2017/09/28
| 更新
2018/08/30
怪談サークル『とうもろこしの会』 会長の怖い話で節電する
こんにちは、ライターの小林有希です。
ベッドの中から、失礼致します。
男の視線を集めてしまうようなセクシーピクシーで申し訳ありません。
突然ですが、寝苦しい日ってありますよね。
残暑が厳しい日は、なにかの呪いをかけられたのかな?と思うほど、暑さが眠気を邪魔します。9月は長雨も重なって湿度も上がり、不快指数1000%超え。しかし、いくら暑いとはいえ秋も目前。夏に使いすぎた電気代のことを考えるとクーラーから離れ、自然のブリーズを感じたいところ
な の に……
うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あつい
もう電気代の請求とか知るかと。思わずしゃくれたわ。眠れなければスマホいじって、気になるあの人をネットストーキングして、過去のログをさかのぼって、どうせ電気を使うのだから。決めました、冷房入れます。
……と考えていた、そのとき
ピンポーン。
と部屋に響き渡るチャイム。こんな時間に誰だろう?
???「「どうも」」
吉田「「逆光から失礼致します。とうもろこしの会・代表の吉田です」」
吉田「「私ども『とうもろこしの会』は怪談を語るサークルでして、最近は慈善事業の一環で暑くて眠れない人に怪談を話して周っています。あ、どうぞこちら名刺です。」」
小林「「はあ……(引き)」」
小林「「それでしたら汗を引かせるものをぜひお願い致します。」」
吉田「「ではさっそく……」」
吉田「「最近とあるところで、電気代の相談をしてきたんですけどね……」」
これは、モデルをやっている大学生のリエさんという方から聞いた話……。その日、リエさんがいつものように最寄りの駅から大学に向かって歩いていると、
ウィィィ―――……ン
と変な音が聞こえてきたそうです。
不思議に思って顔を上げたところ、後ろから倒れたバイクが横滑りをして壁に激突。慌てて駆け寄りましたが、ちょうどそのときは朝の通勤・通学の時間帯。現場にはすぐに人だかりができ、事故の様子がわかりません。なんとか隙間から覗くと、倒れているドライバーの姿が見えました。
しかし状況はあまりにも凄惨。
フルフェイスヘルメットは180度回転し、全身はぴくぴくと痙攣しており、リエさんは『もうこれは助からないな』と思ったそうです。やがてパトカーや救急車のサイレンが聞こえ、目撃者も多かったため、『自分にはなにもできないな』と判断し、リエさんはそのまま大学へ向かいました。
しかし……
その日を境に、彼女の左足がやけに重く感じるようになったそうです。
はじめは『筋肉痛かな?』と考え放置しましたが、3日も経つと、もう足をひきずらないと歩けないほど症状は悪化していました。
そこでリエさんが所属するモデル事務所のマネージャーに電話で相談したところ、『悲惨な事故を見て、精神的なショックを受けているんじゃないの? カウンセリングしてくれる事務所専属の先生にみてもらおうか』と提案が。
しかし大学の試験が近づいていたため、リエさんは試験が終わったら行くことにしました。
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ところが日ましに足は重く、体調も悪くなり、試験勉強が思うようにはかどりません。そこでリエさんは気分転換にと、近所の図書館へ出かけました。平日の館内は静かで、落ち着いて勉強もはかどっていたそうです。
すると……
『あの~すいません』
声が聞こえたため顔を上げると、リエさんの机の前に、ベージュのスーツを着た小太りのおばさんが立っていました。
『ごめんなさいね、本当にごめんなさいね』
女性は申し訳なさそうに謝ってきますが、リエさんも彼女がなにに謝っているのかわかりません。
『なんですか?』
『本当にごめんなさいね。
こんなことを言うと、私の頭がおかしいんじゃないかと思われるかもしれないけど。
あなたのその左足……
どうしてヘルメットをかぶった男がしがみついているの?』
意味を理解したリエさんは、何も答えられずに逃げるようにして図書館の入り口まで走りました。振り返ると、まだ女性は机の前にいて『ごめんなさいね…ごめんなさいね…』とリエさんに向かって謝っていたそうです。
怖くなった彼女は帰宅後、マネージャーに電話をしましたが『わかった。事務所専属の先生がいるからみてもらおう』と先日と同じ口調。リエさんは焦りました。『私の頭がおかしくなったわけじゃない!!本当におばさんがそう話したんだから!』
『そうじゃない。うちには専属の心理カウンセラーもいるけど、ほかにも心霊現象にまつわる相談に乗ってくれる先生もいるから。今すぐその先生にみてもらおう』
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マネージャーは、電話を受けてすぐ彼女の元に駆けつけ、東京都心のほうにあるマンションに連れて行ってくれたそうです。
10階ほど上がると、マネージャーは先に事情を説明するために部屋に入ります。後から呼ばれ、リエさんはおずおずと入ると、中にマネージャーと白髪の痩せた優しそうなおばあさんが立っていました。その女性が霊能者の先生とわかり、リエさんが挨拶しようとした瞬間・・・先生の顔がさっと青ざめたそうです。
『ちょっと……ちょっとあなた一体なんてものを連れてきたのよ!』
『え?』
『ちょっとやめてよ……え、あなた…なんてもの連れ来たのよ!!!』
どんどん狼狽していく先生。
リエさんも怖くなり、ぽろぽろと涙を流しながらただただ謝るしかありません。
『え? え? ごめんなさい。ごめんなさい、この足ですよね』
『そうよ、その左足よ』
混乱のやりとりが続きます。
『私の足にヘルメットをかぶった男の人がしがみついているんですよね?』
『そうよ!
その足にヘルメットをかぶった男の人がしがみついて、
その男の足にベージュのスーツを着た小太りの女性がしがみついているじゃないの!!!』
結局、その先生の手には負えず。先生の師匠が開いている道場がある富士山のふもとまで、リエさんは半年間通って霊を落とさなければいけなかったそうです。
そしてこの話はその道場に通っている途中のリエさんから、とあるところでこの話を聞かせてもらいました。
小林「「……あれ?」」
小林「「これは……auショップ……で仕入れた話ですか?」」
吉田「「……」」
吉田「「(すっ……)」」
パタン。
え……帰っちゃった。
突然女性の部屋に押しかけてきて、いきなり帰って。一体なんだったんだろう……
ん? ベッドの上になんかある。
……今の話ぜったい、auショップで仕入れてきたんだろうな。
なんかおっさん来たし、怪談怖いし……。さっさとクーラーをつけて鬼ちゃんと夢でイチャコラしていたほうが有意義だったんじゃないか???
ぴっ
すずしい
髪の毛もまとまるほどのうれしさよ。これで今夜の夢デートにもばっちり。
怪談による涼しさもいいのですが、秋口でも湿気が多いと熱中症になる場合もあるので、蒸し暑さを感じたら水分をとって、迷わずクーラーをつけてくださいね!
とはいえ電気代が気になる方!
auでんきなら、毎月の検針票がスマホの「auでんきアプリ」にチェンジでき、自宅の電気使用量を毎日30分単位でチェックできますよ。
また電気を使いすぎていないか、省エネ上手な家庭や一般的な家庭の電気料金と自宅を、アプリ上で比較できたり、いろんな省エネに役立つアドバイスやお得な省エネ商品も紹介されているので、省エネ対策もかんたん!
普段から意識していれば、いざというときに怪談に頼らずにクーラーを使うことができますよ。ぜひお近くのauショップに相談してみてくださいね。
※今回怪談を話してくれた方
吉田悠軌
怪談サークル「とうもろこしの会」会長
怪談の収集・語りとオカルト全般を研究。近著『一行怪談』『怪談現場 東海道中』『怪の足跡』。月刊ムーにて連載中。オカルトスポット探訪雑誌『怪処』発行。ライター業を中心にTV映画出演、イベント、ポッドキャストなど。
文:小林 有希
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