2015/10/15
スマホの中の人工知能! 『パーソナルアシスタント機能』とは
30年前のビジョンが現実になった
まずはこの動画をご覧いただきたい。1987年にApple Computerが作ったコンセプトビデオ「Knowledge Navigator(ナレッジ・ナビゲーター)」。コンピューターがユーザー一人ひとりの個人秘書、つまりパーソナルアシスタントとして、あらゆるニーズに対応している未来が描かれている。そして、この28年前の未来予測が、今まさに現実になりつつあることに驚きはしないだろうか。
スマホやタブレットに搭載されているパーソナルアシスタント機能とは、ユーザーの音声を認識してあらゆるタスクをこなすこと。スケジュール管理、リマインダー登録、電話をかける、インターネット検索、現在地の天気や地図の表示などが音声で指示できてしまう。反応するのは、あらかじめ登録した音声のみ。まさに"個人秘書"といって差し支えないだろう。
パーソナルアシスタント機能の草分け的存在は、Appleが開発したSiri。ほかにもGoogleのGoogle NowやMicrosoftのCortana、AmazonのAlexaなど、人工知能を使ったパーソナルアシスタント機能のサービスリリースが相次いでいる。
初めてパーソナルアシスタント機能を使うなら、こんなことから始めてみよう
パーソナルアシスタント機能を使いたくても「音声入力するのはなかなか恥ずかしい」と思っている人もいるだろう。そこで入門編として最適な「便利な使い方」をいくつかご紹介しよう。
■料理をしているときにレシピを参照する
多くの人は料理をする際に両手を使うはず。仮に手が空いていたとしても、水で濡れているだろうし、肉を触った手でスマートフォンは触れないだろう。あらかじめ端末を設定しておけば、Siriでは「Hey, Siri!」、Google Nowでは「OK Google」と呼びかけるだけで、スリープ状態から端末が復帰して、レシピを検索してくれる。SiriはiOS 9以降、充電中でなくても「Hey, Siri!」で呼び出せるようになった。
■電気を消して布団をかぶった後にアラームを設定する
メガネを外した! コンタクトレンズを取った! さあ寝るぞ! そして、あなたはしばらくして、目覚ましのアラームをセットし忘れたことを思い出す。電気は消した。もうベッドに入って寝る準備は万端。今さら起きてメガネをかけるのは嫌だ......。そんなときこそ、大声で叫ぼう「Hey, Siri、6時間後に起こして」「OK Google、明日の朝7時に起こして」。まさにパーソナルアシスタント!
■人前なら、電話をかけているフリをしながら
街中でふとアイデアが浮かんだとき、パーソナルアシスタント機能は備忘録として役立つ。その際、Google Nowでは「○○さんに電話とメモ」と、最後に「メモ」を入れるとメモアプリと、Siriでは「○○さんに電話とリマインド」と、最後に「リマインド」を入れると「リマインダー」に、それぞれタスクを自動追加することができる。スマホに向かって話しかけるのが恥ずかしいという人には、電話で話しているフリをしながらがオススメ。......そのうち慣れちゃいます。
買い物やホテルの予約までできるようになる!?
そして、今、パーソナルアシスタント機能で話題となっているのが、Facebookが提供予定の「M」だ。こちらは音声認識ではなくテキスト入力がメイン。人工知能だけでなく「Mトレーナー」と呼ばれる専属スタッフも対応し、検索だけでなく、買い物やホテルの予約を完了するところまでサポートするという。一体、どこまで便利になるのやら......。
文:吉田 努