2017/05/23

【IoTのチカラ】ズボラな私がスマホで「やさい」を育てた25日間の愛の記録


忙しくて外食が多いから、つい野菜不足になりがち。いっそ自分で育てたら、食べたいときに新鮮な野菜を好きなだけ食べられるのに。とはいえ、ベランダ菜園はなんだか面倒だし、大変そう。土を使わず水で育てる水耕栽培もあるけれど、ズボラで仕事漬けの私は、絶対にちゃんとお世話できないから失敗は確実・・・・・・。もっと簡単かつ便利に、失敗せずに新鮮な野菜を育てたーい!

なんてことが、「やさい物語」なら実現できてしまうのです。最近はさまざまな水耕栽培キットが発売されていますが、この「やさい物語」はひと味違います。専用アプリを使うことで、水量が足りないときはプッシュ通知で知らせてくれて、温度・湿度もいつでもスマホでチェックできるから、ズボラな私でも水やりや管理が簡単! さらに、キット本体にカメラを搭載していて、植物の様子を自動で撮影し、クラウドストレージへ自動アップロード。その画像をアプリから閲覧できるので、スマホでいつでも成長の様子が楽しめるというもの。だから「IoT」水耕栽培キットなのです。ちなみにキット付属の種や液体肥料は、植物工場でも使用しているものだから、安心で本格的な味わいの野菜を手軽に楽しめます。なにはともあれ、ものは試し。さっそくオフィスで栽培にチャレンジしてみることにしました!

アプリを初期設定して組み立てよう!

まずは、「やさい物語」アプリの初期設定からスタート。スマホにアプリをインストールして、ユーザー登録を行います。ユーザー登録はメールアドレスとパスワードだけだから簡単! 本体の原電を入れてBluetoothでアプリと本体をペアリングします。その後はWi-Fiを設定。ちなみに本体とWi-Fiがつながることで、写真がクラウドストレージに自動に送られるようになり、そこを経由してアプリに写真が届く仕組みになっています。アプリでは名前をつけたり、気温や照明時間、アラート通知などのセッティングをしたりすることも可能です。名前は「うちこ」と命名しました!

Wi-Fiをセッティング。給水のタイミングや気温の異常を通知してくれるアラートも設定でき、ずぼらにもやさしい(!?)設計。栽培キットには「うちこ」と命名!

次は、いよいよセッティングです!

栽培キットの本体。家庭用の「食洗機」を思わせるサイズ感

本体から外した水槽に培養液を入れ、苗床トレイをセット。そこに濡らした栽培スポンジを差し込んだら、スポンジのくぼみに種をまく。あとは、水槽を本体に戻してトビラを閉め、スイッチを入れればセッティングが終了。後片付けする道具もなければ、手も汚れないし、とっても楽ちん!

水と液体肥料を量って培養液をつくることと、栽培スポンジ内の空気を水中でしっかり押し出してから苗床トレイに差し込むことがポイント

今回、栽培するのは「リーフレタス」。そもそも、レタスが種から育つことすら知らなかったけれど、果たして直径1.5mmの極小の種から、あの大きなシャキッとした葉っぱができるのか、かなり楽しみです!

栽培スポンジの中央のくぼみへ、そ〜っと種を置く。難しくないけど、細かい作業なので妙に緊張。空いている穴は苗床キャップで蓋をして水槽を本体へ戻し、いざ栽培スタート!

さて、作業終了直後は、無菌室での培養といわんばかりの無機質な風景・・・・・・。このトレイが本当にレタス畑になるの??

スマホにどんどん成長の写真が送られてくる!

ここからは「うちこ」の成長日記をお伝えします!

【栽培1日目】
四六時中「うちこ」を見てあげる時間はないけど、朝8時と昼2時、夜8時の1日3回、自動的に写真が送られてきます! で、よーく見るとさっそく割れた種を発見! 当分はなにもないだろうと思っていたから、初日からアクションがあって若干感動しています。

左がアプリに送られてきた画像。右はスマホで撮影。こんなに小っちゃいけど、ちゃんと育ってる〜!

【栽培3日目】
朝、自宅でアプリを見たら、なんと芽が出ていた写真が届いていました! 編集部に着いてすぐ本体をのぞいてみると、本当にいくつか発芽しているのを確認。なんてかわいらしいんでしょう〜♪ 植物を種から育てるのは難しいというイメージがあったけど、ここまでは楽勝です! ・・・・・・ほぼなにもしてないんですけどね。

3日目にして見事に発芽

【6日目】
昨日まで双葉だったレタスたちに、ついに三枚葉が登場。順調に育っていることもあって、少しずつ愛着もわいてきた。気がつけば、子どもたちのことを考えてしまい、アプリを立ち上げるのが日課に!

ちなみにアプリのトップ画面では、最新の画像や水量などのデータがひと目でわかり、リアルタイムの温度や湿度も確認することができます。過去の画像もアーカイブに残るので、これまでの成長の様子を観察日記のように眺めることも可能です。

【11日目】
ああ、やってしまった! ここ数日、あまりの忙しさに成長ぶりのチェックを放置するという失態・・・・・・。普通なら枯れていたかもしれないけれど、本体できちんと管理されているレタスたちは、すくすくと成長中! よかった〜!! 少し見ないうちに、葉の一枚一枚が大きくなって、「芽」から「葉」になってきた印象。お母さん、嬉しいよ。

数日見ない間にぐぐっとBIGに!

【16日目】
この日初めて、スマホに「水位が低すぎます」とプッシュ通知が! アプリを立ち上げると、水量の項目に「NG」の赤い文字。さっそく水と液体肥料を追加。ごめんね、みんな。過去に何度も植物を枯らしてきた身には、こういうお知らせってありがたいな〜としみじみ。

アプリに水量NGのアラートが!

同時に、そういえば栽培開始からこれまで本体のトビラを一度も開けていなかったことに気づく。これ、裏を返せば、ホコリや虫が入ることなく、衛生的な環境で育てられるということ。もちろん虫除けの農薬も使う必要もなし。葉物野菜はそのまま生で食べることが多いから、特にお子さんがいる家庭で育てる場合には安全面でのメリットは大きいです。

それにしても、ずいぶんレタスらしくなってきたなあ。

【19日目】

葉の直立っぷりが元気よすぎて、思わず笑っちゃいました。本体のトビラを開けてみると、レタスの香りがふんわり漂ってくるように。いよいよ収穫も近い!?

【21日目】

「もうそろそろ食べて〜♪」と言わんばかりに、のびのびと育ったレタスたち。でも、もうひと回り大きくしようと、説明書にあった「間引き」を決行。2〜3株がベストとあったので、残念ながら発芽しなかった2株と、いちばん成長が遅かったレタス1株を泣く泣く取って、株と株の間を広げてみた。

間引きが終わるとキットの中は少しスッキリ。

ついでに一口つまみ食い、うんレタスだな、こりゃ。

【25日目】

キターッ! どれだけ窮屈なんだ!! ってくらい育ってます! もはや本体内に収まるギリギリの大きさなので、ここがピークと判断。収穫して、試食することにします! パッカ〜ン!

それにしても25日でこんなにたくさんのレタスが育つとは! 空気の悪い編集部内だというのに、芯はしっかりと立ち、葉は青々として見るからに美味しそうです。お昼休みに生野菜とドレッシングを調達し、サラダをクッキング。

ひょー! いろどりもきれいで美味そうなサラダが完成。このレタスは「バタビアレタス」といって、「ソフトな食感と、レタス本来の甘みが感じられる」品種だとか

さて、肝心のレタスの味は・・・・・・おおっ、うんまい! 私が知っているレタスよりも、ふんわりしていてやわらかく、苦みやえぐみも全然なくて、いくらでも食べられそう! レタスの旨さが十分に伝わるじゃない! 新鮮、安心、しかも美味しいから、箸が進む進む。これなら無理なく野菜生活を続けられそう! これからも栽培し続けて、サラダをランチの定番にしようっと。

こうして、予想以上の幸福感を味わいつつ、私の「編集部内水耕栽培」はいったん終わりを告げました。が、さらなるレタスを求めて、シーズン2がすぐに幕を開けたのでした。

今回、生まれてはじめて自分で野菜を育たわけですが、レタスの管理は本体任せとはいえ、アプリで栽培の写真が送られてくるのはありがたかったです。毎日、見なくても成長の管理ができるし、愛着もぐんぐん沸いてきます。水が足りなくなったら教えてくれるのも大事なポイント。実は何度もこの機能に助けられました。

今回の体験を通して、ケースを開ければすぐに収穫でき、毎日の料理にとても安全な野菜を使えること、またお子さんがいる家庭なら植物の成長を一緒に楽しめることなど、室内水耕栽培そのものに大きな可能性を感じました。もちろん、お庭での家庭栽培も魅力的ですが、マンションに暮らしているとなかなか土のある環境をつくるのが難しかったりしますしね。

なぜ通信会社が栽培キットをつくったのか?

沖縄セルラーが運営する野菜工場

さて、実は「やさい物語」を開発したのは、沖縄セルラー電話株式会社です。なぜ通信会社が野菜の栽培キットをつくったのか。そこには沖縄の厳しい気象条件が関係しています。

酷暑になる沖縄では葉物野菜が育ちにくい。さらに、台風が直撃しやすく地植えの葉物野菜をつくるのは難しい。そうした事情から、沖縄では光や温度をコントロールできる植物工場が増えているそう。

そして、沖縄セルラーも植物工場を運営していて、そこで培った水耕栽培のノウハウを生かして「やさい物語」を開発したんだとか。IoTを活用した「やさい物語」は、沖縄の野菜不足という課題を解決する手段のひとつとして生まれたのです。

スマホを活用して手軽に楽しく野菜を育て、美味しく食せる「やさい物語」で、みなさんも緑のあるくらしをスタートしてみませんか?

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文:内山内内子
撮影:稲田平、TS編集部

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