2018/10/01
『iOS 12』の新機能9つを紹介 計測、ミー文字、Siriショートカットって?
iPhone XSやXRの発表とともに、ひと足先に「iOS 12」がリリースされた。1年ぶりのメジャーアップデートした「iOS 12」の中身はどう変わっているのか? どんな新機能があるのか? 使い勝手が向上した機能も合わせ、アップデート直後からすぐ試したくなる機能を中心に紹介する。
iPhone 5sやSEも快適に。カメラやアプリの起動が爆速化!
iOS 12にアップデートするとその恩恵をすぐに実感できるのがパフォーマンスの向上だ。新しいモデルだけではなく、2013年に発売されたiPhone 5s以降のモデル、またiPad Airなどの旧モデルでもサクサクと動作する。
アプリの起動速度は最大で2倍、文字入力時のキーボード表示速度は最大で50%、カメラの起動速度は最大で70%も高速化している。
実際に筆者も試してみたが、アプリ動作が早くなった。これがいちばんうれしいアップデートだ。
「バッテリー使用状況」が詳細に
「バッテリー使用状況」が、過去24時間または過去10日以内の使用状況がグラフで詳細に確認できるようになった。[設定]>[バッテリー]と進む。
どの時間帯に多くバッテリーを消費しているか、どのアプリが何分間、何%のバッテリーを消費しているのかなどを細かく確認できるので、無駄なバッテリー消費を抑えることに役立つだろう。
「写真」のメニューが刷新。アルバムから素早く写真が探せるように
「写真」アプリのメニューが刷新。画面最下部に表示されているメニューから「メモリー」と「共有」が削除され、「写真」「For You」「アルバム」「検索」の4つのメニューとなっている。
新しくメニューとして加わった「For You」は、撮り溜めた写真を場所や期間ごとに自動的にソートしてくれる「メモリー」を表示してくれたり、アルバム内の写真をピックアップしておすすめのエフェクト(加工)を提案してくれたり、写真に写っている人を認識し、その人にアルバムの共有を提案してくれる新機能だ。
撮影したらそのまま溜まっていくだけのアルバムだが、自動的にさまざまな提案をしてくれるのは嬉しい。
また「検索」では、上部の検索窓にキーワードを入力する方法のほか、アプリが写真に写っている人やモノ、撮影された場所、イベント、関連する日付などが表示されるので、写真を素早く探し出せるようになった。
「AR」が強化! カメラをかざして計測がスゴい!
iOS 11から強化された「AR(拡張現実)」。iOS 12では、物体の検出や動くものの追跡機能が向上し、これまで以上にさまざまなモノにAR体験を組み込めるようになった。
特に今回のアップデートで注目されているのが、そんなAR機能を応用した「計測」アプリだ。測りたいモノにカメラをかざすだけで、長さや面積を計測できる。
使い方も非常にかんたん。測りたいモノの端を2点指定するだけで、寸法を瞬時に表示してくれる。引っ越しや部屋の模様替えなどで使える便利なアプリだ。
スマホ依存度がひと目でわかる新機能「スクリーンタイム」
1日または過去7日間のiPhoneの起動時間や、アプリごとの使用時間を確認できる「スクリーンタイム」。使用状況に応じ、アプリの使用時間を制限したり、子どもが利用している場合は、本体の[設定]>[スクリーンタイム]>[コンテンツとプライバシーの制限]から、不適切コンテンツをブロックする細かな設定がでるなど親にとって安心な機能を備えている。
「通知センター」が整理も管理も簡単に
TwitterにLINE、天気情報の通知、その間に配信されたニュースやFacebookからの通知……さまざまな通知に埋め尽くされていたロック画面の「通知センター」。iOS 12ではこのバラバラだった通知がアプリごとに「グループ化」されて表示されるようになった。
また、グループ化された通知を左スワイプするとアプリの通知の管理設定や一括削除ができるなど利便性もアップしている。
映画観賞時、会議に通知をオフ!「おやすみモード」が強化
大切な会議や映画鑑賞などの際、iPhoneの通知音や通知表示を一時的に停止してくれる「おやすみモード」。
iOS 12では、この「おやすみモード」をオフにするタイミングが「1時間」や「この場所から出発するまで」、「このイベントが終了するまで」(カレンダーにスケジュール設定されている場合)と、より便利にカスタマイズできるようになった。コントロールセンターを立ち上げ、おやすみモード(月のマーク)を3D Touch(強く押し込む)。
会議終了後、映画鑑賞後は自動でオフになってくれるので、切り替え忘れて大切な通知を無視してしまう、という心配もなくなりそうだ。
「Siriショートカット」は買い物から振込みまで音声の指示で可能に
音声アシスタントの「Siri」が新たに生活パターンを覚え、音声で実行できるという新機能が追加された。
[設定]>[Siriと検索]と進むと、自分の行動が「ショートカット候補」として一覧できる。
たとえばパスタの茹で時間を計るための「11分のタイマーを開始」を頻繁に使うなら、「Siri」に「タイマー」と入力するだけで「11分のタイマーを開始」してくれる。
会計アプリやスマートホームアプリ、ショッピングアプリなど、今後さまざまなサードパーティ製のアプリと「Siri」が連携して、音声入力だけで買い物や家賃の振り込みなどもできるようになる。
自分の顔をアニ文字にできる「ミー文字」が楽しい
iPhone Xから搭載された「アニ文字」。iOS 12では、このアニ文字のキャラクターラインアップが増え、自分そっくりなキャラクター「ミー文字」がつくれるようになった。iOS 12では目や舌の動きもトラッキングすることで、これまで以上に表情豊かなコミュニケーションが可能だ。
つくったミー文字のムービーは保存してLINEやFacebook MessengerなどのSNSで送ることや、FaceTimeのビデオ通話でも使用可能。「ミー文字」を使うことで、Vtuber気分も楽しめるだろう。
※「アニ文字」「ミー文字」の作成はiPhone X以降のモデルが対応ですが、iPhone X以前のモデルでも閲覧することは可能です。
日常がちょっと便利になる機能が満載のiOS 12
新登場の機能や既存アプリの使い勝手の向上もさることながら、やはりパフォーマンスの向上が嬉しいポイントだ。これまでは「iOSを最新にアップデートすると動作が重くなる」と言われることもあったが、iOS 12では解消されており、iPhone 5sなどの旧モデルにも対応している。
日常のさまざまなことがちょっと便利になるiOS 12。ぜひアップデートして新機能を試してみてほしい。
文:よもぎ三太郎