2017/05/12
マストドンって、なんでこんなに話題になっているの?
Twitter、Facebookなど代表的なSNSをはじめ、Instagram、Myspace、Snapchat、Whisper・・・・・・これまで沢山のSNSが生まれました。そうしたSNS乱立の状況において、新星のごとく現れ、注目されているのが「Mastodon(マストドン)」。グーグルトレンドにおいても、一気に話題に上がっている状況です。
マストドンとは?
マストドンはTwitterのような短文投稿型のSNSのひとつ。SNSの多くは、ユーザーそれぞれが自分のタイムライン上に投稿し、知人や同じ趣味を持つ人を探してつながります。
管理者もテーマも異なる「インスタンス」と呼ばれる仮想サーバーが多数存在し、自分の参加したいテーマを選んでログインしたり、自分の好きなテーマでインスタンスを立てることができます。SNSとインターネット掲示板的な使いやすさを併せ持っているといえるでしょう。
マストドンとTwitterの違いは?
Twitterとの違いについて、簡単にまとめてみました。
①文字制限
Twitterの文字数制限は140文字。対するマストドンは500文字とやや長めです。専門性の高いインスタンスの場合、長文投稿できるのは嬉しいですよね。
②サーバー
Twitterは、公式サーバーのみ。一方、マストドンは「インスタンス」と呼ばれるサービス利用のための仮想サーバーがたくさんあり、構築に必要なソフトウェアは、オープンソース(一般の人にも理解しやすく自由に扱ってよいソースコード)が公開されているので、誰でも作成することができます。Twitterが中央集権型SNSと呼ばれるのに対し、マストドンが分散型SNSと呼ばれるのはこうした事情からです。
③タイムライン
マストドンには3つのタイムラインが存在します。Twitterと同じく、自分がフォローしているユーザーの投稿が流れていくのが「ホームタイムライン」。自分が登録しているインスタンスの全ユーザーの投稿が示される「ローカルタイムライン」。そしてさまざまなインスタンス上のタイムラインが流れる「連合タイムライン」。ページを再読込しなくても連続して投稿が流れていくのもマストドンの特徴です。
④閲覧注意ボタン
マストドンでは『CW(閲覧注意)』と『NSFW(職場での閲覧注意)』という、画像を隠すボタンが導入されており、投稿時に設定できます。
⑤キャラクター
Twitterにおけるキャラクターアイコンはおなじみ「ラリー・バード」と呼ばれる鳥ですが、マストドンは象のような動物です。マストドンは象やマンモスに近い動物で実際に存在し、約1万年前に絶滅したのだそう。キャラクターにちなんで「パオる(意味:マストドンをする)」や「JJ(意味:wwと同じ、笑いの意味を示すネットスラング。マストドンの鼻がモチーフ)」といった新語も生まれつつあるそうです。
⑥書き込みの名称
Twitterで書き込みを行うことを「ツイート」と呼びますが、マストドンでは「トゥート」と呼ばれています。また、Twitterにおける「リツイート」はマストドンでは「ブースト」と呼ばれます。
代表的なインスタンス
では、一体どんなインスタンスがあるのでしょうか。今回は登録ユーザー数の多い、代表的なインスタンスを3つ紹介します。
■mstdn.jp
こちらは「ぬるかる」さんという個人の方が運営・管理しているインスタンスで、登録ユーザー数は11万人超え(2017年5月11日現在)。マストドンを始めたいと思った人がまず登録することが多いのがこちらのインスタンス。登録人数が多いため、Twitterのようにテーマに縛られない"つぶやき"に近い投稿が多くみられます。ユーザー傾向もさまざまで、テーマに縛りがない分、誰でも気軽に参加できるのが特徴で、マストドンの雰囲気をつかむには適しています。
■pawoo.net
本インスタンスはpixiv(ピクシブ)というイラストコミュニケーションサービスを提供しているピクシブ株式会社が運営するもので、14万人を超えるユーザーが登録しています(2017年5月11日現在)。イラストレーターや漫画家、そのファンの人達がインスタンス内に集まっています。自分が描いた作品や興味があるモノへの情報交換などが、より近い距離で行われています。また、イラストや動画だけを表示できる「メディアタイムライン」という独自機能がある点も特徴的です。
■friend.nico
動画サービス「ニコニコ動画」を運営する株式会社ドワンゴが提供するniconico公式インスタンス。niconicoアカウントとの連携も可能で、有名な投稿者や生主(ユーザー生放送の配信者)との交流を楽しみに登録するファンも多いとのこと。マストドンの基本機能に加え、お気に入りを「ニコる」と称したり、ニコニコ動画形式の右から左にトゥートがリアルタイムでどんどん流れる「Nicommenton」など独自の機能も搭載しています。
趣味を通じた親密なコミュニケーションが魅力
知らない人と共通の趣味を通じてつながりやすいのがマストドンの面白いところです。『オタク女子向け』『奈良県民向け』『数学好き』『テーブルゲーム好き』など、さまざまなインスタンスが個人やサークル、企業などによって設立され、インスタンスごとに共通の趣味や興味がある人たちが集まります。
そのインスタンスはときに「村」に、ユーザーは「村民」にたとえられるほど、インスタンス内のユーザー同士の距離が近く、より親密な印象があります。もちろんほかの村へも気軽に行き来ができるので、興味に合わせてさまざまなコミュニティを掛け持ちして楽しむことができるというわけです。
まずは、自分が興味のあるインスタンスに登録し、同じ趣味の人たちと繋がるなかで、マストドンの楽しみ方を見つけてみませんか?
文:全然禅