2015/08/31
【つながるひみつ】第1話 「“おめでとう!”が届くしくみ」
どこにいても、どんなときでも、携帯電話やスマートフォンがつながるのはなぜなんだろう? 遠く離れたところにいる人の声がアッというまに届くしくみには、一体どんなひみつが隠されているんだろう?
"声が届くひみつ"の答を探し出すための、大ちゃんの冒険が始まります。
ある日のこと。北海道にいる大ちゃんは、南の島に暮らすおじいちゃんに電話をかけました。「ハピバおじぃ! 北海道にいる大ちゃんだよ!」「なにどうしたの大ちゃん? 北海道とかマジウケるんだけど」。......そのとき、大ちゃんの頭にふと疑問が浮かびました。
遠く離れたおじいちゃんのスマホに、僕の声がアッというまに届くのはぜ? どんなしくみなの?
大ちゃんは自分の声を追跡して、そのひみつを探ってみることにしました。
大ちゃんの「声」は、まずスマホの中で電気のエネルギーの波――「電波」に変身して、大ちゃんのスマホからいちばん近い基地局を目指して飛び出していきました。
電波くん「ボクは電波くん! 大ちゃんの声がスマホの中で電気信号に変わったんだ。えーっと......いちばん近い基地局は、と......」
大ちゃん「電波くん、あそこにアンテナがあるよ!」
電波くん「OK! あそこまでひとっ飛びするよ!」
基地局に到着した電波くん。あれあれ? こんどは基地局の中で光の信号に姿を変えたみたい。光ケーブルの中をひた走って、次に目指すのは遠く離れた交換局だ。
大ちゃん「電波くんが今度は光くんに変身しちゃったよ」
光くん「おじいちゃんの耳に届くまでの旅のあいだ、ボクはほとんどが光信号になって光ケーブルの中を走るんだ。さぁ、次は交換局を目指すよ! 交換局は誰がどこにいるか知ってるんだ」
大ちゃん「ひゃ〜たまげたなぁ!」
こうしてたどりついた交換局。何台ものコンピュータは、みんなの携帯電話やスマホの居場所をいつだって知っている。日本にはいくつかの交換局があるんだ。
大ちゃん「こんにちは、大ちゃんと大ちゃんの声です。おじいちゃんはどこにいますか?」
交換局「ふむふむいつも元気な声の大ちゃんだね。おじいちゃんは今、南の島にいて、大ちゃんの声を心待ちにしているよ」
大ちゃん「ありがとう!」
おじいちゃんのスマホを目指して、大ちゃんと光の信号に姿を変えた大ちゃんの声は、日本中に張りめぐらされた巨大ネットワークの中を光の速さで突き進みます。
光くん「さぁ、おじいちゃんの場所もわかったことだし、光ケーブルの中を光の速さでかっ飛ばすよ! しっかりつかまっててね」
大ちゃん「ぐぎぎぎぎ......。光くんはいいけど、大ちゃんが光の速さになるということは、相対性理論によると質量が無限大になって......まいっか!」
南の島にいるおじいちゃんの元に向かうには、海の底をはう光ケーブルも通ります。
大ちゃん「地上だけでなく、海の中も光ケーブルは通ってるんだね!」
光くん「ケーブルがお魚さんやサメさんに噛まれたりしないように、きちんと海底をはうように設置されているんだ」
そして南の島へ上陸です。
おじいちゃんのスマホにいちばん近い基地局へ到着した大ちゃんと光くん。基地局から電波へ、スマホの中で声へと姿を再び戻し、ついにおじいちゃんの耳に飛び込んでいきます。
大ちゃん「おじい、大ちゃんと大ちゃんの声だよ! 誕生日おめでとう!」
おじいちゃん「大ちゃんの声と一緒に大ちゃんも来ちゃったの!? ウケる!」
無事、おじいちゃんに声を送り届けた大ちゃん。「声が届くひみつ」がようやくわかってきたみたい。大ちゃんからの声を受け取ったおじいちゃんの「ありがとう」は、再び日本中に張り巡らされた光ケーブルを通って、大ちゃんの元へと飛んで行きました。
こうして一瞬で声を届けるしくみが、日本中の人たちの心を幸せにするんだね!
次回、【つながるひみつ】第2話もお楽しみに!
文:T&S編集部
絵:沼田光太郎
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