2019/04/23
海外旅行時のスマホ設定は? 充電や現地での電話、スマホ決済事情などまとめて解説
海外に出かける際、同行者との連絡や地図の利用、渡航先の観光地を調べるなど、スマホを利用する機会は多く、もはや必需品といえるだろう。ただし、日本と同じ感覚で利用していたら、高額請求やスマホの盗難など、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性もある。
そこでこの記事では、海外でスマホを利用する際に気になることや注意したいこと、その対策を紹介する。
高額請求を防ぐスマホの設定は?
海外でスマホを利用する場合、心配なことのひとつに「高額請求」がある。
海外での通信方法には「データローミング」というものがあり、契約している通信業者同士が連携することで、現地に到着するとその国の電波に自動的に切り替えるという仕組みになっている。そのおかげで海外でもインターネットが利用できるが、日本で契約している使い放題などのプランはローミングが対象外のため、国内でしか適用されず、海外では1パケットごとに〇円、通話30秒ごとに〇円というように、利用したぶんの料金がかかる。ならばインターネットを使用しなければいいという問題でもなく、気付かないところでアプリやOSの自動アップデートなどで通信が発生してしまう場合もあるので注意が必要だ。
そこで海外渡航時には以下の通信設定にしておこう。自動的にモバイル通信を利用することがなくなるので、高額請求の心配を避けられる。
【iPhoneの設定】
▼通信をWi-Fiに限定する設定
・コントロールセンターから[機内モード]と[Wi-Fi]をON。この設定にしておくことでインターネットの利用はWi-Fi接続時のみに限られるので、通信料は発生しない。
▼モバイルデータ通信をせず、通話(SMS)のみ利用する場合
上記の設定中に通話だけ利用したい場合は、以下のように設定する。くれぐれも海外滞在中の通話は国内に比べ高額のため、話し過ぎには注意したい。
・[設定]>[モバイル通信]>[通信のオプション]>[データローミング]をON
・通話の利用が終了したら、[データローミング]および[モバイルデータ通信]をOFFにしておくと安心だ。
【Androidの設定】
Androidの場合は、機種やOSによって設定方法が異なるが、基本的には自動で海外モードに切り替わる。自動切り替えにならない場合は、手動で設定する必要があるので、手順を以下に記載する。
▼通信をWi-Fiに限定する設定
・画面の上から下にスワイプすると出てくるクイックメニューで[機内モード]と[Wi-Fi]をON。この設定にしておくことで、インターネットの利用はWi-Fi接続時のみに限られるが、通信量も通話量も発生しない。
▼モバイルデータ通信をせず、通話(SMS)のみ利用する場合
上記の設定中に通話だけ利用したい場合は、以下のように設定する。くれぐれも海外滞在中の通話は国内に比べ高額のため、話し過ぎには注意したい。
・[設定]>[接続]>[モバイルネットワーク]>[ローミング設定]>[データローミング][4G設定]をON
・通話の利用が終了したら、[データローミング]および[4G設定]をOFFにしておくと安心だ。
高額請求にならないスマホの使い方は?
次に、高額請求にならないスマホの使い方を解説する。旅行中は特に撮影した写真をSNSにアップしたり、観光スポットや地元で評判のレストランを調べたいときなど、インターネットに接続してスマホを使う機会が多い。そんな海外でインターネットを利用する方法を4つ紹介したい。
■ホテルやカフェに設置された現地のフリーWi-Fiを使う
パスワードを入力して接続するWi-Fiと、パスワードなしで接続できる無料Wi-Fiが存在する。ただし、現地のWEBサイトへのアクセスを介したり、セキュリティ面で不安な場合もあるため、公共インターネットの利用には十分気を付けたい。
特に、クレジットカードの入力を伴うオンラインショッピングや個人情報が記録されているメールやSNSの利用は絶対にやめておこう。
■現地の回線を利用できるポケットWi-Fiを使う
現地の回線を使えるポケットWi-Fiをレンタルするという方法もある。ひとつのポケットWi-Fiで複数のスマホやパソコンを接続できるので、家族や友人など何人かで旅行に行く場合にはひとつ持っていると便利だ。
■海外SIMカードを購入する
渡航先で販売されているプリペイド式のSIMカードを購入し、SIMフリースマホに差し替えて利用するという方法もある。現地の国内通話の扱いになるため、現地価格でスマホを使用できるとともに、さらにプリペイド式を買えば、使い過ぎるということもない。
■通信会社が提供する海外データ定額サービスを利用する
たとえばauなら、150以上の国と地域に対応した「世界データ定額」というプランがあり、24時間あたり980円で日本にいるときと同じ感覚でデータ通信を利用できる(2019年4月23日現在)。事前の申し込みなども不要で、アプリから誰でも簡単に利用開始できる。現地についてからでも利用できるので、覚えておくと安心だ。
海外でのインターネット利用と「世界データ定額」については、下記の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひ参考にして欲しい。
Apple Payなどスマホ決済は海外でも使える?
では、スマホ決済はどうだろうか。国内ではコンビニでもスーパーでも駅の改札でも、スマホだけで瞬時に支払いできるスマホ決済は非常に便利で、特にiPhoneユーザーにおいては、Apple Pay利用者も多いだろう。海外でもApple Payで決済できれば両替の必要もなく使いやすいはずだが、果たして海外でもそのまま利用できるのだろうか。
結論から言うと、Apple Payに登録しているカードによる。Apple Pay に対応しているJCB、Mastercard、American Expressのクレジットカードは、Apple Pay に対応している国や地域であれば基本的に使える。
また、海外ではSuicaやQUICPay、iDなど日本独自のキャッシュレスサービスは対応していないので、Apple Pay利用の際に「Suicaで」「QUICPayで」と伝えても利用できない。ただしクレジットカード扱いとしてなら利用できる場合がある。
そのうえで、以下のいずれかのマークが掲示されている店ならApple Payが利用できる。決済時に「Apple Pay」と伝えれば通じるはずだ。
渡航前に、渡航先の地域がApple Payに対応しているか確認しておくといいだろう。Apple Payに対応している国や地域は、Appleの公式ページで確認できる。
→Apple Pay に対応している国や地域
使っているスマホの充電器は海外で使える?
次はスマホの充電だ。スマホを使えば当然電池が減る。ホテルに戻って充電をしたいところだが、海外の電源コンセントは日本と電圧が異なる。今使っている充電器はそのまま利用できるのだろうか?
結論から言うと、まず電圧の前に、国や地域によって差し込むプラグの形状が異なるため、渡航先にあわせた変換アダプターを用意する必要がある。電圧については、ほとんどのスマホはユニバーサル仕様になっているので、電圧がAC100V-240Vの充電器なら多くの国で変圧器は不要だ。
とはいえ、万が一の充電トラブルのため、差し込み前に充電器本体に書いてある対応電圧を確認してほしい。対応がわからなければ、空港内の通信会社のカウンターや大型の家電量販店、通販などでも電源プラグの変換アダプターを販売しているので、事前に渡航先に対応した商品を購入しておくと安心できる。
また、持ち運びに便利なモバイルバッテリーだが、充電池にはリチウムイオン電池が使用されており、航空法によって預け入れ荷物での持ち込みが禁止されている。機内持ち込み手荷物としては許可されてはいるが、一部制限付きなので、事前に利用する航空会社の手荷物に関する注意を読んでおいた方がいいだろう。
海外での国際電話のかけ方は?
海外では、電話のかけ方も国内とは異なるため注意が必要だ。渡航先ではぐれた同行者へ電話したり、現地のホテルへの予約や問い合わせなど、現地で電話が必要なこともあるだろう。そのような時のため、手順を紹介する。
例)渡航先から日本の「03-1234-XXXX」にかける場合
+ 81(国番号)-3(市外局番)-1234XXXX(相手の電話番号)
例)渡航先(アメリカ)からアメリカの「123-456-XXXX」にかける場合
+ 1(国番号)-123(市外局番)-456XXXX(相手の電話番号)
このように海外での電話は、頭に国番号が必要だ。また、電話番号の頭につける「+」は、iPhoneでもAndroidでも「0」を長押しすると出る。
国番号は以下を参考にしてほしい。
なお、渡航先で同行者に電話をかける際も国際発信が必要で、電話をかけた側にも受けた側にも国際電話料金がかかる。国際発信の料金は以下の通りだ。
LINEなどSNSの無料通話については、Wi-Fi接続や世界データ定額で通信できる状態ならば、日本と同じように通話料金がかからず通話ができるため、覚えておくと良い。
渡航先によってはスマホを見せるだけで盗まれる危険も
なにより気をつけるべきは身の安全、そしてスマホの盗難だ。海外ではスマホは高額な商品。渡航先によってはスリや窃盗の対象になることもあり、パンツの後ろポケットにスマホを入れていると、いつの間にかなくなっていることもある。
特に旅行先では写真を撮ったりSNSに投稿しやすいよう、すぐ取り出しやすいところに入れがちだが、用心するに越したことはない。スマホは常に肌身離さず持ち、表ポケットでなく裏ポケットやカバンにしまったり、体につけるネックストラップやチェーンなどで固定するなど対策を取るとともに、カフェやレストラン、列車やバスなど、ちょっとした場所でもスマホを置きっぱなしにしないようにしたい。席を取るつもりでスマホを机に置いていたら盗られていたという被害例もあるので注意しよう。
国ごとの安全レベルについての情報は、外務省の「海外安全ホームページ」や旅行ガイドブックに記載されているので、事前にリサーチしておくといいだろう。
また、盗難されると、SIMカードを抜かれてそのまま利用されてしまう恐れもあるので、万が一の場合は、契約している通信会社のお問い合わせ先に連絡し、すみやかに通話停止の措置を取ってほしい。
当日入れる「au海外旅行保険」で海外旅行に安心を
最後に、海外でケガや病気、盗難など思いがけないトラブルに見舞われる可能性もある。万が一に備え、渡航前に海外旅行用の保険に加入しておくといいだろう。auであれば、「au海外旅行保険」なら海外だけでなく、自宅を出てから帰宅するまでしっかりサポートできる。出発当日でも、スマホ・タブレット・PCからその場でお申し込みできるので、ぜひ検討したい。
以上の点に気をつければ、国内と同様にスマホは便利な道具に変わる。最近では自動翻訳アプリなども登場しているので、さらに活用の機会は増えそうだ。この記事をブックマークしてスマホ利用に関する疑問点や注意点を把握しておくとともに、安心・安全な旅を楽しんでほしい。
文:鈴木雅矩(スズキガク)