2017/01/26
【ネット系女子!】女子中高生のカリスマ社長・椎木里佳さん 今年女子中高生に流行るアプリはなんですか?
いまどきのネットを騒がせている女性たちを紹介する「ネット系女子!」。14回目は、女子大生にして株式会社AMFの経営者である椎木里佳さん。
中学3年生で会社を立ち上げ "女子高生社長"として注目を集め、起業家としてだけではなく、若者代表としてメディアに出演するなど多方面で活躍。現在は、総勢100人の女子中高生で結成された「JCJK調査隊」を率い、10代のマーケティング調査や、女子中高生のリアルな視点で様々なクライアントにアドバイスなどを提供するビジネスを展開中。
「世界の10代を元気に」をコンセプトに掲げる彼女に、会社の運営方法や起業のきっかけ、2017年女子中高生のあいだで流行るアプリについて伺いました。
女子中高生目線のマーケティングを精力的に展開
――AMFの事業内容を教えてください。
「AMFでは、JCJK調査隊という女子高生、女子中学生のマーケティング集団を組織していて、企業の依頼で座談会をセッティングしたり、アンケート調査を行って、女子中高生目線でマーケティングサポートをしています。一例を挙げると、企業が提案したLINEスタンプのコンサルティングを行ったり、カラオケ店の内装やフードをプロデュースしたりとかですね。今年の2月で、創業して5期目になります」
――起業時の資本金はどうやって調達したんですか?
社名である「AMF」は、Appreciation「感謝」、Modesty「謙虚」、Full-power「全力」の頭文字から。椎木家の家訓だそう
「自分の貯金と、父親から借りたお金で45万円を準備して会社を興しました。お金は2015年に完済して、去年の2月に資本金を1,000万円に増資しました。今は私のほかに社員が1人、大学生のインターンが3〜4人いて、その下にJCJK調査隊のメンバーが100人ほど在籍しています」
――JCJK調査隊のメンバーはどうやって集めているんですか?
「Twitterに募集要項を記載したページのリンクを張って募集をかけています。メンバーは東京・大阪が中心で、次いで静岡が多いですね。でも、北海道から沖縄まで全国に散らばっています。調査隊内は広報部、企画部、リサーチ部など、それぞれ部門に分かれていて、仕事を振り分けたり、『JK女子会』を定期的に開いて企画を考えてもらったりと、ちょっとしたインターンみたいな立場で活動してもらっています」
――なぜマーケティング会社をはじめようと思ったんですか?
「私が会社を始めて初の打ち合わせのとき、クライアントから『女子高生の立場からみてどう思う?』って女子高生の視点を聞かれたんです。それまで、女子高生の価値について自分自身、考えたことがなくて。でも、大人にとってはそれがすごく価値のあるものなんだって気付いて、『よし、これを事業化しよう』と。単純に、女子高生が好きっていうのもあるんですけど。・・・・・・あれ、ちょっと変な意味に聞こえますね(笑)」
――(笑)。マーケティング以外にやっていることはありますか?
「今の時点ではまだ発表できないことも多いのですが、諸々進行中です。私は夢がたくさんあってそれを叶えるために起業したので、今は様々なプロジェクトに集中したいと思っています」
自分のことより、会社を優先するようにした。
――事業をひとつに絞るのは違うと?
「そうですね。中1のとき、将来やりたいことを数えたら、映画監督、脚本家、アイドルプロデューサー、アプリ開発とか、13個くらいあったんですよ。たくさんあるけど、どれも諦めたくないから父親に相談したら、『起業すれば全部できるよ』って言われて、それから漠然と起業に憧れを持つようになりました。ただ、その時点では大人になってからでいいやと思っていて、中3までなにごともなく学生生活を送っていました。でもある日、前に付き合っていた人の友達に逆恨みされて、Facebookで私のウォールを荒らされて。かなり悔しくて、自分がやりたかった起業をして見返してやるぞって思ったんです(笑)」
――それで本当に起業してしまうのがすごいですね。なぜ悪口を書かれちゃったんですか?
「私、小学校の時は"陰キャラ"だったんです。人と遊ぶより読書を優先するような、全然目立たない子で。高学年になってファッション雑誌を読み出して、徐々に活発になるうちに、『中学生になったら絶対モテたい!』って強く思うようになって(笑)。で、モテるためには、ヒエラルキーのトップにいかなきゃダメだと思って、小6の春休みに目立つ方法を調べました。ネットで『オーラ』『出し方』って調べたら、『自信をつけると出るようになる』って書いてあったから、その後、『自信』『つけ方』って調べたり。
その努力の甲斐あって、中学校ではめっちゃモテました(笑)。でも、いわゆる中学生の恋愛なので、LINEでやりとりするのが精一杯。デートに行っても、せいぜい映画を観てカフェに行くくらいで、手もつながないんです。そんな感じだから、私も真剣になりようがなくて、すぐ別れて付き合ってを繰り返していました。でも、中学生って正義感のかたまりみたいな時期なので、そんな私に対して元彼の友達はもの申したくなっちゃったんでしょうね」
2017年、このアプリが来る!?
――椎木さんご自身はどんなアプリをよく使いますか?
「『Twitter』、『Instagram』、『Snapchat』、『RETRIP』かな・・・・・・。『Snapchat』は昨年から女子中高生に爆発的に流行っている写真共有アプリです。アップした写真がしばらく経つと消えてしまうんですよ。みんなに自分の日常を見せたいけど、記録としては残したくないときに使いますね。『RETRIP』は旅行キュレーションメディアです。旅行好きなので、これを見て次に行きたいところを妄想しています。あと、毎日20分は『Netflix』で動画を観ながら耳かきをしています。これは毎日のルーティンなので、絶対譲れない時間です(笑)」
――2017年に女子中高生に流行りそうなアプリを教えてください。
「『SHOWROOM』、『minimo』、『メチャカリ』、『C CHANNEL』は来ると思います。『SHOWROOM』は、一般人からアイドルまで、色んな人が生配信できる投げ銭システムのアプリです。視聴者はアバターになりきって、配信者にアイテム=お金を投げられます。課金数が多い人ほど認知されるので、アイドルファンにとっては嬉しいサービスです。
『minimo』は、サロンアプリです。ヘアサロンやネイルサロンが登録していて、利用者は格安でネイルやカットを体験できます。お金がない女子中高生の救世主ですね。
『メチャカリ』は、月会費を払って服をレンタルできるアプリです。これも同様に、おしゃれしたいけどお金がない女子中高生は嬉しいアプリかと。
『C CHANNEL』は、メイクやヘアアレンジなどの動画が見られる動画メディアです」
――ところで、今の10代ってTwitterとInstagram、どちらを利用することが多いんですか?
「圧倒的にInstagramですね。しかもアカウントを2つ持っている子が多いです。1つは、めっちゃ楽しそうな写真とか可愛く撮れた写真ばかりアップする公開型のアカウント。もう1つは、フォロワーは友達のみで、日常の写真をアップするアルバム代わりの裏アカウントです。この前、『Twitterダウンロードしたことないんです』っていう女子高生に出会いました。『新時代きてるな』って思いましたね」
自分が発信し続けることで、起業家を目指す若者を増やしたい
――女子高生の流行のサイクルってものすごく早いですね。
「そうですね。2週間くらいで移り変わっちゃいます。それに、流行に対して大人が介入してくるともうダメなんです。終わったな〜と感じます。だから、本当に流行に乗った商品やイベントを打ち出したいなら、女子中高生のことを頻繁に調査するべきですね。なかなか、そこの重要性が分かっていない会社も多いんですけど・・・・・・」
――椎木さんは今年20歳になるそうですね。
「はい。今年は勝負の年になります。AMFは、2020年に上場するという目標を立てているので、10代のうちに色々進めておきたいんです」
――2020年が区切りなんですか?
「今まで最年少で上場した起業家の方が25歳なんです。だから、それを更新したくて。別に23歳でも、24歳でもいいじゃんと思われそうですが、2020年は、オリンピックイヤー。大幅に記録を女性が塗り替えるという舞台にぴったりの1年ですよね。
私が起業するとき、ロールモデルとなる方がいなかったんです。今の中高生だって、将来起業して会社を経営するなんて考えはほとんどないと思います。だから、私の成功した姿を見てもらって、若い子たち、特に女の子が起業しようと思うきっかけになれたら最高ですね」
――10年後、椎木さんはなにをしていると思いますか?
「全然わからないです。もしかしたら、自分より若くて有能な人材がいたら、その人に会社を譲って隠居してたりして(笑)。でも、そんな風に私より下の世代が活躍する未来になることを願ってます!」
「とにかく10代を元気づけたい!」という椎木さん。芯の通った話し方には、後輩の未来を背負って立つというガッツを感じました。2020年に向けてどんな面白いことを見せてくれるのか、今から楽しみでなりません!
文:服部桃子(アート・サプライ)
撮影:森カズシゲ
椎木里佳(しいきりか)
1997年、東京都千代田区生まれ。
中学3年時に株式会社AMFを創業。現在、慶應義塾大学文学部在学。総勢100名の女子中高生で組成される「JCJK調査隊」を率い、ナショナルクライアントなどに10代のマーケティング調査、アドバイスを提供。起業家としてだけでなく、若者代表としてもメディア出演多数。2015年 株式会社TOKYO GIRLS COLLECTION、タグピク株式会社の顧問就任。