2016/10/14
史上最大のアップデート! 試してみたい『iOS 10』の新機能5選
「史上最大のアップデート」といわれるiOS 10。すでに使い始めている人も多いと思うが、一方で、その進化の全貌を知る人はまだ少ないかもしれない。今回は、どんなところが進化して便利至極になったのか、見ていこう。
①便利かつ情報満載になったロック画面
まず最初に誰もが気づくのが、これまではロック画面の下部を右にスワイプして認証画面に移ったのに、出現するのはウィジェット画面だということ。予定から天気、株価、ニュースなどの情報をロック画面で見ることができるのだ。ロックを解除するにはホームボタンを指で押し込むだけに変わった。
また、ロック画面を右にスワイプすると、こんどはカメラの撮影画面にあっという間に切り替わる。これでシャッターチャンスを逃すことはなくなるはず。加えて、iPhone 6s以降の機種では、iPhoneを持ち上げたり、傾けたりするだけでスリープが解除されるし、ロック画面の通知が3D Touchに対応したので、押し込むだけでメッセージの返信などのアクションに移動できるのでかなり便利だ。
②カメラ機能の大進化
■驚きの顔認識機能
カメラ機能も盛りだくさんの進化を遂げた。まず、顔認識機能が加わった。同じ人間の顔ごとに自動的に写真を整理してくれるのだ。この機能はピープルというもので、利用するにはまずアルバムからピープルを選択する。すると、あなたのカメラロールに保存されているすべての写真の解析が自動的に始まる(iOS10ではこれをスキャンと呼んでいる)。写真の枚数が多い場合はかなり時間がかかる。1万枚の写真を保存していた人でまる1日以上かかったというから、たくさん写真がある人は覚悟が必要だ。
このスキャンが終わると、ピープルのスペースにズラリといろんな顔写真が並ぶ。写真下に小さく表示される数字は、その顔の人物が写っている写真の枚数である。よく見ると、偶然写った赤の他人や、背後の広告ポスターのタレントの顔まで認識されているので、次の作業としては「お気に入り」の人物の選択をする。たとえば、恋人の顔をお気に入りに選択すれば、自動的に恋人が写っている写真のアルバムをつくってくれるというわけだ。もちろん、顔認識機能は100%正確ではないけれど、驚きの見分け具合で、これにはちょっと感動する。
■ビックリの検索機能と親切なメモリー
さらにビックリするのは、進化した検索機能。なんと、写っている対象がなんなのかも自動で認識してくれること。たとえば、「空」というキーワードで検索すると、空が映っている写真を自動的に集めてくれる。あるいは「犬」とキーワードを入れて検索すると犬が写っている写真を集めてくれるのだ。こうやって検索するたびに、その検索語でのカテゴリがつくられる。ただし、この認識機能、キーワードによってはうまく検索できなかったりと、まだまだ改善の余地はある。しかしSiri同様、AI技術を用いているというから、これからどんどん賢く正確になっていくのは間違いない。
写真機能のもうひとつの新機能がメモリーだ。これは撮影場所や撮影日時などから自動的に様々なアルバムをつくってくれる機能で、このアルバムをBGMつきのムービー(動きのあるスライドショー)として再生できる。BGMはプリセットのものだけでなく、マイミュージックから選ぶことができる。メモリーは自分の好みでカスタムバージョンもつくることができる。たとえば、ピープル機能で集めた恋人の写真を使ったメモリーをつくり、ふたりの思い出の曲がBGMに流れるムービーにし、それを共有して恋人に贈るなんていう高度なワザも可能なのだ。
③Appleミュージックで歌詞が出現
ミュージックアプリも便利になった。なによりも、Apple Musicを再生中に、曲の歌詞を表示できるのが嬉しい。スマホでカラオケ気分だ(ただし、歌詞が表示される曲とそうでない曲がある)。「見つける」からいろんな新譜やランキングを調べることができるのも楽しい。いずれにしても、Apple Musicとの統合がかなり進んでいるので、Apple Musicに加入しているユーザーの方が進化の恩恵をより大きく受けそうだ。
④表現力をド派手に増強したiMessage
その変わりざまのど派手さで話題なのがiMessageだ。進化ポイントをまとめると、まず、吹き出しの現れ方をいろんなアニメーションにできること。Goodサインや「笑」など、6種類のアイコンを選んで素早くリアクションできるTapback機能。また、手書き文字も、スケッチも、キスマークも送れるのだ。LINEのスタンプに似たステッカーなども登場。ほかにも新機能満載のiMessageなのだ。
⑤さらに使いやすく便利になったマップ
マップも格段に便利になった。経路の表示もすごくスピーディーだし、店やスポットの詳しい情報にマップ上でアクセスできるのが嬉しい。ただし、筆者が試した時点(2016年10月)では、公共交通機関を使った経路の表示にはまだ対応しておらず、サードパーティー製のアプリを呼び出すようになっていた。配車アプリにも未対応。ここらへんが対応完了すると、かなり無敵のマップアプリになるかも。
ほかにも、カメラが虫眼鏡のように使える「拡大鏡」機能や、ストップウォッチにアナログ表示のオプションがついたり、連絡先アプリにそれぞれの人物ごとにメールか電話かなどデフォルトの連絡方法が設定できたり、時計アプリにベッドタイムという名の起床時間と就寝時間を管理するオプションがついたりなど、とにかく、ここで紹介した以外にも大量の新規機能が追加されている。その全貌を、実際にiPhoneをいじって知るだけでも、まるまる1日が楽しくつぶれてしまうこと請け合いだ。
文:太田 穣