2018/11/01
| 更新
2022/05/16
『防災アプリ』のおすすめ5選|非常時の備えや避難情報、安否確認など
地震や大型台風、豪雨といった災害の増加にともなって、停電や断水など生活に影響を与えるような被害も増えている。地震や大雨といった緊急速報を通知してくれるアプリはいろいろ登場しているが、危険を知らされても日頃からの備えがなければ、いざというときの対応は難しいだろう。
そこで、普段から便利に使えて、いざというときのために備えられる「無料防災アプリ」に加え、災害時に役立つ「LINE」アプリの機能を厳選して紹介する。
最寄りの避難所を検索してARのナビも使える「防災情報 全国避難所ガイド」アプリ
現在地からもっとも近い避難所を検索して、道順をルート案内してくれる、災害時用ナビゲーションアプリ。iOS、Android両対応の無料アプリだ。全国の自治体が定めた災害時の避難所や避難場所を13万件以上収録しており、データベースは随時更新されている。
オフラインにも対応しているほか、一時避難場所、帰宅困難者一時滞在施設、津波避難施設、さらに給水拠点や医療機関なども検索できるので、自宅や会社以外にも出張先や旅先での災害にあったときや、避難した先で必要な施設を探す場合にも役立つ。
災害用安否情報確認サービス「Googleパーソンファインダー」を利用した安否登録や、災害伝言板の安否確認ができる機能も搭載されている。また、Lアラートに情報を配信している地域では、現在地に連動した「防災情報」がプッシュ通知される。
地図の表示を切り替えて活断層や土砂災害警戒区域などを表示したり、AR(拡張現実)を使って避難所や自宅の方向を表示したりするARカメラ・コンパス機能、ライフラインに関するTwitterアカウントの一覧機能などがある。
救急処置が必要な時の対応や万が一のために健康情報を記録しておける「MySOS」アプリ
突然の事故やケガ、病気などの緊急事態にはついあわててしまうものだが、iOS、Android両対応で無料の救命・健康サポートアプリ「MySOS」を使えば、画面の指示にあわせて救援依頼がスムーズに対応できる。倒れている人を発見したときに必要な一次救命処置や、応急手当ての方法などをガイドする機能もあり、AEDの検索、子どもの急病への対処に迷ったときにはどう判断するかサポートもしてくれる。
緊急連絡先は連絡帳と連動させて、救援時にショートメッセージを送る相手を登録できる。自身や家族の健康を管理するマイカルテ(要登録)は、アレルギーや持病など、自身の医療記録を登録して医療関係者に伝えられる。ほかにも、健康検診の結果や検査結果、処方箋など、カメラ機能で簡単に登録できる機能もあり、特定の機器と連動して自動的にデータを管理することもできる。
東日本大震災では津波でカルテなどの医療情報が消失してしまったため、個人の医療データをデジタル化して保存するパーソナルヘルスレコードを構築する動きが進んでいる。スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスから収集したデータとあわせて、健康管理に活用しようという動きもある。簡易なものであれば、iPhoneメディカルIDのようにスマホ本体に登録もできるので、万が一に備えてあわせて活用していこう。
東京都民以外にも役立つ防災や災害などの情報を提供「東京都防災アプリ」
東京都が制作、配布している冊子をアプリ上にて最適化したiOS、Android両対応の無料アプリ。「東京都防災アプリ」という名称だが、東京都限定ではなく、誰でも利用できる。災害時のシミュレーションや日頃備えておくべきものの情報など、東京都民以外の人にも役立つ情報が多く、全国で利用されている。防災にまつわる役立つ情報が充実しており、全体的にイラストとあわせた説明が多いため、視覚的に理解しやすい。また、英語や中国語、韓国語など日本語以外の言語にも対応している。
■シミュレーション感覚で防災知識を身につけられる「東京防災」
「防サイくん」というキャラクターと一緒に災害時などの対策が学べる。非常時の備蓄や家の中の備えを確認できるチェックリスト、防災の基本情報、クイズなどのメニューがあり、それらを利用すると防サイくんの部屋に家具や防災グッズが追加され、シミュレーションゲームのように楽しみながら防災知識を身につけられる。
■非常時や普段の必需品や知識がわかる「東京くらし防災」
非常時だけでなく、普段のくらしで知っておくと安心な知識や、外出時に役立つグッズリストが用意されている。自分用の必需品を追加してリストをカスタマイズすることも可能だ。
また非常袋に入れておきたいおすすめのグッズも、基本編のほか女性向け、保護者向け、高齢者向けなど幅広くアレンジを提案。「緊急ブザー」機能もついており、鳴らすと同時に登録したメールアドレスに緊急連絡を送信できるので、ひとり暮らしや帰宅中などで万が一なにかあったときの備えとしても使える。
■災害時に役立つ情報を受け取れる「災害情報」
上部の「災害情報」タブをタップすると、避難情報などいざというときにほしい情報や、災害時の対策を教えてくれる。たとえば、事前に設定した「マイエリア」のほか、都内全域の最新の災害情報がひと目でわかる。マイエリアは3つまで選べるので、自宅、実家、勤務先などを設定するといいだろう。
また緊急時に知りたい連絡先、交通情報、防災Twitterなどがまとめて紹介されているので調べる手間がない。さらにマップ機能は、事前にダウンロードしておくことでオフラインになっても使えるほか、「地域危険度マップ」や「水害リスクマップ」も用意されている。
※通知や情報の対象は東京都内のみ
大規模災害発生時に役立つ機能をひとつにまとめた「au災害対策」アプリ
災害発生直後には各携帯電話会社から「災害用伝言板」が提供されるが、それらを利用しやすく機能をまとめたアプリが「au災害対策」アプリだ。iOS、Androidそれぞれに対応し、無料で使用できる。
災害時の安否確認手段となる「災害用伝言板」をはじめ、「緊急速報メール」、「災害関連情報」といった大規模災害発生時に迅速な避難や安否確認を支援するサービスがひとつにまとめられている。
「災害用伝言板」は、震度6以上の地震や、大規模な台風や豪雨などの災害が発生した際に、被災地から電話やウェブを使って安否に関する伝言を登録・確認できる。被災者が自分の携帯電話番号を利用して安否情報などの伝言を登録でき、被災者の安否を知りたい人は相手の電話番号から伝言を検索する仕組みだ。
また、あらかじめ指定した家族や知人に対し、災害用伝言板に登録されたことをメールでお知らせする機能もある。Wi-Fiでも利用できる。
災害時以外はサービスを行っていないが、毎月1日と15日に体験利用することができるので、いざというときに備えて事前に試してみることをおすすめしたい。
「au災害対策」は、「アプリ版」のほか「+メッセージ公式アカウント版」の2種類が提供されている。「+メッセージ公式アカウント版」では、登録した地域の緊急速報メールを受信できるほか、全国の緊急速報メールの履歴を確認できるため、実家などがある地域に送られた緊急速報メールの確認も可能だ。+メッセージなら、万が一の際に知人に音声メッセージで安否を伝えることもできるので、アプリ版よりも利便性は高いと言える。
利用方法は、「+メッセージ」アプリをインストール後、公式アカウントから「au災害対策」を検索し、追加するだけだ。
災害時に便利な機能も備える「LINE」アプリ
普段からコミュニケーションツールとして利用されている「LINE」アプリだが、「LINE安否確認」「防災速報の受け取り」「写真や位置情報の活用」など、災害時に便利な機能が備わっている。
■災害時に利用できる「LINE安否確認」
震度6以上などの大規模な災害が起こった際に、ホームタブに赤枠の「LINE安否確認」が出現する。[安否を報告]をタップすると、[無事]または[被害あり]から安否状況を選択できるほか、[自宅にいます][後で返信します]など用意されたメッセージから追加して友だちに安否を報告できる。
■地域の防災速報をLINEで受け取る
自分の住む地域をLINEに登録すると、その地域の災害情報をLINEトークで受け取ることができる。Yahoo!防災速報と連携しており、「避難情報」「津波予報」「土砂災害」「河川洪水」「気象警報」「大雨危険度」「火山情報」「国民保護情報」の9つの防災速報に対応。受信したい速報を選択することもできる。地域は位置情報を利用して現在位置に連動するほか、最大3カ所を設定可能。自宅のほか、勤務先や実家のある地域などの情報も受け取れる。
利用するには、「LINE スマート通知」LINE公式アカウントを友だちに追加し、トーク画面下部にある[スマート通知設定]から[防災速報]を選び、受け取りたい情報や地域を設定する。
■写真や位置情報を活用する
災害が発生した際、家族と集まるために具体的な集合場所を指定したり、被害状況を共有したりしたい場合には、写真や位置情報を送ることで相手に伝わりやすくできる。
①トーク画面の[+]マークをタップ後、[位置情報]をタップ。スマホの位置情報機能がオンになっていて、ピンが正しい位置を指しているか確認してから送信する。
なお、災害発生時には、スマホのバッテリー消費を抑えるために位置情報の送信時以外は位置情報機能(GPS機能)をオフにしておくといい。オフにする場合は「設定」から[プライバシー]▶[位置情報サービス]をオフに。
スマホやアプリを有効活用して災害に備えよう
災害はいつやってくるかわからない。今回紹介したアプリは自然災害だけでなく、事故や病気など万が一のトラブルにも役立てられる機能が搭載されている。提供されているクイズやシミュレーション、情報通知機能などもできれば定期的にアクセスして、いざというときに使えるよう備えておくといいだろう。
文:野々下裕子