2020/06/03
| 更新
2021/02/12
自宅でも『Apple Watch』で健康管理 心拍数や心電図、スタンド機能など活用術を紹介
※2021年2月12日 心電図機能を追記
生活スタイルが多様化し、在宅ワークを選ぶ人が増えているなかで、「Apple Watch」ユーザーは家でも着用しているだろうか。もし、充電器の上に置いたままにしているならもったいない。実は、在宅ワークや巣ごもりライフでも、Apple Watchは健康管理にとても役に立つ。どういうときに役立つのか。在宅時でも頼もしいApple Watchの活用術を紹介しよう。
活動量計として常に体の状況のログをとってくれる「ヘルスケア」と「アクティビティ」
家にいるとどうしても運動不足になってしまうもの。「普段と同じ量を食べているのに、なんだかシルエットがふっくらした」なんてことを防ぐためには、定量的なデータがあると生活改善の気づきになる。
Apple Watchを常につけていれば、GPSによる移動距離測定や各種センサーによって心拍数を自動で取得し、毎日の運動量を計測してくれる。iPhoneの「ヘルスケア」で年齢や身長、体重を事前に登録しておくことで、消費カロリーは一目瞭然。自分がどれくらい動くと、どれくらいカロリーを消費するのかがわかるため、運動の目標や健康づくりにもつながる。
また、Apple Watchの「アクティビティ」を開くと、運動量や消費カロリーが上の画像のようにリング状に表示される。それぞれが1周すると、その日の目標を達成したということだ。iPhoneの「アクティビティ」で確認すると、カレンダー上にリングがズラリと表示されるため、積極的に運動した日と平時を見比べることで、運動量がどれだけ足りないかも把握できる。それによって、毎日の自分の健康状態がわかり、生活習慣の改善にも役立つ。
“動かない”を防ぐ、強力なアシスタントになる「スタンドリマインダー」
在宅ワークは基本的に移動する必要がない。オフィスにいれば打ち合わせするにもちょっとした移動が伴うが、在宅ワークの場合はすべての作業が手元のPCやタブレット、スマホだけで完結してしまうケースが多い。当然、長時間デスクに座っていることで、エコノミー症候群などの健康リスクは高まることだろう。
しかし、Apple Watchをつけていれば、“動かない”を防ぐことができる。50分間の座りっぱなし状態を感知すると、「スタンドリマインダー」という機能がアラートを鳴らし、立ち上がることを促してくれる。
アラートに従って立つだけだが、ちょっとした気分転換にもなり、作業効率アップにつながることもある。そして、1週間を通じて毎日アラートにあわせて立ち上がると「完璧な1週間(スタンド)」というバッジを取得できるのだ。これによりモチベーションを維持することができ、長続きにつながる。
気持ちのうえでのサポートまで買って出てくれる「呼吸リマインダー」
リフレッシュにまつわる機能はほかにもある。長時間デスクワークを続けていると、どうしても呼吸が浅くなったり、姿勢が崩れてしまうこともある。そんなとき、Apple Watchはしばしば深呼吸を促してくれる。手元に通知が届き、表示に合わせて呼吸を整えるだけでも頭がスッキリする。
アラートが鳴ったら「開始」をタップ。円が花びら状に拡大縮小するアニメーションと自分の呼吸をシンクロしよう。1分間(〜5分まで調整可能)の呼吸セッションでは心拍数も計測してくれ、iPhoneの「ヘルスケア」内で確認ができる。
自宅でのちょっとしたエクササイズにも活用できる「ワークアウト」
上記のとおり、Apple Watchは自宅にいても腕につけていれば、動いたぶんのログをきっちり残してくれる。さらに「ワークアウト」を使えば、縄跳びや室内でのウォーキング、ヨガにピラティス、バランスボールを使ったコア運動からフィットネスゲームにいたるまで、自宅でできるエクササイズを多岐にわたって計測してくれるのだ。
身体に関する正確な計測は、iPhoneよりもApple Watchの得意技。腕の振り方や振動のほか、心拍数などから総合的に判断し、運動量や消費カロリーをしっかりと記録してくれるため、精緻な運動記録を残すことができる。これにより、在宅ワーク時と平時などで、自分がどれだけ運動できているのか、正確な比較ができそうだ。
普段は意識しにくい心房細動を手軽に計測できる「心電図」機能
Apple Watch Series 4以降では、iOS14.4とwatchOS7.3にアップデートすることで心電図を記録する機能が利用できる。心電図記録とは、心臓の鼓動による微小な電気信号のタイミングと強さを記録する検査のこと。病院などでは体中にセンサーを取り付けることで測定するが、Apple Watchは手首から簡易的に心拍リズムを読み取ることができる。
設定はiPhoneから行う。まず、iPhone でヘルスケアアプリを開き、[ブラウズ]タブをタップ。[心臓]▶[心電図(ECG)]▶[“心電図” App を設定]の順にタップ。
これで準備完了だ。Apple Watchで心電図アプリを開き、腕を机や膝の上に置く。続いて、Apple Watch を着けている手とは反対側の手の指をデジタルクラウンの上にのせ、30秒ほど待てば計測完了。記録が終わると結果が表示される。
さっそく試してみたが、「洞調律」という結果が表示された。
「洞調律」は、とくに問題がないときに表示される。診断結果は「心房細動」、「低心拍数」、「高心拍数」、「判定不能」に分類され、注意が必要な症状の場合は医療機関への受診を促される。自動計測ではないので定期的に自分で計測することになるが、心臓発作や血栓、脳卒中といった大きな異変を見つけることはできなくても、普段は意識することが難しい心房細動を手軽に計測できることは、健康リスクを考えるうえで有用な機能だろう。
“つかまらない”を防ぐ、有能な秘書になる各種の通知機能
自宅にいるときでも、仕事以外のタスクが発生するケースはある。仕事の合間に家事をはさんだり、子供がいる場合は面倒を見たりすることもあるだろう。それができることが在宅ワークのメリットでもあるが、職場にいれば“即レス”ができるのに、ちょっとした雑用をしていると逆に仕事の電話やメール、メッセージの着信に気づかないこともある。iPhoneでももちろんチェックできるが、自宅でのちょっとした用事にいちいち持ち歩くのは億劫だろう。
その点、Apple Watchをつけていると、それらの通知はほぼすべて把握できる。職場と同じように“即レス”することができるので便利かつ安心だ。
在宅時でも有能なパートナーがApple Watch。使いこなすのは難しくない
Apple Watchは単なる時計ではない。時間がわかるという腕時計の本質的な価値に、さまざまな測定機能が盛り込まれたガジェットなのだ。在宅ワークにより、運動不足やちょっとしたストレスはどうしても生じるもの。Apple Watchには、それらのリスクを軽減してくれる可能性がある。そして使いこなすのは難しくない。腕につけているだけで簡単に計測や提案をしてくれるので、ITに詳しくない人も利用できる。健康管理ツールとしてサポートしてくれる心強い味方だ。
文:吉州正行