットダウンを無効にする機能も追加された。

新登場の機能

iOS 13では、従来のアプリがパワーアップしただけではない。サブスクリプションとして登場した「Apple Arcade(アップルアーケード)」がプレイできるようになったほか、「ショートカット」アプリが標準搭載されるようになった。テキストの入力においては、「3本指ジェスチャー」が新たに加わった。

期待のサブスクゲームサービス「Apple Arcade」がスタート!

Apple Musicと同じくゲームも定額制サービスがスタートし、登録(600円/月)するだけで新作を含む100以上あるゲームをApp Storeからダウンロードしてプレイできるようになる。ロールプレイングゲームやレーシングゲーム、マルチプレイヤー対戦ゲーム、パズルゲーム、リズムゲームなど、様々なジャンルが用意されている。

Apple Arcadeで遊べるゲーム

iPadやMac PC、Apple TVのいずれのプラットフォームにも対応していて、もちろんオフラインでもプレイできる。広告もアプリ内課金も一切ないので、家族6人まで共有できる機能も安心して使える。これなら新しいジャンルのゲームにも思う存分トライできそうだ。

よく使う操作を自動で実行できる「ショートカット」が標準機能に

iOS 12ではApp Storeからダウンロードが必要だった「ショートカット」アプリが、iOS 13では標準アプリとして内蔵される。頻繁に使う機能やアプリの操作手順を自動で実行したり、うっかり忘れてしまう家事や買い物を自動で通知したり、アイデア次第でいろいろな使い方ができる優れものアプリであるだけに注目だ。

iOS13「ショートカット」アプリ

“自宅への経路を検索する”、“プレイリストを再生する”などの頻繁に使いたい操作はギャラリーにテンプレートが用意されており、ライブラリで自分用にカスタマイズできる。また、アプリを起動するといったなんらかのアクションをきっかけにして、ショートカットを実行することもできる。少し慣れが必要だが使いこなせるようになれば、ますますiPhoneが便利になるだろう。

テキストのコピーやペーストが簡単になる「3本指ジェスチャー」が登場

日本語入力の際に3本指ジェスチャーが使えるようになった。これまでタップや長押し、本体を振るなどで行っていたコピペや取り消しなどの操作を3本指の操作でできるというもので、特に取り消しは3本指スワイプでできるのが便利だ。iPad向けの改善と見られているが、従来のタップで選択する機能も継続され、テキスト選択やカーソル移動も素早くできるようになったので、全体的に操作性が上がっているといえる。

リニューアルされたアプリ

既存のアプリや機能も、今回のアップデートによりさらに使い勝手が良くなっている。ここでは「マップ」、「リマインダー」、「メール」、「Siri」のアップデート内容を紹介する。

Suicaとの連動やLook Around機能に期待の「マップ」

標準の地図アプリこと「マップ」は一から作り直され、立体的にわかりやすく、見やすい表示に改善された。

iOS 13「マップ」アプリのアップデートGIF

経路検索では渋滞や交通機関の遅延情報が反映され、Suicaと連動させることも検討されているようだ。場所の共有や登録が簡単になり、目的地の到着予定時刻をあらかじめ知らせる機能では、遅刻しそうな場合に時間を自動更新してくれるので、移動中に連絡する手間がはぶける。なお、iOS 13.1では、経路の案内中に到着予定時刻を送信できるようアップデートされた。

ドライブのカーナビとして使うCarPlay機能も向上し、経路を自分の好みにあわせてプランしたり、選んだルート上からカフェやガソリンスタンドなどを検索できる。さらに陸路だけでなく飛行機で移動する場合にターミナルやゲート、出発時刻も最新情報が確認できるなど多機能になっているので、その変化に驚くかも知れない。

すでに米国では対応が始まっている、地図を360度画像で表示する「Look Around機能」は、日本への対応は2020年のオリンピックまでを予定しているそうなので、そちらも待ち遠しいところだ。

iOS 13「Look Around機能」

「リマインダー」が賢くなって、タスク管理のレギュラーに?

デザインも一新され、利用頻度が劇的に増えるかもしれない。

これまでは起動するとリストのタイトルがずらりと並ぶだけだったが、日付やフラグで自動的に整理するスマートリストになり、アイコンを付けるなど細かくカスタマイズできるように大変身している。重要なリマインダーはフラグを付ければ、リストに関係なく自動で一括表示してくれるのも便利だ。

iOS 13「リマインダー」アプリ 左がiOS 12、右がiOS 13の「リマインダー」アプリ。デザインが一新されている

リマインダーの追加もキーボードの上にサブメニューが表示され、写真や位置情報が簡単に追加できる。Siriから声で追加したり、リマインダー内でタグ付けした相手と連絡を取る際に、自動でリマインダーを表示させるといった使い方もできるようになっている。

ここには書ききれないほど多くの新機能が追加されたiOS13。Safariで表示しているウェブページ全体のスクリーンショットが撮影できる機能や、通信量を削減できる省データモードなど、様々な“かゆいところに手が届く”機能が追加されたアップデートとなった。これらの新機能を使いこなし、iOSと同様にわたしたちの生活もより便利なものにアップデートしていきたい。

文:野々下裕子