2018/03/08
| 更新
2018/08/30
37才の主婦 いたって健康 でもエンディングノートが必要だと感じた理由
フリーランスのライターで、イラストレーターで、小学生の一人娘の母で、41才夢見がち夫の妻である、横山さとです。
年が明けて37才の誕生日を迎え、周囲にさざめくインフルエンザのビッグウェーブにも負けず、いたって健康でいられることに感謝しております。
今回は、そんな私が今年に入って目覚めた、
「エンディングノート」のお話です。
でも、いたって健康な37才は「エンディング」のことなんて考えなくていいんじゃないの?
ええ、そう思いますよね。そもそも「エンディングノートって何? デスノート的なやつ!?」と、エンディングノートについてよく知らないという方のほうが多いのかもしれません。
エンディングノートなんて私に関係ないと思っていた
エンディングノートというのは簡単に言ってしまえば、暮らしに関わるさまざまな情報を含めた「自分自身についての情報」を書き記すためのノートです。
エンディングと聞くと、いわゆる「終活」として老後に遺言の感覚で書くものだと想像されがちですが、それは誤解です。
子育て世代の多くの女性は「もしもが起きる確率」を低く見積もる傾向にあるようですが(※1)、私も例にもれず「私はずっと元気」と謎の自信に満ちております。ゆえに「家族みんな安心して私について来い!」と言わんばかりのワンマンぶりで家庭を運営してきました。まさかエンディングノートが今の自分に必要なものだとは、微塵も考えませんよね。
ところが、昨年末にママ友とおしゃべりをしている時ふとしたことから「今、自分に何かあっても家族が困らないようにしておかなきゃだよね」という話題になりました。
さらに正月には実家の母から「私、お墓も戒名もいらないのよー」なんて話も出てきて、「ああ、そういうことを考えておかなきゃいけないんだなあ」という気持ちが急に芽生えてきたのです。そんな時、以前聞いたことのあったエンディングノートをふと思い出し、取り寄せてみたのでした。
エンディングノートの書き方と「書いておかなきゃマズい」こと
では、いざエンディングノートに書いてみましょう。
今回購入したのは、コクヨから発売しているエンディングノート「もしもの時に役立つノート」。
と開いてみたものの、項目がけっこうたくさんあり、いきなり全部埋めようとすると挫けます。そこで、比較的リアルに、今すぐ起きてもおかしくない「もしも」に絞って考えてみました。
まず、私がやらかしそうなのは財布をなくすこと。
次いで困るのは……
毎日酷使されて疲労困憊のパソコンが、
突然沈黙することでしょうか。
ということで、まずは財布をなくしたと想定して、財布に入っているクレジットカード、運転免許証、健康保険証などの情報をメモしてみました。
エンディングノートの書き方は、各ページにお手本があるので、それに沿って書いていきます。
クレジットカードに関しては、紛失した際の連絡先やカードに紐づくWebサービスの情報も書いておく欄があります。続いてパソコンまわりの不具合を想定して、サポートセンターやプロバイダの連絡先などを書いておこうと思ったら、そのへんのことをまとめて保管しておいた契約書類が行方不明! こういうことがあるから必要なのですね。
エンディングノート……こうして書けるところから書いてみると「それならこれも書いておかないとダメだなー」と芋づる式に気づきます。
なかでも私がマズいと感じたのは、「口座自動引き落としについて」のページを開いたとき。
公共料金、マンションのローン返済、クレジットカードの支払いなどなど、家計にまつわるほぼすべてを管理しているのはわが家では私しかいないので、私がもしもの事態になったらこれはほんとに混乱するぞと初めて実感しました。
エンディングノートは「便利なもの」ではなく「必要なもの」と知る
ひととおり書くべきところを書き終えて、実際に使った感想としては「エンディングノートのことを誤解していた」に尽きます。ひとつめの誤解は、先にも述べた「老後に書くもの」という誤解。子育て世代も日常生活の情報を整理し、集約して備えておくことは大切です。
それからもうひとつ。
これまでなんとなく「エンディングノートなんて書くと不吉だし…」と思っていたけれど、それも違うのだということ。「もしも」を考えて、きちんと情報をまとめておくことは、不吉でも何でもなくて、むしろスマートなことなのですね。それができていてこそ、「安心してついて来い!」と胸をはって言えるのでしょう(自省)。
今回は、お金関連の項目の紹介に偏りましたが、エンディングノートにはもっといろんなことが書けます。例えば、ちょっと書いてみたくなったのは「家系図」。まず書く機会ないですよね?
それから、医療や介護が必要になった場合の「告知・延命処置について」という項目も引っかかりました。もしも突然自分が意志疎通のできない状態になり重要な判断が必要になったとして、夫と娘が何の指標もなしに判断を迫られるとなると心苦しすぎます。
これは持病の有無、老若に関わらず、実はとても大切な意思表示ではないかと思いました。考えが変わったら、その時は何度でも書き直してよいのがエンディングノート(法的な効力はありません)。
今の自分の考えを示しておこうと思います。
エンディングノートはあると「便利なもの」ではなく「必要なもの」だと身にしみた今回の体験。エンディングノート、ぜひみなさんにおすすめします。
それでは今回はこのへんで。
(※1)KDDI株式会社実施「女性の将来への備えに関する調査」より。調査対象の30〜59才の女性のうち8割超の人が、がんにかかる罹患率を現実の数字よりも低く捉えていることがわかりました。
文:横山さと
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