2016/10/07
いつの間にかチャリがここまでハイテク化! 『スマート自転車』
自転車でやりたかった「あんなこと」が実現する!
スマートフォンは言わずもがな、スマートウォッチにスマート冷蔵庫、最近じゃスマートシティなんて言葉も出てきた。周囲がどんどんスマート(=賢い)になってきている昨今だが、次にきたのはなんと「自転車」!!
自転車が生まれたとされるのは今からおよそ200年前のこと。最初は足蹴りで、ペダルすらなかったらしいが、前後2つの車輪で走る基本形は変わらない。その自転車のスマート化に熱心なのは、どうやら北米大陸やヨーロッパの人たちらしい。そういえば、テレビで見る彼の地の映像には、決まってクロスバイクを颯爽と乗りこなす市民が登場する。では、現代のテクノロジーはこの乗り物に、一体どんな魔法をかけたのだろう? 今回は注目の2つをご紹介しよう。
あなたを守るため、後ろに目がついた「Vanhawks」
カナダ発のスマート自転車は、カーボンファイバーのフレームに、ライトを内蔵したハンドルバー、洗練されたデザインが特徴だ。まあ、カッコイイ自転車は世の中にたくさんあるが、Vanhawksの真骨頂は、専用アプリをインストールしたiOSやAndroidのスマートフォンとBluetooth接続して発揮される。
App StoreとGoogle Playでダウンロードするできる専用アプリ「Valour Cmpanion App」は、ナビゲーション機能をはじめ、走行距離や時間、ルートを記録してくれるだけじゃない。万一、盗難にあっても自動的にネットワーク接続して位置情報をアプリに送信してくれるのだ。
ナビ機能を使うときは、スマートフォンの画面を注視する必要もない・・・・・・、否、自転車を運転しているときにスマートフォンを操作してはいけません! Vanhawksは目的地への経路をハンドルバーに備えたLEDライトで教えてくれる。曲がる方向に点滅してくれるのだ(Uターンだって教えてくれる!)。
さらにさらにスゴイのは、後部に設置したセンサーが後方から接近してくる存在(3mくらい)を検知すると、グリップが振動して危険を知らせてくれるのだ。自転車に乗り慣れていない人ほど、後方確認がおろそかだったり、後ろを見るのが難しかったりするので、この機能はぜひとも欲しいところだ。
これがVanhawksだ。なんともクールでスマートじゃないか!!
今乗っている自転車をスマート化できる「COBI」
自転車乗りは、自分の自転車をこよなく愛してやまない。いくらスマート化したって、愛車と離れるなんてゴメンだ! でも、やっぱりスマート自転車欲しいぞ! という人にピッタリなデバイスが「COBI」。ドイツ生まれのCOBIは、現在kickstarterで出資を募り、見事商品化に至った募集中のスマート自転車システム。普通の自転車にセットアップすれば、すぐにスマート自転車に生まれ変わる優れものだ。
システムの起点となるのは、ハンドルの真ん中に設置する専用アプリを入れたスマートフォン。スマートフォンが自転車のキー代わりになっていて、登録したスマートフォン以外ではCOBIを起動することはできない。iOS、Android、どちらにも対応している。
操作はハンドルバーの任意の場所に取り付けられるサムコントローラー。走行中だって、これなら片手運転にならない。スマートフォンの台座はライトと一体型になっていて、暗くなれば自動で点灯。テールライトは自転車の傾きをセンシングしているので、曲がる方向に点滅するし、ブレーキをかけたときには明るく光る(クルマやバイクのブレーキランプと同じ)。
盗難防止システムも充実している。アプリ上で機能オンにして自転車を離れたあと、自転車に不自然な振動が加わると警告音を発するのだ。振動を感知した時点であなたのスマートフォンにも通知されるので、大切な愛車にピンチが訪れたって、すぐに駆けつけられる。
ラスベガスで開催された昨年のCES(世界最大の家電見本市)では、VOLVOとエリクソンが共同で「The Connected Bicycle」という、ネットに接続できる自転車を発表していた。今後も自転車のスマート化は安全対策や盗難対策の面からもどんどん進んでくるはず。さて、あなたは完成形のVanhawks派? それとも愛車をスマート化するCOBI派?
文:吉田 努