2015/08/07

【猛! 男子少年マンガ部!】男たち、完全に大人目線で『ドラえもん』を読み返してみる

てんとう虫コミックス6巻「さようならドラえもん」 てんとう虫コミックス6巻「さようならドラえもん」より。©藤子プロ・小学館

ここは新宿のある酒場。2階にある秘密の小部屋が彼らの部室だ。引き戸を少し開けば侃々諤々(かんかんがくがく)、テンションも音量も上がり気味のトークが溢れ出してくる。

TS 男子少年マンガ部の部室

「けんかなら、ドラえもんぬきでやろう」
「信じられないかもしれないけど。ぼく、のび太です」
「きっときっと、きみをしあわせにしてみせるからね!!」

"彼ら"とは――。TS 男子少年マンガ部である。メンバーは20代、30代、40代のT&S編集部員3人。2015年6月、突如編集部内に「少女マンガを読む」ために新設された男だけの部活。だが、事情によっては少年マンガも読むのである。今回はauのブックパスで配信される『ドラえもん』の名作・感動エピソードを語り倒す。しかし、幼い日、夢中になったあの物語を、あの頃と同じ読み方をすることはできない。男たちは今や日本経済の端っこの隅っこを担い、家族や年金制度を背負って、社会に生きているのだから! 今、読み返すのは"完全に大人目線で"、なのである。奇しくも、本記事公開の8月7日はのび太の誕生日......。

「さようなら、ドラえもん」(てんとう虫コミックス6巻より)

てんとう虫コミックス6巻「さようならドラえもん」 突然ドラえもんが未来に帰らねばならなくなる。しかも帰るのは翌朝。最後の夜を、町を散歩しながら語り明かすふたり。自分がいなくなったあとが心配だというドラえもんに、のび太はひとりでやれると約束。感極まったドラえもんが涙を見せまいと走り去った直後、のび太は、寝ぼけて町を歩くジャイアンにからまれる。いつものようにドラえもんに助けを求めそうになるも踏みとどまり、のび太はひとりでジャイアンに立ち向かうのであった――/てんとう虫コミックス6巻「さようならドラえもん」より。©藤子プロ・小学館

てんとう虫コミックス6巻「さようならドラえもん」 懇願するのび太に渾身の"しったことかアッパー"を食らわせる。のび太もドラえもんも友だちなのに、己のプライドと利益を優先するジャイアンのしたたかな一面が垣間見える/てんとう虫コミックス6巻「さようならドラえもん」より。©藤子プロ・小学館

30代N(以下30)「いやあ何度読んでも泣けるねえ」

40代T(以下40)「泣ける。障害として、のび太の前に立ちはだかるときのジャイアンってホント容赦ないね。読み返してびっくりしたけど、結局のび太を1時間フルボッコでしょ」

20代H(以下20)「"しったことか!"っていうセリフがずーっと脳裏に焼き付いてますもん」

30「クールだよね。のび太が"ドラえもんが安心して帰れない"ってある種、情に訴えかけてるのに、"none of my business"って」

40「もう、対峙してしまったのび太には絶望しかない」

20「その状況を、何とか勝ち抜くからこそ感動的なんですよね」

40「ものすごく泥臭くて捨て身の戦いが、おれたち日本人の心に染み入るのかもしれないね」

20「でも元を正せば、ドラえもんが前日まで何も言わなかったのが問題っていうか......。"異動"するなら事前に通達があってしかるべきじゃないですか?」

40「だね。そうすれば、回り回ってジャイアンもあんなふうに悪役にならずにすんだかもしれない」

30「どんな事情があるにせよ、情況に変化をもたらす可能性があるなら余裕を持って情報共有しておく必要がある

20「それで僕もよく叱られますもん(笑)」

40「20は笑ってる場合じゃないから(怒)。まぁ、状況さえ共有できていれば、代案にスイッチできるタイミングはいくらでもあるからね」

20「はいスイマセン......」

40「でもさ、実はドラえもんが契約しているのはのび太ではなくて、セワシじゃない?」

20「あぁ、そうですね。第1話で確か......」

てんとう虫コミックス1巻「未来の国からはるばると」より

のび太の子孫であるセワシはのび太のダメ人生のせいで、未来で負け組確定。それを防ぐため、少しでも人生をましにするため、のび太の失敗を未然に防ごうとセワシはドラえもんを現代に派遣したのだ/てんとう虫コミックス1巻「未来の国からはるばると」より。©藤子プロ・小学館

30「20世紀の野比家に出向してきた。のび太の孫のセワシの指示で、のび太の、ひいてはその先にあるセワシの人生を改善するために。ジャイ子と結婚して放っておいたら悲惨なことになるからね」

20「セワシのお年玉50円だし(笑)」

40「雇用か所有かはさておき、ドラえもんを戻すっていう辞令はセワシから来ているはずだから、そもそもセワシがのび太、あるいは野比家に、"今度、ドラえもんをこっちに戻すことにしたのであしからず"って連絡しておくべきでしょ」

30「なるほど、本人に本社復帰の内示が出ていても、出向先に公式に通達がない限り、個人判断でオープンにしていいかどうかっていう話だよね。セワシから正式に野比家に"ドラえもんを戻す"っていう通達がない限り、ドラえもんとしても、自分でその情報を開示していいのか迷ってたんじゃない?」

40「宮仕えのつらさだねえ。個人の思いが作用しない場所で決定がなされ、それによって人生が左右されることになるんだから、そこもまた今読むと切ないねえ」

30「泣いてドラえもんを止めようとするのび太を、やさしく説得するパパとママも非常にオトナの態度だよね」

20「しかしセワシはやっぱり未来人ですね。ドラえもんで散々のび太を支援してきたのに、急にそれを打ち切るっていうのは問題な気がしますけど」

30「まあそうだよね。セワシにも何らかの事情があるんだろうけど、きちんと野比家に通達しないから話がややこしくなる」

20「いや、通達云々の話じゃなくて、別にのび太が望んだわけでもないのに、言ってみれば一方的にドラえもんを置いて行ったわけでしょ? それを今度は自社都合で回収するって......これじゃあまるで銀行の中小企業への貸しはがしじゃないですか!」

40「おお、うまいこというね!」

30「でもさ、結果的にはそのセワシの行為がのび太をジャイアンにひとりで立ち向わせたことになるじゃない? あれで、のび太のセカンドキャリアが確立されたと言っていい......むしろそれがセワシの目的だったんじゃないかなぁ」

20「そこまでが計算ならすごいなあ。じゃあこれはどうですか? このシーン見てくださいよ。ジャイアンにボコられて、のび太死にかけてます。これはちょっとアブないですね。腕力でジャイアンにかなうわけがないんですから、もう少し戦略を考えてですね......」

30「(聞かずに、40に)でもびっくりしましたよ。こんなに感動的で濃密なエピソードがたった10ページなんですよ」

40「ホントホント。ほとんどケレン味がないシンプルな構成で」

30「でも泣けるんだよなあ」

「のび太の結婚前夜」(てんとう虫コミックス25巻より)

てんとう虫コミックス25巻「のび太の結婚前夜」より しずかちゃんと出木杉くんが『白雪姫』の劇の稽古をするのを見て嫉妬の炎を燃やすのび太。将来結婚することは決まっているはず。でも不安が止まないのび太は、未来の二人の結婚式をタイムマシンで見に行くことに。手違いで、到着したのは結婚式の前日。そこでのび太とドラえもんが見たのは、のび太との結婚を不安に思い、取りやめようとするしずかちゃんの姿だった――/てんとう虫コミックス25巻「のび太の結婚前夜」より。©藤子プロ・小学館

20「資料によると、のび太は24歳で結婚するんですよねー。しかも披露宴は『プリンスメロンホテル』ですよ。あの大手グループの! すっごい甲斐性じゃないですか」

30「自分で資金を出したとしたら大したもんだよな。だって大学出て2年後で、何百万かためてるってことだしな」

20「僕だったらレストランバーとかで会費制でやるな」

40「のび太って非常にオーセンティックな男だよね。しずかちゃんの要望かもしれないけど、会場はホテルだし、衣装はモーニングだし」

30「わりと頑固で融通が効かない(笑)」

20「古いタイプですよね。そう考えると、なんで出来杉くんを出し抜けたのかがわからないんですよねー」

40「それについては、20巻の『雪山のロマンス』というエピソードが決定的なんだけど......」

てんとう虫コミックス20巻「雪山のロマンス」より

しずかちゃんと結婚するという未来は知りつつ、なぜ自分が選ばれるのか不安を覚えるのび太。14年後、二人が結婚する少し前の未来をタイムテレビで見てみると、なんとしずかちゃんが雪山で遭難。タイムふろしきで14年分年を取り、タイムマシンで颯爽と救助に向かうのび太だったが....../てんとう虫コミックス20巻「雪山のロマンス」より。©藤子プロ・小学館

20「なるほど、後出しジャンケン的にしずかちゃんを助けに行って......」

40「そのあまりのダメっぷりに『あぶなくて見てられない』って、結婚を了承してくれる」

20「結婚するって決まってるのに、やっぱり不安なんですねえ」

30「だってのび太にはセールスポイントないんだもん。あやとりと拳銃の早撃ちぐらいでしょ?」

40「あと昼寝(笑)」

てんとう虫コミックス30巻「ねむりの天才のび太」より

そして昼寝は何の役にも立たない。このくだりは、もしもボックスで「ねむればねむるほどえらくなる世界」にした結果。ちなみにのび太が眠るのに要する時間は0.93秒/てんとう虫コミックス30巻「ねむりの天才のび太」より。©藤子プロ・小学館

30「出木杉くんは勉強もスポーツもできるしルックスもいいし、コミュニケーション力にも長けてる」

40「でも普段、しずかちゃんと一緒にいる機会はのび太のほうが多いでしょ?」

30「それが実はそうでもなくて。ことあるごとにのび太ってしずかちゃんに営業かけるでしょ? そしたら 『今、出木杉さんが来てるのよ』ってケースが意外と少なくない」

20「そうなんですか!」

40「そういえばそうか。ジャイアン、スネ夫込みでしずかちゃんと一緒にいることは多いけど、出木杉っていつも単独行動だな」

30「群れないカッコよさがある。ますますのび太、不利(笑)」

20「でも"結婚する"っていう未来は決まってるわけでしょ。だったら座して待つ、でいいのに」

てんとう虫コミックス20巻「超大作特撮映画『宇宙大魔神』」より

みんなで自主映画をつくるというエピソード。自らの脚本で、メカニックデザインも完璧なのだ。こうしたアート/カルチャー系のジャンルまで押さえる男、出木杉。まさに死角なし! /てんとう虫コミックス20巻「超大作特撮映画『宇宙大魔神』」より。©藤子プロ・小学館

40「『のび太の結婚前夜』ってこういう話だよね。"ぜひこのプロジェクトはおたくと!"って言ってくれてるはずのクライアント担当者が、優秀な競合相手と飲んでるところをたまたま見つけちゃった。ウチにはあんまりセールスポイントはない。どう見ても他社はすべてにおいてウチを上回ってる」

20「ちくしょう! "ぜひ、おたくと!"って言ったくせに!」

40「だろ?(笑)」

30「そこで疑心暗鬼になって、先方の意志決定者に直接聞きに行く。あるいは何らかの手段でそこから情報を得ることができると」

40「情報によると先様はウチとやってくれると言ってる。でもウチはなぜ選ばれたのかに自信が持てない。堂々巡り(笑)」

30「そこで先方の社長の決定的な言葉。 御社は"人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる"企業だと(笑)。この鶴のひと声で商談成立。......のび太、先方の社長にめちゃめちゃ買われてる(笑)」

20「作中ではしずかちゃんのお父さんからの援護射撃でしたけどね。なぜなのか? これがのび太の人間力なのかなあ」

40「かもしれない。よくよく考えてみると、しずかちゃん宅に行く時にはのび太も単独行動なんだよね。結構、行動力あるよ、彼」

30「"大長編"では必ずしずかちゃんたちと冒険に出てるしね。やっぱりなんだかんだ言って接触の機会が多い。出木杉くんがどういうスタンスで営業しているのかはわからないけど、彼はできる男だから、効率だけ重視しちゃったんじゃないかな」

40「そこでのび太の"泥臭さ"と差がついた、この件では、のび太は結果的にいい仕事をしたってことか......」

「おばあちゃんのおもいで」(てんとう虫コミックス4巻より)

てんとう虫コミックス4巻「おばあちゃんのおもいで」より 物置きで古いクマのぬいぐるみを見つけ、幼稚園の頃に亡くなったおばあちゃんを思い出す。のび太は「決して声をかけない」と約束し、ドラえもんと共にタイムマシンでおばあちゃんに会いに行く。しかし幼い自分に見つかり、幼いジャイアンとスネ夫を泣かし、若いママに怪しまれた挙句、ついに....../てんとう虫コミックス4巻「おばあちゃんのおもいで」より。©藤子プロ・小学館

20「コミックスだと、このエピソードってまだ4巻なんですね!」

30「アニメ版ではすごい感動のエピソードだけど、原作では案外さらっと描かれてる」

40「たとえば青年誌とかで、高校生が主人公のマンガを読んだりすると、えらい胸キュンに襲われたりするじゃない? あんな青臭い、浅はかな時代もあったなあって。このエピソードって、それと同じ思いを小学生に抱かせてそうな気がする」

30「小学生ののび太による、幼児時代の振り返りだからね。小学生ののび太は、亡くなってしまったおばあちゃんを懐かしんで、愛おしむ気持ちで会いに行ってるのに、普通に一緒に暮らしてる幼児・のび太にはそのありがたみがわからないという」

40「異文化が交流すると価値観の違いでこういう現象たまに起きるけど、これは自分と自分の話だもんな」

てんとう虫コミックス4巻「おばあちゃんのおもいで」より

秋口に花火がほしいとねだるのび太のために町中を探しまわったおばあちゃんに、この悪態。小学生以上の全人類が幼い日の自分を振り返らざるをえない見事なシーン。しかし、幼児のび太のにくたらしいこと! /てんとう虫コミックス4巻「おばあちゃんのおもいで」より。©藤子プロ・小学館

30「秋なのにおばあちゃんに花火買ってこいとか言って、売ってなかったら罵倒する。毎日一緒に暮らしてる幼児にはフツーのことかもしれないけどね」

20「大人になって読み返してみても、幼児・のび太は憎たらしいなあ」

30「まあ子どもってこんなもんだよ」

40「うん、子どもってこんなもんだね(笑)」

20「なんすかその妻子持ちユナイテッド」

30「これ、結局、おばあちゃんに自分がのび太だって告白するじゃない。コンプライアンス的に問題じゃないのかな? 事前の取り決めでは、決しておばあちゃんには声をかけないっていうことだったのに、それを破るどころか、個人情報まで開示して......」

40「過去の時代の人にタイムマシンの存在を明らかにすることは、守秘義務違反ととられてもしょうがないね。もしかしたら企業コンプライアンスの枠を超えて、ドラえもんの時代においてはタイムトラベルにまつわる法に抵触するかもしれない」

てんとう虫コミックス4巻「未来世界の怪人」より

タイムパトロールは、背後から問答無用で撃つのである。これは、未来の世界から現代にやってきてジャイアンにいろんな秘密道具を与えていた男の末路。過去に干渉するという意味では、「おばあちゃんのおもいで」ののび太も同じかもしれない/てんとう虫コミックス4巻「未来世界の怪人」より。©藤子プロ・小学館

20「でもそれで結局おばあちゃんは幸せになってるんですよねえ。実際には見ることのなかった小学生ののび太が見られて」

40「むずかしいところだよね。そもそも今回、業務としてはおばあちゃんの希望を叶えるわけではないから。ひらたくいうと、"おばあちゃんの観察"じゃん。その対象に干渉していいのか......と考えると、別の問題が出てくるよね。たとえば野生のジャイアントパンダのドキュメンタリーを撮影に行った時、大型肉食獣が彼らを襲ったとして、それを撮影者は止めていいのか、みたいな」

30「職業倫理に照らし合わせれば、決して止めるべきではないとも考えられる。でも人として、救える命ならば何とかしたい。じゃあ、そこで餌にありつけない大型肉食獣をどう考える......」

40「ホントむずかしい」

20「んー、そうですかねー?」

40「ん?」

20「もっとシンプルに考えればいいんじゃないですか。その時に何ができるか、ということですよ。のび太は結局現代に戻ってランドセル背負ってもう1回おばあちゃんの前に姿を現しますよね。で、おばあちゃんは"小学生ののび太が見られた"って喜んだ。それでいいと思うんですよ」

30「原作は意外にコミカルなエピソードで、最後はおばあちゃんが"のび太のお嫁さんも見たい"って言って、また現代に戻って、今度はしずかちゃんに"今すぐ結婚して"って懇願するというオチ」

20「でしょ? それは"やろうとしてもできないこと"なんですよ。だからできなかった。でもやろうとした。できたらやるし、できなかったらやらない。それでいいんじゃないかと」

40「なるほどなあ......ちょっとわかってきた。のび太は今回、そもそもの取り決めを破ったけれど、そのおかげでおばあちゃんが幸せになるという結果に結びついた。何もせずコンプライアンスを遵守していれば、特に何も起きないまま帰ってきて終わり。ときにルールを破る勇気を持つことで、それが予測不可能なレボリューションに通じると」

20「まあのび太の場合は、勇気というか、常にそうしちゃうだけなんでしょうけどね」

30「でもそういうヤツがいないと停滞した状況をブレイクスルーすることはできないっていうからね。たぶん、そこがのび太の強みなんじゃない?」

40「もしこれが出来杉くんなら、我を忘れておばあちゃんに声をかけたりしないよね」

30「そこのところは言い切れないかもしれないけど、出木杉はデキる男だから、要領の悪いことは確かにしないような気はする」

20「余計なことをしないからリスクはないけど、おばあちゃんを幸せにすることはできなかったかもしれないですよね............たぶん、そこが出木杉になくてのび太にある部分じゃないすか? だから取引先の社長......じゃなくてしずかちゃんのお父さんも、そういうところに気づいていて、あの発言につながったんじゃないでしょうか」

40「かもしれないなあ。ただ今回は上手くいったからいいけど、そういう感情に任せたスタンドプレーは絶対リスクを伴うんだよなぁ」

30「だからいい結果をもたらすこともあるけれど、必ずしも推奨はしない、と」

20「発言が大人ですねえ、やっぱり(笑)」

30「出来杉タイプだからね、オレ......」

40/20「いや全然違うよ」


つづく!

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編集協力:auスマートパス 文:武田篤典

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