2016/06/16
アメリカの若者のあいだで人気大沸騰! 最新SNS『Snapchat』ってなんだ
1日のアクティブユーザー数、なんと1億1,000万人!!
アメリカの若者たち、特にティーンエイジャーたちのあいだで爆発的に広まり、いまやInstagramを抜いてしまったといわれる新しいSNS、それが「Snapchat(スナップチャット)」だ。アメリカでのSNSについての市場調査よれば、2015年秋に「いちばん大事なSNS」としてティーンエイジャーが挙げたのがInstagramで33%の1位、Snapchatは19%で3位だった。ところが2016年春にはなんと! Instagramは27%で2位に転落、Snapchatが28%で1位となり、大逆転を果たしてしまったのだ。
(※アメリカの投資会社パイパー・ジャフレイが定期的に行っている調査による)
Snapchat社が発表した数字でも、この人気のすごさが裏付けられている。2015年12月時点での1日あたりのアクティブユーザー数は1億1,000万人。動画の再生回数は1日あたり100億回! 今はもっとすごい数字になっているのは間違いない。そんなふうにアメリカじゃえらいことになっているわけなんです。
投稿が自動的に消える!?
さて、では一体、SnapchatとはどんなSNSなのか。InstagramとLINEとMixChannelを足してひっくり返して面白くしたといえばよいのか、若者たちにとってはひと言で表現できない大きな魅力がある(らしい)のだが、一方でその魅力は大人には理解できないともいわれている。なぜか。それは、投稿した写真も動画も、それからチャットも、すべて消えてしまうからだ。Snapchatのロゴがゴースト(幽霊)なのは、そのためだ。
あとで詳しく紹介するが、Snapchatのアプリには写真や動画を加工するオリジナル機能がたくさん搭載されていて、これが最高に愉快で、Snapchatの大きな特徴でもあるのだが、つまり、Snapchatが「スナップ(写真・動画)」と「チャット」が合体した言葉であるように、写真や動画を友だち(Snapchatではフレンドと呼ぶ)同士送り合いながら会話をするのがSnapchatのメインの機能。
このYouTubeで公開されて500万回近く再生されている動画は、アメリカの2人の女子が、Snapchatをどういうふうに使っているか紹介したもの。英語が理解できなくても見るだけでSnapchatのなんたるかがわかるはず。
「今」がリアルに感じられるコミュニケーション
Instagramでは、投稿した写真や動画は自分が削除しない限り、誰でもいつまでも見ることができる。ほかのSNSもしかり。投稿したものが勝手に消えたら大問題だ。だが、Snapchatでは消えるのだ。たとえば写真を1枚、友だちに送るとしよう。Snapchatでは、その写真を見ることができる時間設定が1〜10秒の間で設定できるようになっているので、仮に8秒と設定して送ると、受け取った相手はその写真を8秒しか見られない。8秒たったら、消えてしまい、二度と見ることができないのだ。チャットの内容だって、10秒たったら自動的に消えてしまう。(個々の文章を記録する機能はある)
コミュニケーションの記録が残らないから、その分、リアルタイムでのやり取りが刺激的で楽しくなるし、「いいね!」も存在しないので、「いいね!」の数自慢をする人もいない。面白い写真を友だちに送って笑わせたり、ビックリさせたり、それをネタにチャットしたり。とにかく、すべてが消え去ることによって、「今」をリアルに感じるようになり、写真や動画を「作品や記念として残すもの」としてではなく、メッセージとして使うようになるのだ。そのコミュニケーションの道具に徹したコンセプトがアメリカの若者たちに大歓迎されたわけなのだ。
超愉快な画像・動画加工ツールが満載!!
さて、写真や動画を加工する機能だが、文字を入れたり、ステッカーと呼ばれるスタンプを入れたり、フィルターと呼ばれるさまざまな装飾ができるなど、簡単かつユニークな機能がSnapchatには満載だが、なによりもレンズという超愉快な機能が大評判だ。これは動画に面白エフェクトを簡単にほどこせるもので、たとえば、下の動画のような口から虹が流れ出るレンズは一世を風靡した。
現在、世界中で大ウケして人気急上昇中なのは、動画に映った2つの顔を入れ替えるというレンズだ。NEW VINESというニュースサイトがこのレンズを使った動画のコンピレーションをYouTubeで公開しているのでぜひ見て笑い転げてほしい。
日本ではまだまだユーザーが少ないSnapchat。アメリカのように若者たちの大きな支持を受けることができるかどうか、まずは注目だ。
文:太田 穣