2017/02/22
| 更新
2019/12/18
役所へ行かずに納税から子育て支援まで! マイナンバーのアプリ『マイナポータル』とは
2015年10月から通知が始まった「マイナンバー」。国民一人ひとりが持つ12桁の番号のことで、生まれてから死ぬまで、文字どおり一生付き合う番号だ。「行政の効率化」「国民の利便性の向上」「公平・公正な社会の実現」を掲げて始まったこの制度もようやく定着しつつあり、今ではマイナンバーカード(顔写真がついたICチップ入りのカード)を持っている人も多いだろう。
マイナンバーカードを持っていると、コンビニなどで住民票の写しや印鑑登録証明書を発行できたり、公的な身分証明書になったり、納税のオンライン手続きができるなど、さまざまなメリットがある。なかでも期待されているのが、マイナンバーカードでログインすると、オンラインでいろいろな行政サービスが受けられるようになる「マイナポータル」だ。
オンラインで行政サービスが受けられる「マイナポータル」とは?
マイナポータルはその名のとおり「マイナンバー」の「ポータルサイト」で、2017年1月からサービスを開始。2019年11月からはAndroid端末に加えてiPhoneでの利用も可能になり、サービス内容がかなり充実している。では、マイナポータルではどんなことができるのだろうか。
・保育園の入所申請なども自宅から24時間OK
まずは、「ぴったりサービス」。こちらは住んでいる地方自治体の行政サービスの検索やオンライン申請ができるというもの。質問に答えていくことで、自分が探しているサービスや手続きなどの情報が簡単かつ「ぴったり」見つけることができる。
たとえば、子育てに関する行政手続きがワンストップで行える。地域によって若干異なるが、認可保育園への入所申請、児童手当や児童扶養手当などの現況届もオンラインで24時間手続き可能。平日の日中は役所に行くことができない共働き家庭などにうれしいサービスだ。
子育て関連以外にも、スポーツイベントや講座への参加申込、図書館の図書購入依頼、職員採用試験の受験申し込みなど、実にさまざまなことがオンラインで利用できる。
・税金をオンライン決済できる
さらに、さまざまな行政機関が持つ個人情報を検索して確認することができる。確認できる情報は健康医療、子育て、福祉や介護、雇用、労働、年金、税、防災など多岐にわたる。ログアウトすると、閲覧情報が自動でスマホやパソコンのメモリなどから削除されるので、セキュリティも安心だ。また、自分の情報が、行政機関のあいだでどのようにやり取りされたのか、その履歴の確認もできるので、個人情報の使われ方もチェックできる。
各種行政機関から通知されるお知らせも、「マイナポータル」で一括して確認可能。たとえば、予防接種の受診時期だったり、地方税納付のお知らせについて通知が届くうえ、普段使っているメールアドレスを登録しておけば、そちらに転送もされるので大事な通知も見落としがなくなる。
ネットバンキングやクレジットカードで税金の支払いができるなど、オンラインで公的決済サービスを利用できるのもうれしい。また、国税に関する申告や納税などを行えるオンラインサービス「e-Tax」の利用もマイナポータルからログインしてできるので、税の申告から納税までがマイナポータルで完結することになる。
ほかにも、下図の一覧にあるような、さまざまなサービスが利用可能だ。
AndroidでもiPhoneでも利用可能
マイナポータルへのアクセス方法だが、パソコンを利用する場合は、マイナンバーカードに加えてICカードリーダーが必須となる。
そして、冒頭で紹介したようにスマホでもアクセス可能で、AndroidスマホとiPhoneの両方に対応している。動作環境だが、Androidスマホではマイナンバーカードを読み取るためのNFCを搭載していることが必須となり、iPhoneではiOS 13.1以上をインストールしたiPhone 7以降の端末に対応している。
スマホで利用するには、まずログインをして利用者登録をする。手順は簡単。AndroidスマホもiPhoneもほぼ同じだ。
①それぞれGoogle PlayかApp Storeで「マイナポータルAP」というアプリをインストールする。
②「マイナポータルAP」を起動し、「スマホでログイン」を選択、表示されたパスワード入力画面でマイナンバーカードに設定されているパスワードを入力する。
③マイナンバーカードの上にスマホを置き、「マイナンバーカードを読み取る」ボタンを押して、認証をする。
④アカウント情報登録画面でメールアドレスなど必要な情報を入力。確認後、「完了」ボタンを押す。
以上で、最初のログインは完了だ。次回からは「マイナポータルAP」を立ち上げ、パスワードを入力し、マイナンバーカードを読み取ることで、マイナポータルのさまざまなサービスをスマホから利用できるようになる。
なお、「マイナポータルAP」のメニューに「2次元バーコード読取」という2次元バーコードを使ってログインするためのボタンがあるが、こちらはパソコンが必要なログイン方法なので、パソコンを持っていない人には使えない。スマホでの操作の手順などは、マイナポータルのウェブサイトから確認できる。
また、「マイナポータル」にはLINE公式アカウントがあり、友だち登録後、LINEのメッセージのやり取りを通じて、マイナンバーや氏名などの個人情報を入力することなく、「ぴったりサービス」の検索に限って利用できる。電子申請にはもちろんマイナンバーカードが必要だが、こちらも新しい取り組みだ。
AndroidスマホとiPhoneで利用できるようになったことで、さらに便利になった「マイナポータル」。24時間、どこからでもスマホで行政手続きができるようになったのはうれしい人が多いだろう。今後もマイナンバーの導入によるさらなる利便性の向上に期待したい。
文:太田 穣