2018/12/06
『Apple Watch Series 4』の進化ポイント 「レスキュー機能」など新機能を一挙紹介
2018年9月、iPhone XS、iPhone XS Maxの発売と同時に、Apple Watchの新モデル「Apple Watch Series 4」が発売された。実は、2015年の初代モデルから数えて4代目にして、初のフルモデルチェンジ。ケースの形状やディスプレイサイズが変更されるなど、大幅なアップデートを遂げている。
そこで、発売から約3カ月にわたって、さまざまなシーンで使い続けてきた筆者が、その進化ポイントを紹介していく。
Apple Watchの基本性能とは?
そもそもApple Watchをひと言で説明すると、“スマホのような機能を内蔵した時計”と言える。「スマートウォッチ」というジャンルに属し、時計としての機能だけでなく、メールや各種メッセージのチェック、地図を見る、音楽を楽しむ、Suicaでの決済など、スマホと同じような使い方ができる。また活動量計(アクティビティモニター)の役割も果たし、回転や向きの変化を検知するジャイロスコープやGPSによって、持ち主の移動距離や大まかな運動状況に加え、脈拍も検出してくれるのだ。
これまでのApple Watchは、iPhoneのいわば “相棒”的存在といえるだろう。脈拍を測る以外のことはiPhoneにもでき、通信や通知を見るのに便利だった、という印象。
ところが、昨年の「Apple Watch Series 3」で「GPS+Cellularモデル」が加わることで、Apple Watch単体での通信や通話などが可能な独立したデバイスとなり、「iPhoneの相棒」から「小さなiPhone」になった。さらに今年の「Apple Watch Series 4」では、これまで以上に進化を遂げ、「iPhoneとは違うガジェット」になったといえる。
果たして、どういうことか? そのポイントは主に3つある。実際の使用感を交えてご紹介したい。
ポイント1「レスキュー機能が加わったこと」
転んだり、倒れたときに自動で状況を判断し、救急に連絡をしてくれる機能を搭載している。ユーザーが転倒したことを検知すると、画面上に転倒したことを確認するメッセージが表示され、そのまま反応せずにいると1分後に救急に自動通報してくれるのだ。
「大げさな……」と感じる人もいるかもしれないが、さまざまな理由で転倒したり、事故に遭うリスクは誰にでもある。そのため、いざというときに「Apple Watch Series 4」を着用していれば、命が救われる可能性があるのだ。いまのところ筆者は、実際に試すようなケースに見舞われてはいないが、日々、着用するだけで安心感を得られている。
また、常時心拍をモニターするApple Watchの特性を生かし、徐脈(心臓の鼓動が遅くなること)を検出し、危険な領域にまで脈拍が下がった際に利用者に通知。テキストメッセージや音声通話を登録した連絡先に発信する機能も追加されている。
さらに今後は、心電図も計測できるようになる予定だ。機能は実装されているものの、ソフトウェアが未対応であるほか、日本では医療機関との連携システムが整っていない。今後、諸条件がクリアになれば、心臓疾患などで具合が悪くなった際は、たちどころにApple Watchが察知し、医療機関にアラートを挙げながら心電図レポートを提供する、という未来が実現するかもしれない。こんな芸当は腕に巻ける「Apple Watch Series 4」ならではだ。
ポイント2「デザインとインターフェースが別次元になったこと」
これまでサイズが38mmと42mmの2モデルでの展開だったが、新モデルから40mmと44mmに変更になり、合わせてベゼル(縁)が細く、さらに厚みが0.7mm薄くなっている。数字で見ると数ミリの差ではあるが、実際に腕につけると、フラットでフィット感が格段によくなっているのだ。これにより、日常の使い心地はもちろんのこと、運動時などもちょっとしたストレスから解放されることになった。
加えて、表示領域の拡大により、時計のフェイスに対する文字盤も大ぶりになったことで、デザインのバランスがきれいに収まっている。また、特筆すべきは新たな「インフォグラフ」文字盤。時間に加えて空気質指標、UV指数、心拍数、アクティビティ、ミュージック、ワークアウト、呼吸、天気を一目瞭然で表示してくれる。従来の腕時計とは違った、スマートウォッチならではのデザインは、ガジェットとユーザーの距離を縮めてくれる。
また、画面右側についているダイヤルのようなコントローラー「デジタルクラウン」はさまざまな機能を担っている。スクロールに合わせて、小刻みに“カチカチ”と触覚的なフィードバックを感じ、モノとしての質感の高さを感じることができる。実はデジタル制御され、表示や操作と連動するのだ。操作のクリック感はアナログ時計では当たり前だが、その高級感とデジタルらしい触感とを高度に両立した新たなインターフェースであり、所有する満足感は高い。
ポイント3「機能が大幅なアップデートを果たしたこと」
もちろん、機能面でも大幅にアップデートされている。これまでのモデルでも搭載されていたアクティビティモニターとしての機能も進化。ジョギングやサイクリング、ジムでの運動やヨガなどで消費カロリーが計測できる。水深50m※までの耐水性能を持つため、水泳でも計測可能だ。
※水泳など、浅水でのアクティビティに適しています。 ※低水深を超える潜水や高速水流を伴うアクティビティでの使用は推奨しません。 ※ミラネーゼループは耐水性ではありません。
以前は、「ワークアウト」というアプリを実行してから運動を始める必要があったが、現在では運動が始まったことを自動で検知して記録してくれるため、アプリを立ち上げるのを忘れても問題なし。筆者も購入以来、ランニングの際には欠かさず着用しているが、ランニングマシンでも自動でアクティビティ測定を開始したのには驚いた。
また、スピーカーとマイクの性能が上がり、単体での通話がしやすくなったのも大きなポイントだ。iPhoneを自宅に置いたまま「Apple Watch Series 4」だけ着用して、ランニング中に着信があったときも、問題なく通話することができた。
ほかにも手書き文字を送り合える「Digital Touch」に加え、新たに手軽に音声メッセージのやり取りができる「トランシーバー機能」が追加され、従来の通話とは異なるコミュニケーションも強化されている。
Apple Watch、Cellularモデルは、月々350円(税抜)※1
ちなみに「Apple Watch Series 3」以降、「GPS+Cellularモデル」と「Wi-Fiモデル」が用意されているが、単体で電話の受発信やデータの送受信ができる「GPS+Cellularモデル」こそ、そのスペックがいかんなく発揮できる。しかも、新しい回線契約は不要。auで対応のiPhoneを契約していたら、「ナンバーシェア」(月額税抜き350円)を契約することで、iPhoneと電話番号を共有して利用できるのだ。
※1 通話料金・データ通信料金はiPhoneでご契約の料金プランが適用されます。 別途ユニバーサルサービス利用料等がかかります。iPhoneとは別次元の進化を遂げた「Apple Watch Series 4」。日々、着用しているなかで、デジタルツールとして新しい魅力が備わったことをひしひしと実感している。まだApple Watchに触れたことがないというなら、ぜひ時計という枠組みを超えた未知のデジタル体験を味わって、度肝を抜かされてほしい。
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文:吉々是良