2016/03/18

【検証】スマホで学習塾? ニコ生さながらの『ライブ授業』を中2の息子が体験

息子の塾探し......お金かかりますなあ

わが息子、現在、中2。今年、受験生である。わが家の教育方針は、「クローズ」的なヤンキーの覇権争いに巻き込まれるような学校でなければ、まぁどこに行ってもいいぞ、というスタンス。だけど、できればちょっとでもいい高校に行ってもらいたい、というのが本音。あと、ちょっとでも学費がお安ければいうことなし。

「教育にはお金を惜しまない!」と言いたいところだけど、そこには「できる限り」という形容が付くもの。遅ればせながら、学習塾のことをいろいろ調べ始めると......。

お金かかりますなあ

一般的な学習塾では、年間50万円とかをベースに、夏期講習とか冬期講習があり、オプションで勉強合宿なんかが加わったりもする。受験生の親の立場からすると「あ、オプションはいいんで!」とはなかなか言いにくい。そんなタイミングで知ったのが、「アオイゼミ」。

スマホで授業を受けられる「ライブ授業」。でもコメントってなに?

なんでもアオイゼミは中高生ならスマホさえあれば、無料で毎日ライブ授業の受講が可能。目玉コンテンツの「ライブ授業」は、3,000人以上の生徒が同時にひとつの授業を受講しており、コメントやスタンプを通じて自由に発言できるとか。講師への質問や解答、生徒同士での会話など、コミュニケーションを取りながら、楽しく夢中に勉強できる環境づくりに取り組んでいるらしい。

普段ソファにだらんと座ってスマホをいじる息子(中2)が、珍しく机で。SNSはやっていない。ハンドルネームを決めるときは「猫の名前は?」と助言した

......なるほど。要は、登録すれば、毎日生放送されている「ライブ授業」を無料で見ることができると。きっと「ライブ授業」では、スタジオの向こうにいる先生が生放送で授業をしてくれるんだろうけど、「コメントやスタンプを通じて自由に発言」ってなんなんだ?

おそらく、授業動画の近くにコメントがバーッと表示されるのだと思うが、授業を受けながら雑談して邪魔になったりしないのだろうか......。ものは試し。息子に声をかけた。

「なあ、スマホいじりたい放題の案件があるのだが......」(父)

「ふうん」(息子)

交渉成立。思春期とはこういうものだ。で、ものの5分で登録完了。ハンドルネームは、彼が弟のようにかわいがっているわが家の猫にちなんで「あまのとら」だ。

「ライブ授業」では生徒のコメントが続々と表示されている!

若干の疑問を抱えたまま迎えた水曜夜8時、わが息子こと「あまのとら」は、スマホを通じてアオイゼミの「中学2年生 英語 基本クラス」の「ライブ授業」に参戦した。

今日の学習内容は「助動詞」。講師は信田康平先生、今ふうのスマートな佇まいだ。「29歳、千葉県出身、上智大学卒。某大手予備校出身のカリスマ講師。プロレスが趣味で、学生時代は自らも戦っていたという猛者」。これはウエブサイトの講師プロフィールのページから引用。なるほどね、先生のパーソナリティがわかると、初参戦でも馴染みやすい。

実際の授業では、リアルタイムで流れる授業動画の下に生徒のコメントが配置され、コメントがどんどん更新されていく。おお、「あまのとら」が「よろしくお願いします!」と礼儀正しくあいさつ。そして「助動詞を使った会話表現」の例題で、さっそく問題を解き始め「わかった!」のスタンプを投稿。このスタンプは、「わかった!」「出来た!」「カンペキ」「わからない」の4種類があり、授業の内容に対してワンタップでリアクションできる。生徒からのコメントやスタンプは、信田先生もチェックしているようで、授業をサポートするアオイゼミのスタッフも適宜レスしてくれるのだ。

19時から始まっていた中1向けの英語の授業が終わり、休憩時間を挟んだあと、チャイムが鳴って中2の授業に。続々と参加してくるみなさんに、「あまのとら」がごあいさつ

息子の質問コメントに先生が授業で答えてくれた!

授業はちょうど助動詞を使った疑問形。「can you,/will you」よりも、「could you/would you」の"過去形を使った方が丁寧な表現になる"という解説に。と、ここで「あまのとら」が質問。

「なぜ過去形にすると丁寧語なことになるんですか?」

信田先生の授業に対して、「あまのとら」が質問。すかさず、アオイゼミスタッフがフォローのコメントを送ってくれた

アオイゼミスタッフは「休憩中に聞いてみますね!」とレスしてくれたのだが、ここで信田先生が質問を発見。おそらく予定になかったであろう、「なぜ過去形になると丁寧なのか」の解説へとスライドした。

なんと信田先生が、「あまのとら」の質問に対して授業で答えてくれた!

信田先生の解説によると、「過去形=時間的に距離が遠い」。つまり、過去形は相手と距離を置いて話すという意味になり、より堅苦しく丁寧な意味合いが加味されるのだそう。「ライブ授業」ではスタッフがコメントで答えてくれることもあれば、授業後の休み時間に雑談ふうに先生が解説してくれることもあれば、こんなふうに、コメントを拾って詳しく教えてくれるケースもある。まさに、これこそが「ライブ授業」の醍醐味だ!

そして、質問した「あまのとら」、ニヤニヤして口をとがらせている。あぁ、これはあれだ。ラジオでハガキが読まれたときの、かつての父の顔と同じだ。

授業の後半は実際に問題を解いていく。で、手元のノートなり何なりに書き込んで、答え合わせと解説を待つ。「あまのとら」は、問題文を説明するために信田先生が描いたカップルのイラストの関係性が、徐々に進展していることに気づき、「どんどん進展してる」とコメント。すると、ほかの生徒から「確かに!」と、レスが! これぞ、距離を超えた授業中の雑談。面白いなあ。あと、なんだかそういうの、うらやましいなあ。

「あまのとら」のコメントに、ほかの生徒がレスポンス、生徒同士のやりとりも楽しい。ちなみに信田先生が授業中に描く、なんとも味のある絵は、描かれた瞬間にコメント欄がザワッとなった

タイムラインでもコミュニケーション!

かくして40分の授業が終わり、最後に信田先生、手元のタブレットを見ながら参加者全員の名前を呼んでくれた。父は参加していないので、呼んでくれず、若干残念な気持ちになる......。

「あまのとらさん、大活躍じゃん!」と言うと、息子はニヤニヤしながら親指を立てた。

「クセになるかもしれない。オレ、英語はどっちかというと好きだけど、あの助動詞の過去形の話とか知らなかったもん」(息子)

「それはオレも。30年以上英語を学んできて初めて知った」(父)

「なんか、オレの質問が採用されてオモロかったな〜」(息子)

「よその生徒さんからコメントにレスも付いていたしな」(父)

とか、久々にアカデミックな父子の(文字通り)親交を図っている隙に、息子ってば、タイムラインに書き込んでました。

アオイゼミは、授業が受けられる以外の機能としてタイムラインがあり「目標宣言」とか「今日がんばったこと」「勉強の質問」「自己紹介」みたいなタグと、各教科の先生別のタグがあって、共通の話題に関して塾生同士で語り合えるのだ。授業中だけじゃなく、参加者同士で交流ができる。「あまのとら」もちゃっかり書き込み、その後、「4いいね!」をいただいていた模様。塾長からコメントもいただきました。

「塾長」という響きのヘビーさと、「ですよん」という語尾のカジュアルさがステキ。また、いいね! はその後13まで伸びておりました

「先生もオモロイし、わかりやすいし、よかった......かな」と息子。

「おまけに経済的だしな」、と父。

ちなみに、過去に配信された「ライブ授業」の授業動画は5,000本もあり、「プレミアムプラン」に登録すれば見放題になる。さらに特別授業の動画パックの視聴やテキストもダウンロードできるとか。気になるお値段は......1カ月単位で登録するなら月に5,000円、1年一括払いならば年に42,000円。

テキストダウンロードと動画パックを除いた「ライトプラン」というのもあり、こっちは月に900円、年に10,800円。普通に学習塾に通うことを考えれば、ずいぶん安いではないか。

先生や生徒に出会える"オフ会"もある!

さて、40分1コマのコマの授業で、わが家のめんどくさい年頃の中2に「良かった」と言わしめた「ライブ授業」、天晴である! ちなみに、アオイゼミでは、会社見学会なるイベントを定期的に行っているらしい。普段は会うことができない憧れの講師に会えて、かつ生徒同士の交流も深まる、いわば"オフ会"ですな。せっかくなので、こっちも見てきた。

会社見学会はすでに10回以上開催されているという。この日行われたのは四谷の本社で。抽選で選ばれた高校生5人が参加した

この日はライブ動画を配信しているスタジオに着席して、先生と対面して直接授業を受ける。おおっ! 英語の信田先生が目の前にいるではないか。対面で人数が少ないためか、「みんなは単語をどんな方法で覚えてる?」「長文を読む際に普段から意識していることはなに?」などと、対話形式が中心。そして授業のあとは、先生や生徒の「交流タイム」。記念写真を撮って、テーブルで雑談だ。

交流タイムでは、「普段どんなことをしているのか」「先生は何歳なのか?」などでわいわいと盛り上がっていた

せっかくなので、当日参加されたみなさんにアオイゼミのことを聞いてみた。父のホンネとしては、実際に体験している生徒の生声が知りたいのだ。

「いつも画面越しに見ている先生に生で会ってみたい、と思って会社見学会に参加しました。動画だけだとイマイチ授業って感じがしないんですけど、『ライブ授業』はみんなのコメントも読めるから、ホントの授業みたいなんですよね。終わったらタイムラインを見たりコメントしたり、SNSとしてもすごく楽しめますね!」(ともみん@靴下さん)

「スマホで授業は手軽でわかりやすいです。テスト前は『ライブ授業』を見ながらテキストをダウンロードして、苦手分野をチェックしたりしています。ひとりだと、『あ〜勉強しなきゃ......』って思うけど、『ライブ授業』はみんなで勉強している感じがあるから、"みんなもやってるから頑張ろう"って思えるんです」(ほりりうむさん)

「週5日で『ライブ授業』を見ています! 私は塾には行ってなくて、学校の授業と自主的な勉強だけだと限界があるから、『ライブ授業』はすごく役立っています」(たっき〜のさん)

この会社見学会は、生徒たちにとっては"人気のユーチューバーに会いに行く"チャンスのようなものかも。そしてアオイゼミにとっては、感想や要望を直接ヒアリングする貴重な場。こんなふうに常に精力的により良い授業を目指している様子なのだ。

それに、オンラインだけでなく、リアルなコミュニケーションの場も用意されているのが嬉しい。アオイゼミは単にスマホで授業が受けられるだけではなく、さまざまな勉強仲間に出会える場でもあるようだ。

わが家の塾選び、意外に有力な選択肢かもしれない。

文:武田篤典

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