2016/09/14

【通信×防災④】災害時の情報収集に使えるTwitter活用術

災害時、いざというときにはどう対応すればいいのか・・・・・・?

この連載では、今や最も身近な存在といえるスマホやケータイを使って災害時にできることや、SNSやアプリの活用術など、災害時に役立つ【通信×防災】の情報をお伝えしよう。

連載第4回は、140文字のつぶやきで情報を発信するTwitterの活用法だ。

Twitterの強みは、リアルタイムでの情報ゲット

Twitterの特徴は、非常にオープンなことだ。非公開設定がされていないアカウントであれば、フォローしていなくても誰でも簡単につぶやきを閲覧・検索することができる。そんなTwitterの特徴を生かせば、災害時にはクイックに情報収集ができる。それも公に発信されるニュースだけではなく、現地でまさにいま起きていることをリアルタイムに知ることができるのだ。

たとえば、「コンビニなどが自主的に行っている支援」や「避難所やトイレとして開放されているビルや建物」など、ニュースでは流れないようなローカルな情報がTwitter上のタイムラインには流れてくる。Twitterは個人が情報を発信できるので、場合によっては報道機関よりも早く、生の情報を入手できることもあるのだ。リツイートすればさらに拡散し、友人とも情報共有がしやすい。

また、東日本大震災以降は、自治体もTwitterで防災情報などの発信を積極的に行っている。災害時には、地域に密着した情報をスピーディーにつぶやいているので、普段からフォローしておくといいだろう。

熊本県合志市は熊本地震の際にいち早くTwitterで情報提供を行った

「#」を使えば必要な情報を効率的に入手できる

情報を検索しやすいのもTwitterの特徴だ。キーワードで検索すると、該当したつぶやきを見ることができるし、あるキーワードに関する情報検索をするときは、「#(ハッシュタグ)」を利用すると効率的だ。同じ「#」が付けられた投稿は、まとめて閲覧ができる

熊本地震に関連するツイートをまとめて見たければ「#熊本地震」で検索

もしも、Twitterを使って救援要請を行う場合は「#救助」を覚えておこう。災害時にTwitterの活用法やライフラインの情報などを届けてくれる「Twitter Lifeline」では、Twitterで緊急救助を求める場合、「#救助」とともに要請内容、写真、住所または位置情報など、具体的かつ正確な情報をつけることを推奨している。

救助が完了したら、報告ツイートするとともに、救援要請ツイートを削除することも忘れずに

地元の消防署や警察などが定期的にTwitterで「#救助」を検索している可能性もあるし、ツイートを見た人の連絡によって助けがくることもあるので、上記の方法を覚えておこう。

Twitterでのデマを見極めて正しい情報を入手する

公式アカウントをフォローすることも、災害情報を入手するのに効果的だ。首相官邸や消防庁のアカウントは災害情報を、防衛省のアカウントは災害活動情報を発信している。自宅のある自治体やその地域の報道機関などのアカウントをフォローしておけば、現地の情報も入手できる。

このときに気をつけたいのが、誤った情報やデマだ。手っ取り早く真贋を見極めるには、Twitterの認証済みアカウントかどうかを確認すること。認証済みアカウントならば、個人でも比較的、信頼度が高い情報を発信していると思っていいだろう。

このブルーのチェックマークが認証済みマーク

もし、認証済みアカウントでない場合は、当該ツイートを見るだけでなく、前後のツイートも読み込んで、整合性があるかを確認したい。また、ツイート内容や写真が本当に正しいかどうか自信が持てなければ、Google検索やGoogle画像検索を利用して、写真や文章を調べるといい。同じような写真や文章がまったく別のところから引用されているようなら、疑ってかかった方がいいだろう。

リツイートするときは必ず公式リツイートを行う

最後にお伝えしたいのが、災害時におけるリツイートの作法。避難場所の開設や支援物資の提供場所など、災害時の有益な情報はリツイートされることで多くの人に役立つ。その反面、善意でリツイートした情報がデマだった場合、混乱が広がる危険性がある。もし、あなたが有益な災害情報などをリツイートして拡散する場合は、コピペを応用した非公式リツイートではなく、必ず公式リツイートを行って欲しい。

災害時は情報が刻一刻と変化するので、状況が変わったときに古い情報が拡散されたままだと、誤った情報が出まわることになる。そんなとき、公式リツイートは連動されるから、元のツイートが削除されると削除されるが、非公式リツイートはそのまま残ってしまうのだ。また、公式リツイートであれば、発信者以外は文章を変更できないので、正確な情報が伝わりやすいというメリットもある。

Twitterは、災害時の迅速な情報収集に威力を発揮する反面、使い方によってはデマに惑わされたり、自らがデマの拡散に荷担してしまったりする可能性がある。普段から正しい使い方を意識しておくことが、震災時の有益な活用につながると覚えておこう。

【通信×防災④】のまとめ
  • 1.Twitterはリアルタイムの情報を入手できる
  • 2.「#」を使って必要な情報を入手できる
  • 3.認証済みアカウントは信頼度が高い
  • 4.リツイートするなら公式リツイートを

文:T&S編集部
取材協力:高橋暁子