2019/01/18
旧iPadユーザーが『2018年新型iPad Pro』を使って感じた5つの便利ポイント
2018年11月に、第3世代といわれる新しい「iPad Pro」が発売された。代を重ねるごとに進化しているiPad Proだが、最新モデルでは機能だけでなく外観・デザインが大きく変わったことでも注目を集めている。
この記事では新機能や進化のポイントを紹介しながら、ビジネスからプライベートまで、存分に新しいiPad Proを使いこなす方法を提案していく。
最新のiPad Proはこんなに進化した!
新しいiPad Proのサイズは、11インチと12.9インチの2つ。容量は、ついに1TB版が登場し、64GB、256GB、512GBの全4種類から選べるようになった。いずれもCPUは最新のA12X Bionic 8コアを搭載。発表会では「一般的なモバイルノートPCより92%速い」と紹介されたほど、動画編集や最新のゲームなどもストレスなく動作する。
新しいiPad Proは外観も大きく変わっている。ホームボタンがなくなり、ベゼル(縁)が狭くなったことと、わずか5.9mmの薄さになったことで、サイズが小さく軽くなったのだ。12.9インチは、その大画面ゆえにさまざまなメリットがあるのだが、逆に持ち歩く際にはその重さや大きさが負担になることもある。今回、セルラー版であれば60gも軽量化されたことは、持ち歩くユーザーにとってとても喜ばしいことだ。
新しい11インチiPad Pro(写真左)と、前モデルの10.5インチiPad Pro(写真右)を比較すると、ホームボタンがなくなりベゼル(縁)が狭くなったことで、サイズ自体はほぼ変わらずに画面サイズがグッと大きくなっている。
もうひとつの大きな進化が「Face ID」の採用だ。iPhone X以降の端末で搭載されているFace IDのメリットは起動までのステップが減り、より直感的に素早く使い始めることができること。ホームボタンの故障や指紋認証を気にすることなく、快適に操作することができるため、実際にFace IDを利用しているユーザーからは大きな支持を得ている。
また、iPad Proに対応した「Apple Pencil」の使い勝手も向上している。新しいiPad ProとApple Pencilであれば、側面に磁力でくっつけることができ、なんとこれでペアリングまでしてくれるのだ。これまで何度もApple Pencilが迷子になり困っていたので、まさにユーザーの声を反映した新機能といえる。
ビジネスシーンで役立つ5つの理由
iPad Proは、タブレットでありながら「小さなコンピュータ」としてビジネスシーンでも活躍してくれる。5つの特徴をもとに、写真も交えながら使い方のコツを解説していこう。
■特徴1 軽くて小さいのに大画面液晶! 作業効率もアップ
筆者は前モデルの12.9インチiPad Proに惚れ込んで愛用してきたが、新しいiPad Proを使って、一度その軽さや小さいのに大画面というサイズ感に慣れてしまうと、もう前モデルには戻れないと感じる。作業領域が大きく、文字を打つにも、資料用のプレゼンデータを作成するときでも非常に重宝する。
■特徴2 スプリットビューを使ってデータ移動もドラッグ&ドロップ
以前から機能として使うことができていたのだが、新しいiPad Proを使用しているなかで、画面を分割して2つのアプリを同時に表示・操作できる「スプリットビュー」が素晴らしい。
iPhoneと同様に、iPadも一画面しか表示できないというイメージを持っている人がいるかと思うが、その印象を見事に覆してくれる機能だ。12.9インチだと画面サイズが大きいため、2分割してもとても作業しやすい。
Windowsの分割ウィンドウのように使えるスプリットビュー。最初に、ひとつめのアプリを起動し、次に2つ目のアプリのアイコンを画面の右にドロップするだけ。それぞれの画面の大きさも変更可能。
インターネットブラウザ上で使いたい画像をタップし、そのまま隣に表示しているWordにドロップして、書類に添付することができる。これは非常に便利!
■特徴3 Apple Pencilで手書きのチェックや画像調整もラクラク
「iPad Proを使うならばApple Pencilは必須。Apple Pencilなしでは、その魅力を半分しか使いきれていない」と、筆者のまわりのiPad Proユーザーは口を揃えて言う。使う以前は、正直そこまでのものか……と半信半疑だったのだが、Apple Pencilを使ってみるとすんなり納得できる。
これまでに多くのペンをiPadで使ってきたが、それらとは次元の違う滑らかさ。画面のスクロールなどの操作がスムーズなことに加え、書き心地もすばらしい。メモを取るのも、資料を作成するのも格段にスピードが上がっている実感がある。また、資料にちょっとしたイラストを添えたいときは、お絵かきアプリを活用するのもおすすめだ。
■特徴4 USB-C端子搭載でディスプレイやカメラとも接続しやすくなった
新しいiPad Proの大きな変更のひとつに、充電の端子がUSB-C端子になったことがある。USB-C端子は表裏関係なく接続することができ、ディスプレイや外部ストレージをはじめ、対応機器が増えているという利点もある。
■特徴5 ファイル表示機能で、クラウドデータの閲覧も簡単
今やiCloudやDropbox、Google Driveなどさまざまなクラウドストレージサービスが登場し、仕事で使っているという人も多いだろう。デフォルトで搭載されている「ファイル」アプリを使うと、Windowsのエクスプローラのように、ファイルやフォルダを一覧表示することができる。
クラウドサービスにも対応しているため、クラウド上にデータを保存しておくと、PCと連携させたりしたいときなどに非常に便利だ。前述したスプリットビューとあわせて活用すれば、外出先でもiPad Proで十分に仕事をこなすことができる。
Dropboxのファイルやデータも一覧表示されるので探しやすくなり、作業効率もアップする。
文章作成から画像処理まで、iPad ProがノートPC代わりに
筆者は仕事柄、外出先でもメモをしたり、原稿を書いたりすることが多く、そんなときにiPad Proを活用している。iPad ProとApple Pencil、そしてApple純正の「Smart Keyboard」があれば、紙に書くようにどんどんアイデアをメモしていくことができ、ちょっとした空き時間にはキーボードを使って原稿を書くことができる。
「Smart Keyboard」はフルサイズキーボードだけでなく、カバーとスタンドという3つの役割を担ううえ、ペアリングなどの手間が必要なく、すぐに使えるのも便利だ。この組み合わせのおかげでノートPC代わりというか、むしろノートPC以上に使い勝手がよく、とても役立っている。
長文を書く際は、シチュエーションに応じていくつかのアプリを使い分けており、WordやGoogleドキュメントなどを併用している。個人的に「Smart Keyboard」のキータッチは好みなので、まったくストレスなく文章を作成できている。また、自宅では音声認識機能を使い、音声入力でちょっとしたアイデアやざっくりとした原稿の構成などをメモしておくことも多い。
iPad Proであれば、純正のキーボードをはじめ、多数の対応キーボードが販売されているので、デザインや使い勝手、価格などの面から自分に合ったものを選ぶのがおすすめだ。
大画面のiPad Proはプライベートにも活躍
仕事のシーンに限らず、実はiPad Proはプライベートでもその実力を存分に発揮してくれる。お正月にiPad ProとApple Pencilを使って書き初めをしてみたが、とても楽しいひとときになった。
まずは動画鑑賞。筆者は複数の動画配信サービスを愛用しているが、テレビで観るのではなく、iPad Proでの視聴がもっともお気に入りだ。理由としては、いつでもどこでも見られるという点に尽きる。家事をしながらキッチンで、お風呂に入りながらバスルームで、あるいは寝室で、どこにでも持っていける手軽さがすばらしい。
また、電子書籍の閲覧にも向いている。スマホの画面が大きくなったとはいえ、マンガの吹き出しの小さい文字や、小説の細かい文字は拡大しないと読みづらいこともある。iPad Proであれば、ルビまで読みやすく、マンガの迫力ある見開きシーンを堪能できるのだ。電子書籍も見開きで読むことができ、文庫本よりもずっと読みやすい。
ゲームもパワフルなCPUと大画面で楽しめるため、これに慣れてしまうと、慣れ親しんだスマホの画面すら小さく感じてしまうのだ。
さらに、Apple Pencilを活用すれば、絵を描いたり習字を嗜んだりと、多彩な使い方ができる。このように、iPad Proを使うとついアプリを入れたり、動画を撮りまくったりと、いろいろと試してみたくなってしまうので、価格は高くはなるが、容量は最低でも256GB以上をおすすめする。容量が大きいと、動画もどんどん撮影することができる。撮った動画を編集してオリジナルムービーをつくるのも楽しい。
また、外出先で使うことが多いのであれば、すぐにネットに繋がるキャリアモデルがベストだ。筆者はセキュリティの関係から、公共のWi-Fiは使わず、必ず自分の回線を使うようにしている。キャリアモデルであれば、iPad Proならではのスプリットビューを活用し、ブラウザを開きながら、もう半分でメモしたりすることも気軽にできるのだ。
仕事からプライベートまで充実させてくれるiPad Proは、これまでのタブレットのイメージをいい意味で壊してくれた。一度使ってみると、この大画面とパワフルな性能に病みつきになってしまい、もう前モデルには戻れなくなってしまった。価格は決して安くはないが、価格以上に活用できる頼もしい1台だ。
文:相川いずみ