2021/02/01
watchOS 7で睡眠機能が新たに搭載!Apple Watchを健康管理に役立たせる方法
Apple WatchはiPhoneと連携することで、健康管理に役立つ。1日にどれくらい、どんな動きをしたかがわかる「アクティビティ」や、あらゆる運動の記録がとれる「ワークアウト」など、運動不足の解消に役立つ機能は豊富だ。
また2020年9月にリリースされた、Apple Watchの最新OS「watchOS 7」では新たに睡眠記録機能が搭載され、睡眠の質を向上させる手助けもしてくれる。
本記事では、自宅で過ごす時間が増えているなか、筆者の利用レポートを踏まえながら、Apple Watchが健康管理にいかに役立つかをお伝えしよう。
使いこなすには、身体情報を入力すればOK
筆者は日常的にApple Watchを活用している。毎日ランニングマシンで運動しており、Apple Watchは頼りになるトレーナーのような存在だ。使いこなすのは実に簡単。常に着けておくだけ。設定も最初に一度だけ入力すればOKだ。
実際、ワークアウトを計測するための操作はなにも行っていない。Apple Watchを装着してしばらく走っていると、脈拍や振動などからApple Watchが利用者の運動状況を推測し、屋内ランニングを行っているかどうかを訪ねてくる。そこで[記録]をタップするだけで、運動を開始したタイミングにさかのぼって計測が開始されるのだ。
このように、Apple Watchを実際に使ってきたなかで、特に運動不足解消に便利だった機能や、役立った機能を紹介しよう。
今日1日どれだけ動いたかをきっちり計測してくれる
筆者は、夕方くらいに「今日は運動量が少ないな」と感じた日には、意識的に運動するよう心がけている。仕事が忙しいと自分の体のことは後回しにしてしまう性格だが、率直に助言してくれるパートナーが“手元”にいることで、「面倒でもやろうかな」という気持ちにさせてくれる。
促してくれるのは、Apple Watchの「アクティビティ」という機能だ。普段のアクティビティ(ムーブ、エクササイズ、スタンド)を記録するアプリだが、特になにかを設定する必要はない。常に腕に装着していることで、身体の動きをモニタリングしてくれるのだ。
アクティビティでは、移動距離やカロリーなどを精緻に計測してくれるだけでなく、「ムーブ」「エクササイズ」「スタンド」の3つのアクティビティリングの達成率が定期的に表示され、日々の運動量が把握できる。その日の活動状況が、定期的にApple Watchに表示されるため、どの項目がどれくらい足りていないのかは一目瞭然だ。たとえば長時間座り仕事をしていると「スタンド」のゲージが少なくなるため、「立ち上がってコーヒーでも淹れてこようか」という具合に、気分転換がてら体を動かすようにしている。
そのアクティビティリングの表示は、外側から順に、体を動かしたりしたときに消費されるカロリーを表す「ムーブ」、早歩き以上の運動をした時間にあわせて表示される「エクササイズ」、立ち上がって1分以上体を動かした時間の「スタンド」となっている。それぞれが1周すると、その日の目標を達成したということだ。
“思い立ってやる運動”でも即座にフォローしてくれる
筆者の運動といえば、もっぱらランニング一辺倒なのだが、ごくまれにほかの運動を行うこともある。たとえば、ジムに出かけて「普段はやらないワークアウトに挑戦しよう」という場合でも、Apple Watchは即座に対応できて便利だった。
それが、運動するときだけ起動して使用するアプリ「ワークアウト」だ。まずは以下の15種類のメニューが表示されるので、運動の種類を選択する。
ウォーキング / ランニング /サイクリング / エリプティカル / ローイング / ステアステッパー / HIIT / ハイキング / ヨガ / 機能的筋力トレーニング / ダンス / クールダウン / コアトレーニング / スイミング / 車椅子
上記にない場合は、いちばん下にある「ワークアウトを追加」を選べば、野球、サッカー、キックボクシング、ピラティス、太極拳など、たくさんの種類のワークアウトが揃っている。
よく行うアクティビティをメニューに登録しておけば、ワンタップですぐにはじめることができるのでとても便利だ。
そして、各メニュー右上をタップすれば「キロカロリー」「距離」「時間」といった目標を設定でき、ワークアウトの管理もできる。[開始]をタップして3秒後に測定がはじまる。測定中は経過時間、距離、カロリーなどがリアルタイムで表示され、中間地点で通知を受ける機能もある。終了するときには[×ボタン]をタップし、[保存]か[破棄]を選択。一時停止もできる。
これだけでも驚きだが、さらに驚くべきはその精度。ランニングマシンはベルトコンベアの回転数などをカウントすることで正確に走行距離や消費カロリーを計測できるが、Apple Watchの「ワークアウト」もその数値に対してかなり誤差なく計測できているのだ。腕の振りや振動、脈拍などからここまで正確なモニタリングができることに、当初は衝撃を受けた。
運動履歴と健康管理は2つのアプリから。見たいログに合わせてお好みで
履歴の確認は、あらゆる情報が整理されて見られるiPhoneからが便利だった。「フィットネス」を起動すると、概要が表示される。アクティビティリングをタップすれば履歴が表示され、日別にカロリー、エクササイズ時間、スタンド時間などが確認できる。
カレンダーアイコンをタップすれば、月ごとに確認もできる。よく運動をした時期はカラフルなアイコンが賑やかに埋め尽くすが、そうでもない時期は余白だらけ。引き目に見ると一目瞭然だが、“サボり具合”が明け透けになることで、ひどく怠惰な人間だと思わされるから不思議だ。と同時に、「運動しなさい」と言われているような気になってくる。
また、ワークアウトの欄には「ワークアウト」アプリを使用して行った運動が表示される。過去どれくらいの運動をしたのか、積み重ねが表示される。自分がどれだけ成長したのか(あるいは体力が落ちたのか)がよくわかり、運動する意欲が湧く。
なお、「ヘルスケア」アプリでも、ワークアウトやアクティビティなどのすべてのデータを集約して管理・閲覧できる。歩数や運動記録、睡眠記録など、よく使うメニューを任意で設定し、網羅的に確認できる。ここでは運動や日常生活など、体のあらゆる稼働状況がわかりやすくまとめられている。運動をした日 / しなかった日などが確認でき、総合的な健康判断に役立っている。
健康に不可欠な「睡眠」もしっかり管理
コロナ禍において、これまでの生活リズムが崩れたという人はいないだろうか。筆者は自宅での生活が長くなったためか、寝付きが悪くなったり、寝起きが優れないことが増えていた。
そんな健康に欠かせない睡眠管理も、Apple Watchはアシストしてくれた。睡眠記録の管理機能だ。「睡眠」アプリで就寝時間と起床時間を設定しておけば、Apple Watchを腕につけて寝るだけで睡眠時間、眠りの深さ、睡眠中段回数、いびき、心拍数、呼吸の乱れなどを自動的に測定・記録できる。アプリ上からアラームのON / OFFもできるのでとても役に立つ。
就寝30分前にはApple Watchが睡眠を促してくれる。そして、睡眠時間中のApple Watchは睡眠モードに切り替わり、画面が光ったり、通知を知らせたりしないため、わずらわしく感じることはない。起床時間になると、Apple Watchが腕をトントンと叩くように振動して、やさしく起こしてくれる。けたたましいサウンドやバイブレーションより、自然な起床ができ、以前よりも寝起きがよくなっている印象がある。
記録したデータはApple Watchでも14日分確認できるが、管理という点では健康上のアドバイスなどが表示されるiPhoneのヘルスケアが便利だ。グラフ上に睡眠時間が表示され、睡眠傾向がすぐに把握できる。
薄いブルーが、iPhone上で設定した就寝時間。そこに重なる濃い色がApple Watchで計測された睡眠時間だ。寝ている時間がしっかり計測されていることがわかる。
お風呂や食事など、ちょっとした時間で充電のクセを付けておくと便利
Apple Watchを使いこなすうえでもっとも大切なのは「常に着用していること」だと感じている。常に傍らにあるからこそ計測を続けてくれ、運動などを促してくれるのだ。しかし、電力を必要とするガジェットであることから、定期的に充電することになる。
筆者が使っているのは2019年に発売された「Apple Watch Series 5」(2019年9月発売)だ。平均的な使い方であればバッテリーは18時間ほどもつため、1日1回の充電が求められる。睡眠計測のために就寝中は充電しないので、食事や入浴時などに2時間ほど外すが、だいたいこれで100%まで充電できる。
ちなみに「Apple Watch Series 6」(2020年9月発売)なら、残量が0%の状態から100%までのフル充電が約1.5時間以内(80%までなら約1時間以内)で済む。このスピード感なら、文字通り“手放せない”存在になりそうだ。
Apple Watchは、24時間体制で健康を見守ってくれる
ほかにも、月経の「周期記録」機能もある。月経の情報やその日の体調、基礎体温、排卵検査結果などが記録でき、月経が近づくと知らせてくれる。女性にとって役立つ機能だ。
このように、Apple Watchでできることは豊富にあり、個人的にも手放せないほどの存在になっている。時間の確認はもちろん、各種メッセージ通知、コミュニケーションや音楽などなど、機能を挙げればキリがないが、健康管理は大きな柱のひとつとなった。
腕に装着しているという点において、もっとも身近なITガジェットといって差し支えないだけに、身体に関わる強力なログ機能や便利なアシスト機能が揃っている。各種ログ機能は他社製アプリとの連携も可能なので、好みのものを選びたい。屋内で走るだけの筆者は純正アプリだけで申し分ないと感じているが、たとえば屋外のランニングを日課にしているなら、GPSを使ってコースをトラッキングしてくれるものがよさそうだ。
普段の時間からエクササイズ、さらには睡眠中まで、24時間体制で全方位的にサポートしてくれるApple Watchを活用することで、筆者は健康的な生活を送ることができている。このあともランニングの時間なのだが、ちょうど手元のApple Watchが見計らったかのように「まだ間に合いますよ!」という一文とともにアクティビティリングを表示してくれた。運動習慣や、日々の健康管理の一助として、Apple Watchを活用してみてはいかがだろうか。
文:吉州正行