2019/10/15

『Apple Watch Series 5』とSeries 3 / 4を比較! その進化ポイントを解説します

Apple Watch Series 5

2019年9月に発売が開始した「Apple Watch Series 5」。昨年発売された「Apple Watch Series 4」とベースデザインの変更はなかったため、「あまり変わっていないのでは?」と考える人がいるかもしれないが、Apple Watchの最大の弱点ともいうべきポイントが解消されるなど、注目したいポイントはかなりある。「Series 5」から「Series 3」までの各モデルのスペックを比較しながら、具体的な進化ポイントを解説しよう。

Series 3以降、着々と性能が向上

まずは、「Series 5」「Series 4」「Series 3」のスペック比較表を見てほしい。

Apple Watch Series 5、Apple Watch Series 4、Apple Watch Series 3の比較表 ※情報は2019年9月25日現在のものになります

Seriesを経るごとに、着々と性能が進化していることがわかる。一覧で見ると「Series 5」の画面サイズは「Series 4」と変わらないが、「Series 3」と比べるとベゼルが細くなったこともあり、大きく見やすくなっていることがわかる。実際に装着した感想としては、ひとまわり大きくなっているものの、厚さが0.7mm薄くなり、フィット感は向上している。

Apple Watchサイズ比較

また、ストレージ容量が「Series 5」では32GBと倍増している。今までも「ストレージの残量が足りなくて気にしながら使っていた」ということはなかったが、32GBに増えることで、より安心なスペックになったといえる。

総じて「Series 5」は、「Series 4」から大幅なアップデートというわけではないが、基本性能の向上も着実に体感でき、操作から表示までのタイムラグも短くなっているように感じられた。Siriの応答もよりスムーズになっており、使い勝手の向上はユーザーとしてもありがたい。

Apple Watch Series 5では「常時点灯」が可能に

ここからは「Series 5」で進化したポイントを紹介していこう。

まずは、「常時点灯」について。これまでは、腕を手前に傾けるモーションを検知することで瞬時にスリープから立ち上がって画面表示されていたが、ついに「Series 5」で常時点灯が実現した。低温多結晶酸化物(LTPO:Low-Temperature Polysilicon and Oxide)という消費電力の少ない液晶パネルを使い、リフレッシュレート(画面の書換頻度)を通常の60Hzから1Hz(つまり1秒に1回)へと大幅に低下させることで、18時間というバッテリー持続時間はそのままに、常時点灯が可能になった。筆者が実際に使っていても、バッテリーの持ちは「Series 4」とほぼ同様という印象だ。寝起きから就寝まで終日装着しても、充電が必要になる局面はいまのところ訪れていない。

Apple Watch Series 5を着用した女性

「Series 4」までは、画面を点灯させようとする動作が「時計をのぞき込む」姿に見えてしまい、傍目からは時間を気にする姿になった可能性もあるが、これからはそんな心配は無用。既存ユーザーにしてみれば、朗報といえる。写真のように腕を下げている状態でも点灯されているが、バッテリーを節約するため、やや暗くなっている。手首を上げたり、画面をタップすると通常の明るさに戻るが、個人的には暗い状態でも晴天の屋外といったシチュエーションでなければ、視認性にはまったく問題はないと感じている。

「電子コンパス」を搭載し、単体でのナビ性能などが向上

また、今回から新たに「電子コンパス」が実装された。

腕に巻かれた「Apple Watch Series 5」のコンパス画面

これにより、地図アプリのナビゲーションの精度が上がり、ランニング時などApple Watch単体で移動するときの頼もしさが格段にアップした。登山などのアウトドアシーンで重宝しそうな印象だ。さらに、ARアプリを使用する際の表示正確性が高まるなど、将来性を感じられるアップデートでもある。

合計3種の金属モデルとセラミック、4種類の素材から選択可能

ケースの素材が増えたことも大きなトピックだ。ステンレスとアルミは従来から変わらないが、今回は新たにチタン(チタニウム)が登場。チタンはアレルギーフリーな高性能金属で、軽量化にも貢献している。また、今回2年ぶりにセラミックモデルが復活した。合計4つの素材から選べるようになり、カラーバリエーションもあわせると選択肢の幅が格段に広がり、ユーザーとしてもありがたい。

Apple Watch Series 5のカラーバリエーション

海外渡航の緊急時にはユーザーに変わって緊急連絡

日本では未対応ではあるが、セルラーモデルでは携帯電話会社との契約がなくても、世界150カ国で「緊急通報サービス」が利用可能になった。「転倒検出機能」が有効な場合、転倒などを検知して1分間動きがない場合、自動的に各国の緊急連絡先に居場所とともに電話されるというもの。日本のユーザーでも海外渡航時には使えるため、より頼もしくなったといえる。

Apple Watch Series 5の緊急通報サービス画面

好きなケースとバンドの組み合わせができるように

これまでのApple Watchは、定められたケースとバンドの組み合わせでしか購入できなかったが、Apple Storeでの購入であれば、「Apple Watch Studio」という新サービスが利用できる。好みのケースとバンドの組み合わせが可能で、いわば“セミオーダー”で購入できるようになった。組み合わせにこだわりたい人は試してみてほしい。

Apple Watch Series 5の「Apple Watch Studio」でのバリエーション例

「Series 5」にして、いよいよ“時計超え”を果たした?

「常時点灯」という大きな進化を遂げた「Apple Watch Series 5」。これまでのアップデートでは腕時計との距離を詰めてきたが、今年はついに時計を追い越したようにも感じられる。ウェアラブルガジェットの最先端がいかなるものか、ぜひ実際に腕に巻いて確かめてほしい。

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文:吉州正行