2018/08/23
自宅でジェットコースターやF1を体験 お椀型VRデバイス『Yaw VR』
PlayStation VRやハコスコなど、自宅で手軽にVRコンテンツが楽しめるデバイスがいろいろ登場しているなか、自宅でも手軽にVRアクションを楽しめるコンパクトな体感型VR装置が登場した。「モーションシミュレーター」と呼ばれるこのタイプの筐体は、通常であればゲームセンターやアミューズメント施設などに設置されているもので、家庭で体験できるものではなかった。それを実現したのがこの装置である。
ハンガリーのクリエイターによるスタートアップ Industrial Cybernetics が開発した「Yaw VR」は、ジェットコースターやモーターレースといったVRコンテンツとシンクロして動きをリアルに再現できるお椀型のモーションシミュレーターだ。
VR映像に合わせて傾きながら回転する、すごいお椀
2つのお椀を背中合わせに重ねただけというシンプルかつユニークな見た目ながら、VR映像にあわせてお椀が前後左右にぐるぐる動く。座席が水平方向に360°回転し、50°まで傾いて、迫力ある体験が楽しめるのだ。
最大の特徴はコンパクトで軽量なこと。お椀の直径は約74cmで、重さは約15kg。セッティングもカンタンで、お椀型の筐体のうち一方をスタンドに、もう一方のシートになる方を上向きにして、足を乗せるステップを固定するだけ。
シンプルなつくりながら安全性はきちんと配慮されていて、カラダがすっぽり収まる構造なので激しい動きでも中ですべって振り回されることはない。使わない時は重ねて収納できるので、家庭用として使うのにもぴったりだ。
実際に試したが座り心地もよく、激しい動きでも体は安定していた。あまりに激しすぎるとVR酔いが心配になるが、椅子の角度は最大で50°とそれほど大きくないので安心。ただし、乗っている姿はまるでフライパンで調理されているようで、見られている時に笑われるのは覚悟しておく必要がある。
80種類以上のVRアプリと互換性あり! PlayStation VRなどとも連携予定
肝心のコンテンツは、もともとゲーム用のシミュレーターとして開発されていたため、80種類以上のPC向けゲームおよびVRシミュレータアプリと互換性がある。開発環境そのものはオープンソースで、クリエイターが独自にYaw VR用のコンテンツやソフトウェアの開発が可能だ。代表的なVRデバイスであるOculusやHTC Vive、Samsung Gear VRなどとも連携でき、PlayStation VRなどのVRコンテンツ・プラットフォームとも互換できるよう開発を進めている。
今年1月にラスベガスのCESで最初のプロトタイプをデモしたところ、予想を超える大きな反響があり、直後にスタートしたクラウドファンディングKickstarterのキャンペーンでも目標額をなんなく達成している。スタンダード、プロ、スペシャルの3タイプがあり、価格は1,190ドル(約13万2,000円 2018年8月17日現在のレートで換算)からで、最初の出荷が8月に始まる予定だ。
色は7色あり、オプションでバスケットボールやレゴのカラーリング、ロゴやネームを付けられ、日本からもオーダーできるが、すでに世界中から大量のオーダーがあるということなので、手に入れるのはやや時間がかかるかもしれない。
さらに、大きな大人用のXXLサイズや子ども用サイズの開発も進められているそうで、これからヒット商品になるのは間違いなさそうだ。
文:野々下裕子
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