2020/04/02
全国で進む自転車保険の義務化! 条例の内容や保険選びのポイントなど解説
近年、自転車事故による死亡事故や高額な賠償金請求などが発生し、社会問題として注目されている。国土交通省の調べでは、2002年(平成14年)から2012年(平成24年)のあいだで「全交通事故件数」は約3割減少している一方、「自転車対歩行者事故件数」は約3割増加というデータが出ている。
なかでも、東京都の自転車関連事故は交通事故全体の39%で、全国平均の約2倍。そんな背景もあり、東京都では2020年4月1日から自転車保険(自転車損害賠償保険)の加入が義務化される。本記事では、東京都の義務化のポイントや自転車保険の役割や選び方、おすすめの保険などを紹介する。
自転車事故で高額な賠償金が発生するケースも
そもそも自転車保険とは、自転車に乗っているときに発生した損害を補償する保険のこと。一般的に販売されている自転車保険は、自分の怪我に備える「傷害保険」と、他人に怪我をさせてしまった場合などの損害賠償に備える「個人賠償責任保険」がセットになっているのが大半だ。
自動車と同じく、自転車事故の場合も本人が事故にあうリスクだけでなく、他人に怪我を負わせてしまう可能性もある。最近では小学生が起こした自転車加害事故で、約9,500万円の賠償の支払いを求める判決が出るなど、高額賠償金を請求されるケースがある。
また、スマホを操作しながら自転車を運転していた人が、歩行者に衝突して死亡させてしまう事故も発生した。自転車に乗っての「ながらスマホ」は、片手運転で視野が狭くなり事故を起こす可能性が高くなるので、絶対にやめよう。
このような背景から、東京都だけでなく、自転車保険の加入を義務づける自治体が増えている。2020年2月時点の日本全国で加入を推奨・義務化している地域は以下のとおり。
2020年4月1日からは東京都、奈良県、愛媛県において自転車保険への加入が義務となる。
いよいよ東京でも自転車保険加入が義務化。その内容は?
では、4月1日から始まる東京都の自転車保険の義務化の内容をまとめてみよう。
・「相手の怪我などを補償する」、自転車損害賠償保険への加入が義務化
今回の東京都の条例では、自転車事故を起こしてしまった際に、怪我などをさせてしまった相手に補償できる自転車損害賠償保険への加入が義務化された。自分の怪我に備える保険は義務にはなっていない。
・加入対象者は都内で自転車を走行するすべての人
加入対象者は都内で自転車を走行するすべての人だ。東京都在住かどうかは関係なく、東京以外に住んでいる人でも、都内で自転車を運転する際は対象となる。
また、未成年者の場合は、自転車を利用する未成年の子どもがいる保護者が加入する義務があるので覚えておこう。
さらに、従業員が自転車を用いて業務を行う「自転車使用事業者」や、自転車のレンタルなどを行う「自転車貸付事業者」も、自転車損害賠償保険の加入が義務となる。
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自転車保険加入の義務化対象
①東京都を走行する人
②東京都を走行する未成年の親
③自転車を使用する事業者
④自転車をレンタルする貸付け事業者
・違反の場合、自転車通学・通勤が認められなくなる場合も
東京都で自転車保険に加入していないとどうなるのか? いまのところ未加入の罰則は設けられていない(2020年3月現在)。だが、「条例違反」になるので、地域によっては「学校で自転車通学を認められない」「会社で自転車通勤を認められない」といったことが起こる可能性は考えられる。なにより、万が一の事故に備えて自転車保険には加入しておくべきだ。
自転車保険で押さえておきたいポイントは?
通学や通勤で自転車を利用する場合に、どの自転車保険に加入すれば良いか。補償内容や保険料は各社でさまざまだが、選ぶ際に押さえておきたいポイントをまとめた。
・賠償補償金額を確認する
近年は賠償金額が高額化しているため、相手に怪我をさせた場合などの損害を賠償できる「個人賠償責任補償」がついた保険は必須といえる。1億円以上の補償金額はもはや一般的になっているので、個人賠償責任補償で最大いくら補償されるか確認しよう。
・家族全員で入れる保険も検討を
自転車保険加入の義務は未成年から高齢者まですべての人が対象だ。家族全員まとめて補償できる保険を選べば、ひとりずつ加入するよりも保険料がおトクになる場合もある。
・付帯サービスの内容をチェック
自転車保険の付帯サービスには、事故や故障で自転車が走行不能になったとき、希望の場所まで搬送してもらえる自転車ロードサービスなどがある。プランによって有無があるので、こちらもチェックしておきたい。
また、自動車保険や火災保険などで、自転車事故による個人賠償責任保険が付帯されている場合もある。いま一度、自分や家族が加入している保険の内容を確認しておこう。
「au自転車向けほけん」ならスマホですぐに加入できる
実際に自転車保険に加入しようと思ったら、どうすればいいのか? たとえば「au自転車向けほけん」なら、スマホで簡単に加入できる。「au自転車向けほけん Bycle(バイクル)」は、示談代行サービスがついた最大3億円の個人賠償責任補償や、故障時に最大50kmまで無料で搬送してくれる自転車ロードサービスもついて内容も充実。申し込みは24時間いつでも可能で、わずか10分前後で加入の手続きができる。auの自転車向けほけんは、利用している携帯会社に関わらず、誰でも加入できるので興味がある人はチェックしてほしい。
また、auユーザー限定になるが、2020年4月1日からauショップで販売している「au自転車サポート」は、ワンコイン(月額500円)で家族全員が利用でき、自転車のパンクなどの身近なトラブルから万が一の事故までサポート。こちらは「自転車ロードサービス」「自転車事故サポート」「生活電話相談サービス」の3つのサービスに、個人賠償責任補償なども付帯されている。
今回の東京都だけでなく、全国で自転車保険加入の義務化が進む背景には、近年の自転車事故の増加がある。くれぐれも安全運転を心がけ、万が一に備えて自転車保険には加入しておこう。
文:TIME & SPACE編集部
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