2017/02/27
【INFOBAR復活!】初代から最新まで、歴代NISHIKIGOIモデルの系譜をたどる
「INFOBAR(インフォバー)」を覚えているだろうか? 時は2003年。携帯電話が大学生や高校生にも普及し始め、「写メ」や「着うた」など、今では懐かしい機能が実装されていくさなかにそれは登場した。
ミニマルなストレートボディに、ぷっくりとしたクリアのボタンが際立つデザイン。そしてなによりも「NISHIKIGOI」をはじめとした独特の配色。当時の携帯電話といえば、ボディカラーはシルバーか黒がほとんどのなか、INFOBARは多くの人にインパクトを与えた。
デザインを担当したのは、日本を代表するプロダクトデザイナー深澤直人さん。初代INFOBARはニューヨーク近代美術館(MoMA)にも収蔵され、日本が誇る名プロダクトとして認定されている。最終的に6世代ものシリーズを生み出された、auのケータイのなかでも特に人気のシリーズだ。
現在でも多くのファンを持つこのデザインケータイだが、今年、思いがけないかたちで「復活」を遂げることになった。「au×TRANSFORMERS」でのコラボレーションプロジェクトだ。そこで今回は、初代からのINFOBARを振り返りつつ、現在までの道のりをたどってみよう。
INFOBAR/2003年発売
記念すべき初代モデルがINFOBAR。2001-2002年に発表されたプロトタイプモデル「info.bar」がベースとなり開発された本モデルだが、実は初期のコンセプトモデルには、当時いちばん人気となったNISHIKIGOI(錦鯉)カラーのモデルは存在していなかった。
製品版において新たにパターン化されたカラーリングはカラフルでありながら美しくまとまっており、このケータイでしか見られない強い印象を残す。約15年前に作られた携帯電話といわれてもピンとこないほどシャープな造形は、深澤直人さんのデザインならではといえるだろう。
◇この年のニュース◇
写真提供:朝日新聞社
2003年は、六本木ヒルズ開業や「世界に一つだけの花」のリリースなど、今も記憶に残る出来事の多い年。書籍では、森山未來さんと長澤まさみさんのW主演で映画化した「世界の中心で、愛を叫ぶ」がベストセラーに。平井堅さんの「瞳をとじて」を聴くと、当時を思い出して甘酸っぱい気分になる人も多いのでは?
INFOBAR 2/2007年発売
初代モデルの登場から4年。初代INFOBARを手始めに「au design project」としてさまざまなデザインケータイがリリースされ、その流れで各社も個性的なデザインの携帯電話をリリース。そんな流れのなか、「元祖」デザインケータイのINFOBARが、メガピクセルカメラやおサイフケータイなど、当時最先端の機能を搭載したフラッグシップモデル「INFOBAR2」としてリブート。
2代目は、初代のスクエアなデザインとは異なるラウンドフォルムが特徴。初代のようにボタンのみではなく、筐体全体が角の取れた、やわらかいデザインとなっている。このデザインは「溶けた飴」をイメージしてデザインさられたとのこと。初代と比べると、進化というより"深化"したデザインといえる。
◇この年のニュース◇
写真提供:朝日新聞社
六本木の東京ミッドタウンが開業し、"電脳の歌姫"ボーカロイドの「初音ミク」が誕生したのが2007年。12月には携帯電話の契約数が1億台を突破し「携帯電話1人1台の時代」が到来。また、ビリーズブートキャンプのブームも思い出深いところ。クラスの片隅で隊長の真似をしていた友達もいたものです。
INFOBAR A01/2011年発売
初代の登場から8年。2代目モデルから3年半が経ち誕生したのが、3代目となるINFOBAR A01だ。2007年に初代iPhoneが登場してからスマートフォンの普及が始まり、それまで流通していた携帯電話は「ガラケー」なんて呼ばれるようにもなった時代でもある。
この流れに乗るようにINFOBARもスマホ仕様に。大型の画面を備え、独自OSだった初代、2代目とは異なり、本モデルからAndroid OSに変更。これによって、使いたい機能やアプリケーションを大きくカスタマイズできるようになったのが本作の特徴だ。
中村勇吾さんによるUI設計も印象的だ。全面液晶化によって12ボタンから3ボタンに変更され、ボディデザインは従来のスマートフォンと同一でありながら、デザインケータイとしてINFOBARの遺伝子を受け継ぐ、意欲的な作品だ。
◇この年のニュース◇
写真提供:朝日新聞社
今では欠かせないSNSツールとなったLINEの登場をはじめ、地デジへの移行や、ニンテンドー3DSの発売などが本年のビッグニュース。この年は、スティーブ・ジョブズの死去や東日本大震災など悲しいニュースが多かった年でもある。そうしたなか、募金運動やタイガーマスク運動など、人と人とのつながりを再認識した年でもあった。
INFOBAR C01/2012年発売
A01の発表から約半年。新たにリリースされたC01は、ある意味INFOBAR3とも呼べるデザインだ。バータイプでテンキー搭載と、原点回帰したことにより、スマートフォンと携帯電話の長所を併せ持つ特殊なカテゴライズ製品となった。ボタンなどのディテールはINFOBARに似ていて、全体の丸みやUIを見るとINFOBAR2と近い。画面サイズは、A01より少し小ぶりになったものの、片手でも手になじむ使いやすいスマートフォンとなっている。
シャープさに加えて、キュートさが際立つプロダクトで、手帳型ケースなどのアクセサリーも充実していた。(ちなみにNISHIKIGOIの限定カラーケースは赤色)
◇この年のニュース◇
写真提供:朝日新聞社
国内で複数のLCCが就航開始し、東京スカイツリーが開業したのが2012年。ロンドンオリンピックが開催され、吉田沙保里さんが国民栄誉賞を受賞したのも印象深い。
INFOBAR A02/2013年発売
そして前面から物理ボタンはなくなった――。初代からのINFOBARファンに驚きを与えたこちらのモデル。前面にあった物理ボタンは液晶ボタンとなって下部に配置。大きくなったガラス液晶とアルミフレームの質感がこれまでのINFOBARから大きく進化した点。
基調色となっていた水色や白は側面ボタンにのみ配色。全面液晶となり、デザイン上の制約を受けているものの、しっかりとINFOBARとわかるデザインはさすがのひと言。側面には、初代から継承されたINFOBARのフォントが刻まれている点も見落としてはいけません。
◇この年のニュース◇
写真提供:朝日新聞社
富士山が世界遺産になったのが、本年のビッグニュース。身近なコンビニコーヒーや、定番キャラクターとなった「ゆるキャラ」がブームになったのも2013年。イチロー選手が日米通算4,000本安打達成など、スポーツでの明るいニュースも多い年だった。
INFOBAR A03/2015年発売
INFOBARの最新モデルといえば、このA03。A01、A02と培ってきたスマホとしてのデザインをより洗練させた印象だ。材質もA02から採用されたシャープなアルミボディを継承。大きな変更点としては、A02で外された物理ボタンが本モデルで復活したところだ。各ボタンにもアルミカラーのパーツが用意されておりINFOBARの系譜を受け継ぐデザインになっている。
付属の充電ドックも独自デザインで、デザインプロジェクトらしいきめ細かな設計思想を随所に感じられるモデルだ(MEDIA SKINやX-RAYなどの横づけドックを思い出した人は私だけでないはず)。ホームボタンも中心に戻っており、ユーザビリティを意識したモデルとなっている。
◇この年のニュース◇
写真提供:朝日新聞社
「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で描かれたのがこの2015年という年。世界中で各種イベントや、再現したガジェットが数多くリリースされた。ラグビーワールドカップでは日本代表が歴史的勝利をあげ、五郎丸ブームに沸いた。また、渋谷区で同性パートナーシップ条例が施行されたり、芥川賞に「火花」が選ばれるなど、印象的な出来事も多かった年。
そして第7世代は・・・・・・トランスフォーマーに変形する初代INFOBAR!
2017年クラウドファンディングにて発売!
そして今年登場した"最新モデル"は、実はケータイでもスマホでもない。「au×TRANSFORMERS PROJECT」によって生まれたトランスフォーマーコラボモデルのフィギュアだ。見た目は忠実に再現された初代INFOBARからの完・全・変・形! OPTIMUS PRIME、BUMBLEBEE、そしてMEGATRONに変形する3体が制作される。
このモデルはクラウドファンディングでは、OPTIMUS PRIME1体か、BUMBLEBEEとMEGATRONを加えた3体セットのどちらかのコースを選択し、支援した方に届けられるというもの。
INFOBARとトランスフォーマーという息の長いプロダクトだからこそのプロジェクト。かつてINFOBARを使っていた人も、当時auユーザーではなくてあきらめていた人も、今なら懐かしのINFOBARが手に入るチャンスだ。
※クラウドファンディングは3月30日に終了いたしました
※2017年4月11日更新
文:宇佐美フィオナ/鈴木雅矩
写真:中田昌孝(STUH)
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