2020/05/13

『お薬手帳アプリ』なら忘れる心配なし! メリットや使い方、おすすめアプリを紹介

「お薬手帳」を紛失したり、または薬局や病院に持っていくのを忘れた経験はないだろうか。そんなうっかりを解消できるのが、スマホで薬の情報を管理できる「お薬手帳アプリ」だ。

頓服薬とお薬手帳アプリ

お薬手帳を持って行けば、医療費3割負担の人の場合で40円ほど薬代が安くなる。この支払い金額が安くなる仕組みは、お薬手帳アプリにも適用されるので(一部適用外のアプリあり)、ついつい持って行くのを忘れがちな人は、アプリに切り替えておけば安心だ。

最近では多くのお薬手帳アプリがリリースされているが、なかには健康管理機能がついたものや、家族のお薬手帳も一緒に管理できるものもある。自分のライフスタイルにあったアプリを選んで、使いこなしてみよう。

お薬手帳アプリが便利なシーンとは?

お薬手帳アプリを使ういちばんのメリットは、なんといっても病院に行く際に「お薬手帳を忘れにくい」ということ。

また、たとえば旅先などで体調を崩して急に病院に行くことになっても、スマホにお薬手帳が入っていれば、過去の服薬情報を医師や薬剤師と共有できる。どこに行くにも持ち歩くスマホだからこそ、急な受診の際にも対処できるのが、お薬手帳アプリの大きなメリットといえるだろう。

EPARKお薬手帳の薬歴画面

自分以外の家族のお薬手帳も一緒に管理できるアプリもあるので、子どもや高齢の両親の通院に付き添う場合にも便利だ。高齢者や子どもの場合、同時に複数の病院にかかっているケースもあるため、薬の情報を医師や薬剤師に伝えることは大切。薬の飲み合わせやアレルギーの有無は、健康に関わる大事な情報だからだ。

お薬手帳アプリのなかには、処方箋を写真に撮って調剤薬局に送信し、受け取りの予約ができるものもある。これなら薬局での待ち時間も短くて済む。

お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」を使ってみた

・行きつけの薬局で対応しているアプリを確認

さっそく、筆者もお薬手帳アプリを使ってみた。数あるアプリのなかからどれを使えばいいか迷ったため、まずは行きつけの薬局で、どのアプリなら使えるのかを確認。「EPARKお薬手帳」が対応しているとのことだったので、こちらをダウンロード。

インストールできたら、まず会員登録を行って利用開始。筆者の場合、自分自身と7歳の娘のお薬手帳をこのアプリで管理することにした。家族管理機能があるので、それぞれの名前と簡単なプロフィールを登録すればOKだ。

・子どもの情報も一緒に管理する場合は家族共有機能が便利

さて、ここでひとつ気になったのが、我が家の場合、娘を病院に連れて行くのが私だったり夫だったり、ときには私の母だったりするため、服薬情報が私のスマホにしかないのではかえって不便だ。その点では、むしろ紙のお薬手帳のほうが便利なのでは……と思ったが、あらためて機能を調べてみたところ、ちゃんと共有機能があった。

EPARKお薬手帳の共有機能

私のアプリで共有用の招待コードを発行し、それを夫のスマホにインストールした「EPARKお薬手帳アプリ」に入力すると、私のアプリ内に登録した情報をそのまま共有できる。そのあとは、どちらかのアプリに服薬情報を登録すると、自動的に更新されるようになるので安心だ。

・薬局で支払いの際にQRコードを発行してもらうだけ

このアプリへの服薬情報の登録方法は主に2つあり、ひとつは薬局で薬をもらうときにQRコードを発行してもらう方法。もうひとつは、手動で薬の名前を打ち込む方法。手動で打ち込むのは面倒に思うかもしれないが、候補が出てくるのでそれほど大変ではない。

EPARKお薬手帳の入力画面

行きつけの薬局は病院に隣接しているものの、混んでいることはあまりないので、今回は処方箋予約機能は利用しなかった。いつも通り薬局へ行って処方箋を渡し、薬を受け取るときに「お薬手帳アプリに登録するためのQRコードがほしい」ことを伝えれば、すぐに出してくれた。

・処方箋予約が便利なケースとは?

処方箋予約機能が役に立つのは、あまり一般的ではない薬を処方されたような場合だろう。娘が以前、手術を受けた際に術後しばらくのあいだ服用しなければならない薬があった。大きな病院の近くの薬局は混んでいるので、自宅近くの薬局に行ったところ、その薬の在庫がなかったため、翌日にあらためて取りにいく必要があった。

『EPARKお薬手帳』では、処方箋予約をすると、薬が用意できたタイミングで薬局から連絡が入るので、こういった場合に二度手間にならずに済む。

EPARKお薬手帳の調剤予約画面

おすすめのお薬手帳アプリ4選

今回試したアプリとあわせ、特徴の異なる4つのお薬手帳アプリを紹介する。自分のライフスタイルや目的にあわせて選んでみてほしい。

・処方箋予約、服用アラームなど便利な機能満載の「EPARKお薬手帳」

今回、筆者が使ってみた「EPARKお薬手帳」は、処方箋予約や家族共有以外にも便利な機能がある。薬の飲み忘れを防止してくれる「服用アラーム機能」や、健康診断のときに測定したコレステロール値や中性脂肪、血糖値などの検体測定結果を記録する機能、医療費控除の明細書で利用する医療データを出力する機能などだ。

EPARKお薬手帳のアプリ画面

処方箋予約は、全国にある約58,000店もの提携している薬局やドラッグストアで利用できるのもうれしい。

EPARKお薬手帳(iOS)
EPARKお薬手帳(Android)
アプリ利用料/無料

・体重や血糖値などを記録、健康管理もできる「お薬手帳プラス」

調剤薬局の日本調剤が開発したアプリ。アプリをダウンロードするだけで、スマホで撮影した処方箋を事前に薬局へ送信することが可能。薬の準備ができたらアプリにお知らせが届くため、薬局での待ち時間を短縮することができる。

お薬手帳プラスのアプリ画面

もうひとつ、健康管理機能が充実しているのも「お薬手帳プラス」の特徴だ。メールアドレスを登録して準会員になると、健康管理機能を使うことができるようになる。体重、血圧、脈拍、血糖値、歩数などのデータを記録し、グラフで確認することが可能。

また、服用時間になるとアラームで知らせてくれたり、服用した薬を記録したりする機能もあるので、飲み忘れ防止や、飲んだかどうかわからなくなるのを防止してくれるのも便利だ。

お薬手帳プラス(iOS)
お薬手帳プラス(Android)
アプリ利用料/無料

・日本薬剤師会が運営し、提携先の薬局が多い「eお薬手帳」

日本薬剤師会が運営している「eお薬手帳」は、処方箋送信や家族の服薬情報を管理するなどの基本的な機能に加え、アレルギー歴や副作用歴なども記録できるアプリ。お薬手帳機能に特化しているので、シンプルで使いやすい。

eお薬手帳のアプリ画面

なお、日本薬剤師会では、異なるお薬手帳アプリの情報を、薬局の薬剤師さんが相互に閲覧できる「e薬Link」という仕組みも提供している。もし、自分が普段利用しているアプリに対応していない薬局にかかった場合、「e薬Link」に対応しているアプリなら、ワンタイムパスワードを提供すれば、電子お薬手帳内のデータを、薬剤師さんが一時的に閲覧することができるようになる。ちなみに、上記で紹介した「EPARKお薬手帳」と「お薬手帳プラス」は「e薬Link」に対応している。

eお薬手帳(iOS)
eお薬手帳(Android)
アプリ利用料/無料

・最低限の機能に特化してわかりやすい「お薬ノート」

薬局への処方箋の送信機能などはなく、服薬情報の記録に特化しているのが「お薬ノート」だ。

お薬ノートのアプリ画面

飲み忘れを防ぐための服用アラートの設定として、多彩な服薬時間を登録可能。アプリを起動していなくても通知が届くほか、服用アラートの通知をタッチすると、その場で飲んだ記録をつけることもできる。「この薬、今朝飲んだっけ?」といったことを防ぐことができるのでとても便利だ。
※お薬手帳やお薬手帳アプリを使用した場合の支払い額の減額は、「お薬ノート」では適用外です。

お薬ノート(iOS)
お薬ノート(Android)
アプリ利用料/無料

いざというときにこそ役立つ、お薬手帳アプリを活用しよう

使い慣れるまでは少し面倒くさいと思っていたお薬手帳アプリも、慣れると登録も簡単で、紙のお薬手帳と違い、持っていくのを忘れることもない。外出先での急な体調悪化など、いざというときにこそ、デジタル化しておいてよかったと思えるはず。上手に活用して、自分はもちろん、家族の健康管理に役立ててほしい。

文:相馬由子(ディライトフル)