2015/09/01

【つながるひみつ】第2話 「災害発生! 出動せよ、車載型基地局!」

携帯電話やスマートフォンがつながるのはなぜなんだろう? 遠く離れたところにいる人の声がアッというまに届くしくみには、一体どんなひみつが隠されているんだろう?

第1回「"おめでとう!"が届くしくみ」では、大ちゃんが「電波」や「光信号」になって、日本中どこにいても通信がつながるひみつをさぐる冒険に出ました。

連載第2回目は、みんなが不安に感じる、「災害時」に通信がつながるしくみについて、探っていきます。



緊急事態発生! 近隣地域に台風が襲来です!
土砂崩れの影響で、近隣住民の人たちは携帯電話やスマホがつながらなくなってしまいました。家族や親戚、友達と早く連絡を取って、安心させたいのに......! こんなとき、いったいどんなふうにして通信環境の復旧作業は行われるのだろう。大ちゃんがKDDIの運用本部に駆け込んでみると......。

KDDI職員「台風の影響で土砂崩れが発生! 大ちゃん、出動だ!」
大ちゃん「ラジャ!......でも被災地にはどうやって向かうの?」



ふたりが乗り込んだのは「車載型基地局」と呼ばれるトラックでした。

KDDI職員「基地局が災害などで壊れてしまったり、機能しなくなってしまった場合は、この車載型基地局で現地に向かうんだ」
大ちゃん「うわー、上にパトカーみたいな赤いクルクルがついてる!」
KDDI職員「緊急車両だから赤色灯がついてるんだ。サイレンを鳴らして走ることもあるんだ。......さぁ、おしゃべりはここまでだ。安全運転で現場に急行するぞ!」



現場に到着したふたり。車載型基地局を停車させると、KDDI職員は屋根の上に長ーいアンテナを空に向けて伸ばしました。いよいよ通信を復旧させる作業の開始です。

KDDI職員「ここは光ケーブルが断線していないようだね。アンテナを高く立てて、車載型基地局から光ケーブルに接続しよう」
大ちゃん「すごく高いところまでアンテナを伸ばすんだね!」
KDDI職員「そうさ。高いところにアンテナを設置して、たくさんの人の通信電波を拾うんだよ」



次にふたりが向かったのは、大きな鉄塔の基地局です。

KDDI職員「フム。この地域はアンテナの鉄塔は無事だったけど、光ケーブルが断線しているね」
大ちゃん「ふぇぇ......。それじゃあ、復旧にすごく時間がかかりそうだね......」
KDDI職員「こういう場合は光ケーブルの代わりとなる『無線エントランス』という技術で、この基地局と被害を受けていない基地局とを無線でつなぐんだ。こうして鉄塔に登って......アンテナの向きを調整して、と......」
大ちゃん「ひゃー! アンテナのお兄さん、気をつけてー!」



KDDI職員「さて、次は少し大変だぞ」

そう言うとKDDI職員は、なんと小型のパラボラアンテナを背負って、山道を登り始めました。

KDDI職員「車載基地局も入れないような山道や、災害によって道路が寸断されてしまった地域には、こうしてパラボラアンテナやアンテナ、発電機を歩いて運ぶんだ」
大ちゃん「お、重そうだね......」
KDDI職員「重いぞ! でも災害で孤立してしまった地域の人たちが待ってるからね」
大ちゃん「大ちゃんも発電機を持つよ!」



被災して孤立した地域にふたりが一所懸命運んだパラボラアンテナ。ついに仮設基地局として設置することができました。

大ちゃん「仮設の基地局完成! ......ところでこのパラボラアンテナをつかって、どうやって通信するの?」
KDDI職員「通信衛星をつかうのさ!」
大ちゃん「通信衛星!? 宇宙規模!?」

そうです。仮設基地局として設置したパラボラアンテナは、空のその向こう、地上から約3万6,000kmに浮かぶ通信衛星に電波を飛ばします。電波はこの通信衛星を中継して、被災していない地上の基地局「地球局」に電波を届けるのです。



こうして被災した地域の人たちは、ケータイやスマホを自由に使えるようになりました。

大ちゃん「やったね、アンテナのお兄さん! みんなも大事な人と連絡が取れて、すごく喜んでいるよ」
KDDI職員「被災時に通信環境が機能しているということは、命にも関わる重要なこと。だから私たちにできることは、なんでもするんだよ」
大ちゃん「......ボクたちは普段、いつでも、どこでも、誰とでもスマホで話せるけど、なにか特別なことが起こったときにこそ、いつも通りに誰とでもつながるっていうことが大事なんだね!」
KDDI職員「そうだぞ、大ちゃん。さて、それじゃあこれから本格的な復旧作業を始めるぞ!」
大ちゃん「ラジャ!」

どうやら今回の大ちゃんは「つながるひみつ」がひとつ解けただけじゃなくて、もっと大事なことも勉強できたみたい。よかったね、大ちゃん!

次回、【つながるひみつ】第3話もお楽しみに!

文:T&S編集部
絵:沼田光太郎

※掲載されたKDDIの商品・サービスに関する情報は、掲載日現在のものです。商品・サービスの料金、サービスの内容・仕様などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

presented by KDDI