2015/08/21

『ビジュアルプログラミング言語』で、子どもたちもプログラマー

2012年から中学校の技術家庭科では「プログラムによる計測・制御」が必修となっており、小学校でも近いうちにプログラミングが必修科目になるのではと、いわれている。圧倒的に不足しているIT人材を育てようというわけだが、そんな時代を背景に、小学生向けのプログラミング教室が続々と誕生。教室の中には小学校1年生から受け入れているところもあるという。

それにしても、素人には訳のわからない数字と文字の行列にしか見えない複雑なプログラムを、小学生が作ることなどできるのだろうか。答えはもちろん「Yes」だ。その秘密は、ビジュアルプログラミング言語にある。

BasicやCといった通常のプログラミング言語は、アルファベットと数字によってコンピューターへの命令を記述するが、ビジュアルプログラミング言語では、いろいろな命令文が書かれたさまざまな図形を、まるでレゴブロックのようにつなぎ合わせたりして、視覚的にプログラミングすることができる。そのために、小学生でも直感的にプログラミングが可能なのだ。

ビジュアルプログラミング言語のなかで最も普及しているのが「Scratch(スクラッチ)」だ。これはMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボが開発したもの。

「Scratch」のプログラミング画面。猫のキャラクターを踊らせるプログラムを作っているところ。真ん中にあるブロック状の命令を、右側のスペースにドラッグ、レゴブロックのように組み立てることでプログラムが完成する

上画像の右画面を拡大

Scratch」はウェブアプリケーションなので、WEBサイトで登録すれば、誰でも簡単に無料で利用できる。WEBにはこの「Scratch」を使って作成した、世界中の子どもたち(大人もいるが)によるたくさんのプログラムが公開されている。もちろん、すべてのプログラムをWEB上で動かして楽しむことができるし、どんなプログラミングなのか中身をのぞき込むことが可能だ。

ビジュアルプログラミング言語には、このScratch以外にも多くのものが発表されているが、日本生まれの「VISCUIT(ビスケット)」も簡単に動く絵本が作れるなど、子どもたちには好評だ。

いずれにしても、ビジュアルプログラミング言語が何かをもっと知りたければ、「Scratch」や「VISCUIT」で実際に体験してみるのがいちばん。子どもでも楽しめるのだから、あなたにできないわけがない。

文:太田 穣