2018/08/22

貼らずに塗る! 裸スマホ派におすすめの『液体保護フィルム』の仕組みとは

スマホやiPhoneのデザインのなんと美しいことよ……。技術の粋をつくし、0.1mm単位で削り込まれたこのプロダクトに、いくら薄くなったとはいえ保護フィルムやスマホケースを装着したくない! ……という裸スマホ派も少なくないだろう。

そんな人から近年、熱い支持を受けているのが、「液体保護フィルム」だ。PET素材でできた保護フィルムやガラスフィルムに続いて“第3の選択肢”となっている。

これまでの保護フィルムが「貼るフィルム」ならば、液体保護フィルムは「塗るフィルム」。スマホの画面に液体を塗り、硬化するとナノレベルの薄い保護膜で覆われるので、外観の変化がまったくない。気泡が入らず、端末の大きさを問わない点もメリット

さて、液体を塗るだけで本当に液晶ガラスは保護されるのか? それってどんな仕組みなのか?

液体が液晶画面を保護する仕組みは?

まずは液体保護フィルムの基本的な仕組みを解説しよう。

そもそもスマホの液晶画面の表面には、ナノレベルで何百万もの凹凸がある。液体保護フィルムは、同じくナノレベルの液体を塗ることで、こうした凹凸の隙間を満たし、平滑にする。液体には、画面の素材と化学反応して硬化する成分を使用しており、これによって液晶画面を滑らかにコーティングするという仕組みだ。

液体保護フィルムを塗ってスマホの液晶がざらついたり、反応を鈍らせたりすることはない。あくまでも表面の凹凸を減少させるものなので、画面の滑り心地はむしろ抜群。液体が含まれたシートを使って拭き取る要領で塗っていくため、塗りムラも生まれづらい。スマホ本来の使い心地を維持しながら、画面を保護できるのだ。

商品ごとの性能差は、液体に含まれる成分の特性によって変わってくる。今回は、液体保護フィルムのなかでも評価の高い2商品を取り上げてみた。

ポリマーの化学結合で液晶画面を15倍の強度に!「DIAMOND DEFENSE」

クラウドファンディング「machi-ya」で923%の達成率を叩き出し、日本での商品化を実現した液体プロテクター「DIAMOND DEFENSE(ダイアモンド・ディフェンス)」。塗るだけでナノレベルの薄い保護膜を形成し、液晶画面の強度を通常の15倍にしてしまう耐久性が特徴だ。

DIAMOND DEFENSE

論より証拠。まずは液晶の下部のみに「DIAMOND DEFENSE」を塗って、鍵やカッターで傷をつけていく動画をご紹介しよう。むき出しの液晶だけが損傷し、保護した部分は傷ひとつつかないことがわかる。

こちらの動画では、高所からスマホを落下させている。しかし液晶は無傷。

圧倒的な強度の理由は、液体に含まれている「架橋(かきょう)ポリマー」。鎖状や網状に結合した化合物のこと。

架橋ポリマーイメージ

この液体が、液晶の素材に使われているポリマーとガラスの原料となっている二酸化ケイ素に反応し、三次元の立体的な構造で結合する性質を持っている。分子同士が強い化学結合によって結びつき、優れた耐久性と耐熱性をもってナノレベルの隙間を塞ぎながら液晶画面をコーティング。表面の凹凸を減少させることで、衝撃を吸収しやすくなるのだという

15倍になるという画面保護の強度に関しては、既存の液体保護フィルムとしては珍しく、第三者認証機関であるSGS社※のお墨つきだ。

※SGS社…製品やシステム、サービスが、国内および国際的な規制・標準に適合することを実証するための検査・認証機関

商品名/DIAMOND DEFENSE
メーカー/WHOOSH! Inc.
問い合わせ先/Blue Green Group
参考価格/3,780円(税込)

スマホの汚れが気になる人にオススメ! 撥水・防塵効果に優れた「GLAS.tR Nano Liquid」

スマホアクセサリーで定評のあるSpigen(シュピゲン)社の販売する「GLAS.tR Nano Liquid」。特に撥水・防塵機能に優れた液体保護フィルムだ。手汗や指紋、ホコリなどによる汚れが気になってしまう人にオススメのアイテム。

GLAS.tR Nano Liquid

「ナノリキッド」という名前の通り、こちらもナノレベルの隙間を液体で満たすタイプ。成分には、ガラスの原料に使われる二酸化ケイ素を使用し、液晶の表面を髪の毛の1,000分の1ほどの皮膜で包む仕組み。

GLAS.tR Nano Liquid撥水コーティングの仕組み

高い撥水・防塵機能の理由は、表面の凹凸を極薄のガラスによって塞ぐことで、水や砂も滑り落ちるくらいツルツルになるから。同じようにホコリや、油分である指紋もつきにくくなるため、スマホを新品同然のまま長年にわたって使用できる。

もちろん、タッチパネルの感度は従来のスマホと変わらず、指の滑りはよりグッド。さらに「ナノリキッド」は、強化ガラス(9H)※ほどの硬度に水晶化するため、画面の強度も補強できるというから心強い。

※H(鉛筆硬度)…JISで規定されている、塗装の硬さや傷のつきにくさを数値化したもの。9Hとは、9Hの鉛筆で擦っても傷がつかないという意味で、かなりの耐性を持つ。人間の爪の硬度は2H程度。

ちなみにこちらの商品はガラスに対して反応する仕組みになっているため、ガラス製品以外に使っても効果はない。逆にいえば、スマホやタブレットだけでなくPC、カメラ、Apple Watchなどにも応用できる、用途の広いアイテムだろう。

GLAS.tR Nano Liquid対応機種

商品名/GLAS.tR Nano Liquid
メーカー/Spigen
2,290円(税込)

これまでの保護フィルムは、画面の透明感などは犠牲にし、スマホを守るものも少なくなかった。だが、液晶保護フィルムを使えば、従来の使用感を維持しながらスマホを保護することができそうだ。スマホフィルムの新たな選択肢として、ぜひ検討してみてほしい。

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文:佐藤宇紘