2019/05/28
通勤時などの「耳の空き時間」にスマホで本を聴こう! 『オーディオブック』のすすめ
「オーディオブック」をご存知だろうか。ひと言でいうと“聴く読書”で、ナレーターが書籍などを朗読した音声コンテンツのことだ。聴くだけで読書が楽しめるため、手のふさがる家事中や通勤時などに“ながら読書”を楽しめる。アメリカでは、音楽界のアカデミー賞と呼ばれるグラミー賞にも“オーディオブック部門“が設けられているほど一般に浸透しているコンテンツだ。
このオーディオブック、iPhoneの標準アプリである「ブック」でも利用でき、使い方を工夫すれば日常で意外と重宝する。この記事では、オーディオブックが日常で活躍する利用シーンや使い方、メリットなどを紹介する。
オーディオブックの特徴とメリット
オーディオブックの強みは、なんといっても「耳の空き時間」を有効活用できることだ。家事やPC作業など、多忙な現代人にとって目や手を動かしている時間は長いが、耳を使っていない場面は意外と多い。バックグラウンド再生にも対応しているので、スマホでなにか作業をしている時でも音声を流し続けることができる。
では、「オーディオブック」では一体どんなコンテンツが聴けるのだろうか? 書籍のジャンルはさまざまで、無料や有料のものもあり、小説からビジネス書、語学や資格の学習書まで揃っている。ナレーターについても、プロの声優や芸能人を起用した作品もある。
また、書籍にはないもうひとつの強みは、アプリによっては「倍速再生」が可能なことだ。慣れは必要だが、通常の読書よりも短時間で本を読破できる。当然ながら読書量も増えるので、スキルアップを目指すビジネスマンや、読みたい本が山積みになっている人にもおすすめだ。
注意点としては、オーディオブックは音声コンテンツなので、その文章を文字で「読む」ことができないこと。あくまでも音声のみのコンテンツなので、耳で内容を理解できるか不安な人はあらかじめ無料のサンプルを聴いてみよう。
オーディオブックはこんな人におすすめ
オーディオブックはこんな人におすすめだ。
■忙しくて読書の時間を確保できない人
多忙な毎日を送っていると、プライベートの時間はどんどん削られていく。本を読みたくてもなかなか時間を捻出できないこともある。オーディオブックなら仕事や家事と並行できるのはもちろんのこと、ちょっとしたスキマ時間にもサウンド感覚で読書を楽しめる。
■紙の本を読むのが苦手な人
電子化の進む現代では、紙の本に苦手意識のある人も増えているかもしれない。たとえば「本は重いから持ち歩きたくない」「そもそも活字だと集中できない」といったケースだ。スマホひとつで利用でき、文字を追う必要もないオーディオブックは、そんなお悩みの解決策になる。また、本は読みたくても加齢によって細かな文字を追うのがつらいという人もいるだろう。高齢の両親にすすめてみれば喜ばれるかもしれない。
■英語などのリスニング能力を高めたい人
オーディオブックは、語学の強い味方にもなってくれる。英会話用のコンテンツもあるが、それだけではなく、海外の書籍を購入することで、ネイティブな外国語をリスニングして語学力を高めるという方法もある。オーディオブックは海外で普及しているため、アメリカ英語やイギリス英語、オーストラリア英語、なかにはインド英語でナレーションしているものなど、コンテンツ探しには困らない。
オーディオブックの便利な活用例
オーディオブックに期待できる用途は幅広い。ここからは、オーディオブックの便利な活用例をシチュエーション別に紹介しよう。
■おやすみ前のリラックスタイム
1日の仕事を終え、ベッドで横になったリラックスタイム。読みたい本はあるけれど、疲労や眠気に妨害されて読み進められない夜もある。そんなときは、目を閉じて横になってからゆっくりオーディオブックを聞くのはいかがだろう。たとえば0.75倍速など朗読の速さを少し落とすと、優しく文章が耳に入ってくるので、無理にエネルギーを消耗せず、心身を労わりながら読書を楽しめる。
■料理や掃除などの家事
家事で忙しい人にも、オーディオブックは重宝する。家事と同時に読書もできれば、時間を有効に使うことができる。映像や活字と違って視線を家事に向けていられるので、手元も安心だ。
■ランニングやウォーキング、ジムでのエクササイズ
ひとりで体を動かすときに音楽を聴いている人は多いと思うが、これからはオーディオブックも選択肢に入れてみよう。本に集中している間に、ランニングやトレーニングもいつもより長く運動できるかもしれない。ビジネス書や自己啓発本をセレクトすれば、モチベーションも一段と上がりそうだ。
■通勤、通学中
通勤ラッシュの満員電車。せっかくの空き時間を読書に回したいと思っていても、あまりの混雑に本を開くスペースすらないこともある。そんなときにもイヤホンひとつで読書できるオーディオブックは活躍する。ストレスフルな満員電車を楽しい時間に変えてしまおう。資格や語学の勉強をしたい人は、この時間に耳で勉強するのも手かもしれない。
オーディオブックの使い方
ここからはオーディオブックの使用方法についての解説。iPhoneの標準アプリ「ブック」を例に使い方を紹介しよう。
まずは、iPhoneに最初からインストールされている「ブック」アプリを起動。もし削除してしまっている場合は、App Storeから「ブック」と検索して「Apple Books」というタイトルのアプリをインストールしよう。
ブックを開くと、最初に「今すぐ読む」というページが表示される。ここに「オーディオブックを探す」というボタンがあるのでタップしよう。「オーディオブック」のページにはおすすめやベストセラー、新刊や話題作などが大きく表示されている。下にスクロールしていくと、ランキングやジャンルから作品を選べるようになっている。ここから聴きたい作品を探していこう。
もし聴きたい特定の作品があるなら、画面下部のいちばん右「検索」から作品名や著者名を検索してみよう。オーディオブック用の作品がヒットすれば、下の「オーディオブック」のところに表示されるので選択する。
作品を選択すると、作品情報の画面が表示される。「プレビュー」をタップすると作品の一部を聴くことができる。有名な著書の場合、同じ作品でもさまざまなナレーターが読んでいる場合がある。自分の好みの声で読まれているものを選ぶといいだろう。また、「…」のボタンをタップして「ラブ」「好きじゃない」のいずれかを選択すると、ブックアプリが作品の好き嫌いを学習し、おすすめの作品に反映されていくので活用すると便利だ。
聴きたい作品が決まったら「購入」ボタンをタップして購入しよう。購入した作品は「ライブラリ」タブに表示されるので、いつでもここから再生することができる。画面下部の左側の表示で朗読の速度を0.75倍速・1倍速・1.25倍速・1.5倍速・2倍速と変更ができるので、聴きたいシチュエーションや好みによって調節するといいだろう。
また、画面下部の中央にある月のマークをタップすると、スリープタイマーを5分〜1時間のあいだで設定することができる。おやすみ前の利用に便利だ。
自分の生活スタイルとあわせて「聴く読書」を楽しもう
ほかにもAmazonの提供する「audible(オーディブル)」や、無料でオーディオブックが聴ける「HQオーディオブック」など、オーディオブックを利用できるアプリは多数ある。作品の数や傾向をみながら、自分に合ったサービスを選択しよう。
「聴く読書」というまったく新しいスタイルを開拓したオーディオブック。はじめは耳に集中しないと内容を理解できないかもしれないが、慣れたらマルチタスクをサポートする強力な武器になる。多忙で本を読めていない皆さんは、ぜひ利用してみてはいかがだろう。
文:佐藤宇紘