2017/12/11
『INFOBAR×トランスフォーマー』フィギュア 発売記念にダンボールで再現した
さて、上の写真。変形はしないがただのトランスフォーマーではない。全身くまなくダンボール製なのである。
「あたらしい自由。au」の前でドーン! 身長は約110㎝となかなかのドデカサイズ。ダンボール製だと侮ってはいけない。なんという緻密なディテール! 動き出すんじゃないかっていうくらいのメカメカしさが見事に再現されているのである。
で、これは一体なにごとが起こっているのかというと……
左が今年2月、KDDIとタカラトミーのコラボレーションで企画され、クラウドファンディングで商品化された「INFOBAR OPTIMUS PRIME(NISHIKIGOI)」(インフォバー オプティマス プライム ニシキゴイ)。 クラウドファンディングでは3,000万円を超える支援をいただき、「ニシキゴイ」以外にも「BUMBLEBEE(ICHIMATSU)」(バンブルビー イチマツ)、「MEGATRON(BUILDING)」(メガトロン ビルディング)をリリース。その後、真っ白な「OPTIMUS PRIME(ANNIN)」(オプティマス プライム アンニン)も商品化された。
「TIME & SPACE」でもこれまで、その制作過程などを追ってきたが、クラウドファンディングでの購入を逃してしまった人たちからの熱いご要望をいただき、今回、「INFOBAR OPTIMUS PRIME(NISHIKIGOI)」(インフォバー オプティマス プライム ニシキゴイ)が、一部仕様を変更したバージョンで再登場することが決定 したのであります!
この事実をより多くの皆さんに知っていただくために、auショップに展示するビッグサイズのトランスフォーマーがほしいね! ……ということで白羽の矢が立ったのが、ダンボールを自在に操り、細部まで凝りに凝った模型を制作する、ダンボールアーティストの大野萌菜美さん。メディアでもたびたび話題になっているダンボール女子である。
手にしたミレニアム・ファルコンももちろん彼女によるダンボール製だ。ちなみに「TIME & SPACE」では「ネット系女子」としてご登場いただいてます。
大野さんにダンボール版INFOBAR OPTIMUS PRIMEを制作していただこう! ということで、さっそく大野さんの工房にお邪魔することになったのである。
そしてダンボール女子に依頼
「おぉ、すげえ!」。大野さんの工房に一歩足を踏み入れた我々がはからずも漏らした第一声である。ホラッ!!!! これ見て!
レッド キングにツインテールにカネゴン、ビスコにドイツ軍の戦車、カートに乗ったクッパに「ビスコ」まで……! もちろん全部ダンボール製である。シャープなフォルムはもちろん、怪獣のぬるっとした曲線も、全部、大野さんが手ずからダンボールを切って貼って制作しているのである。それもなんというか、ダンボールの質感を生かしつつ、緻密にモデルを再現している。すげえ!
こんなふうにINFOBAR OPTIMUS PRIMEもつくってほしいぜ!
INFOBAR OPTIMUS PRIME本体と、編集部からの思いの丈を綴ったお手紙を持参&依頼。
「ほほ〜、なるほどなるほど、こうなるわけですね」と、INFOBARからOPTIMUS PRIMEへの変形を試みる大野さん。ダンボール化する際に、どこにポイントを置いて、どんなかたちで作っていくかをぼんやりと考えているという。
依頼したINFOBAR OPTIMUS PRIMEは、完成すると体長110㎝。元になるモデルのおおよそ7/1。……1/7じゃないですよ。
「1m以上の作品は、以前、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てきたデロリアンを作りましたが、大きさでいうと今回のトランスフォーマーは最大ですね」と、文字どおり過去最大のプロジェクトにコーフンを隠せない大野さん。
「がんばって作りますね!」と快諾してもらったのであった。
2週間後、大野さんを再訪
次に大野さんを訪ねたのは、2週間後。なんとまあ、めちゃくちゃ集中して作っているのである。で、もうかなりあちこちのパーツができている。たとえば彼女の作業デスクの右手に無造作に置いてあるのもそう。どの部分かわかります?
おお、INFOBAR OPTIMUS PRIMEのふくらはぎだ! ポンと置いてあるこの状態からでも、INFOBAR特有のあのタイル状のキーの感じがよくわかる。すごいぞ、ダンボール女子!
「まずはここだな! と。“もともとINFOBARだったものがトランスフォームしてINFOBAR OPTIMUS PRIMEになった”というイメージをきちんと変形後にも表す最大のポイントになるので、ここからきちんと作るのが重要かなって思ったんです。ちなみに顔は最後の楽しみにとってあります(笑)」
A4のコピー用紙にランダムに、INFOBAR OPTIMUS PRIMEのあちこちのパーツが書かれている。モデルの実寸を図って拡大する比率を計算してメモしていく。いわば設計図だ。左下の紙の上の方にふくらはぎのパーツの図が見える。右の紙には胸部らしきメモ。A2サイズのダンボールにシャーペンでフリーハンドでパーツの形を描き、ザクザク切って木工用ボンドで接着するのだとか。
作業の様子を見せてもらった。
ちょうど作っていたのは足の甲、つま先の部分。
- ①ある程度できたパーツに切り抜くべき箇所をシャーペンで記し、デザインナイフで切っていく。
- ②切り抜いたつま先のくぼみに、長方形のダンボールの切れ端を接着。つま先のラインに沿ってカット。
- ③切り抜いた箇所が切りっぱなしにならないよう、“内壁”を作る。左上に処置の終わった左右の足の甲が。なお、工具類はありふれたものしか使わない。「劣化したりなくなったりした時にも、近所のコンビニとかですぐ買えるようなものばっかりです」。
- ④作業に集中し始めると、取材を忘れて没頭する。
顔以外ほぼ全身のパーツが揃っていたが、しかし大変なのはここからだという。
「パーツが全部できたら組み合わせるんですが、それだけではかっこいいポーズにはなりません。腕の曲がり具合とか足の開きとかを理想的な角度に固定するために、クサビみたいなパーツをかませるんです。そのポージングを決めるのに1〜2週間かかります」
こういった人型の作品はポージングこそキモ。各パーツを作るのと同じぐらいの時間をかけて、決めていくのである。
頑張ってください! と言い残し、我々は大野アトリエを後にした。そしてさらに2週間後……。
完成しましたっっっ!
と、大野さんから連絡。ダンボール版 INFOBAR OPTIMUS PRIMEが納品されるKDDI本社に急行すると、そこには大野さんと、ダンボール箱3つと押し入れ用衣装ケースが! でかっ!
それぞれの箱の上にはどのパーツが入っているか表示。台座・足・胸・両腕・頭の組み立て式になっている。
今後、いろいろなところで展示する際に誰でも組み立てられるよう、大野さんがレクチャーしてくれました。
ダンボール版INFOBAR OPTIMUS PRIMEが組み上がり! 所要時間は5分といったところ。子どもぐらいの身長があって、これはかなりインパクトがあります。
関わった者たち、ダンボール版INFOBAR OPTIMUS PRIMEを語り合う
お披露目会には、au デザインプロジェクトを立ち上げ、INFOBARを生み出したKDDI商品企画本部の砂原哲と、INFOBAR OPTIMUS PRIMEのデザインを担当したタカラトミーの大西裕弥さんも駆けつけた。
KDDI・砂原「「いや、これ、すごいですよ!」(KDDI・砂原)」
タカラトミー・大西さん「「そうですね、なによりまずポーズが棒立ちになってないところ」(タカラトミー・大西さん)」
大野さん「「そこはこだわりのポイントでした。棒立ちにならないように。脚の関節部分をやや前に倒して、肩の開き方の角度も考えました。正直、いちばん時間がかかったのは最後にポージングを決める部分です」(大野さん)」
KDDI・砂原「「関節のところとかわざわざ二重にちゃんとしてあるしね。これ、色つけてみたいなあ(笑)」(KDDI・砂原)」
大野さん「「足のキーパッドの文字盤を目立たせたかったので、そこに目が行くようにカメラのマークとか、ある程度省いた部分も実はあるんです」(大野さん)」
タカラトミー・大西さん「「なるほど、あえてそうしたんですね」(タカラトミー・大西さん)」
KDDI・砂原「「キーの数字と英字の差別化もだけど、このau by KDDIの“by”とか細かいですよねー。すごいすごいすごい(笑)」(KDDI・砂原)」
KDDI・砂原「「製作時間はどのくらいなんですか?」(KDDI・砂原)」
大野さん「「1日6〜7時間で、丸1カ月ぐらいかかりました」(大野さん)」
KDDI・砂原「「そりゃ大変だ(笑)」(KDDI・砂原)」
タカラトミー・大西さん「「大変だったところってあります?」(タカラトミー・大西さん)」
大野さん「「最初にパーツを全部作って、最後に組み合わせる作り方なので、そこで違和感が生じたりとか。胸より股関節が大きくなってしまったことがあって、全部作り直しました」(大野さん)」
タカラトミー・大西さん「「腕の中の見えないところも作り込んでるっていうのがすごいですよ」(タカラトミー・大西さん)」
KDDI・砂原「「金型の事情とかでデザイン要素ではないのに、たとえば腕の中なんかもちゃんとダンボールで再現してるのには驚きですよね」(KDDI・砂原)」
大野さん「「その部分がないと、パッと見たときに、それらしくなくなっちゃうんですよね。なので、できるだけ、ディテールは再現して“影”をつけられるところはつけようって意識しました」(大野さん)」
タカラトミー・大西さん「「僕が描いたスケッチをもとに作られたんですよね」(タカラトミー・大西さん)」
大野さん「「はい。フィギュアもすごくいいんですけど、もともとケータイであるというところに集約しなくてはいけないので、イラストを横に置いて“この形に”“このポーズに”って思いながら作りました」(大野さん)」
タカラトミー・大西さん「「今回のこのプロジェクトは、ティザーとかも含めて、世界観やブランディング訴求のためにあえてモノを使わずにスケッチで見せるということをしてきたんですね。その世界観も踏襲されていて、嬉しいです」(タカラトミー・大西さん)」
KDDI・砂原「「このトランスフォーマーはINFOBARから変形したものだから、この状態でどこまでINFOBARを感じられるのかっていうのがポイントなんですけど、そこもきちんと踏まえてあるところが素晴らしいと思いました」(KDDI・砂原)」
大野さん「「ホントありがとうございます。褒めていただくのがいちばんのモチベーションなので(笑)」(大野さん)」
INFOBARを作った人も、そのINFOBARからトランスフォーマーを作った人も、そのトランスフォーマーのダンボール版を作った人も、終始笑顔のお披露目会。すごいものを目の前にすると、不思議と子どもの顔になるみたいです。
INFOBAR OPTIMUS PRIME(NISHIKIGOI)はこちらで手に入ります
12月16日に発売されるのは、フィギュアの「INFOBAR OPTIMUS PRIME(NISHIKIGOI)」。ダンボールではなくプラスティック&金属製で、ダンボール色ではなくニシキゴイ色の、これのおおよそ1/7サイズのフィギュア。
2017年12月16日より、「INFOBAR OPTIMUS PRIME(NISHIKIGOI)」をau WALLET Market(auショップ/ウェブ)、au Online Shop、トランスフォーマー サイバトロンサテライト、タカラトミーモールにて数量限定で発売を開始します。発売に先駆け、au WALLET Market(auショップ/ウェブ)では12/11より先行予約スタート! 価格は3,800円(税別)。数量限定ですのでお見逃しなく。※今回の仕様変更版では、クラウドファンディング版に搭載のBluetoothによる着信お知らせ機能を除き、新たにオリジナルロゴ入りスマホスタンドを同梱しています。
文:TIME & SPACE編集部
写真:稲田平、TIME & SPACE編集部
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