2018/08/29
昆虫サイズの小型ドローンがガレキの隙間から被災者を… 災害対策に期待の『RoboFly』
人が入れないような場所へ空から探索できるドローンを災害や遭難救助現場で活用する事例が増えている。さらにドローンを人命救助のために活用しようという研究も以前から始まっており、いよいよ実用化が始まるかもしれない。
そのひとつがワシントン大学で研究開発されている「RoboFly」だ。名前のとおり手のひらに乗る昆虫ぐらい小さなワイヤレスの小型ロボットで、虫のように羽ばたいて空を飛ぶことができる。普通に飛んでいるところを見ると、虫とまちがって捕まえてしまいそうなほど見た目も虫に近い。
つまようじほどの重さでパワフルに飛び続ける
重さはたったの100mgと、つまようじ1本ほどの超軽量サイズが実現できたのは、レーザーを使って遠隔から電力を供給するのでバッテリーを本体に搭載する必要がないため。飛行プログラムもレーザーで送信してコントロールでき、電力の供給方法次第では飛行時間に制限なく飛ばし続けられる。
小型のドローンよりもはるかに小さいサイズながら、においや動きを感知する小型のセンサーであれば搭載でき、データの送受信も可能だ。指定した位置でホバリングできることから、主に環境モニタリングやガス漏れのセンサーとして使うことが考えられている。
小さい体に希望を託す! 被災者のレスキューが期待されるRoboFly
空飛ぶ小型ロボットことマイクロドローン研究そのものは1989年から始まり、21世紀に入ってからは虫をモデルに開発が急速に進化している。今回の最大のポイントはワイヤレスで飛べることで、製造コストも安いことから用途が大きく拡がる可能性が出てきた。
今のところ雨風などには弱いので、屋外での使用は難しいが、たとえば被災地のガレキの隙間から被災者を探索するといったような使い方はできるのではないかと期待されている。人の汗を感知する超小型センサーは、ハーバード大学など複数の研究機関で実用化が進んでおり、レスキュー現場のサポートマシンとして、間もなく普及するようになるかもしれない。
文:野々下裕子
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