2017/05/09

AIが運命の人をオススメ! リアルな生活の偶然をきっかけにしたマッチングアプリ

スマートフォンを利用して、ある特定の目的のために他人同士を引き合わせる「マッチングアプリ」。今回紹介するマッチングアプリ「Happn」は恋愛に特化したマッチングアプリだが、その機能にAIを搭載予定ということで話題になっている。

GPSがまずあなたにピッタリな人を選定?

あなたがパートナーを探す時、重要視することはなんだろう。外見、性格、価値観、趣味など、さまざまな視点があるが、重要なのに見落としがちなのが「ロケーション」だ。生活圏が同じであれば、一緒に過ごす時間も長くなり、より相手のことをよく知ることができる。

スタートから3年で2,500万人の利用者を獲得したフランス生まれのマッチングアプリ「Happn」(Android、iOS)は、GPSのロケーション情報をマッチングに使っている。アプリの利用者が別の利用者と接近すると、タイムラインにその人のプロフィールが表示されるという仕組みだ。

たとえばランチの時間にオフィスから出たり、帰宅途中や休日に出歩いたりしたときにHappnを見たら、すれ違った相手のプロフィールがわかる。そのプロフィールには、自分とすれ違った回数が表示され、最後にすれ違った時間とおおまかな場所を知ることができる。すれ違った回数が多いということは、生活のなかで地理的な接点が多いということになる。

写真提供:HAPPN

気に入った相手がいたら、こっそりハートのボタンを押して「いいね」の気持ちを保存しておく。相手の方でも「いいね」してくれるまで、自分の「いいね」は相手に伝わらない。お互い同士が気に入ったら「クラッシュ! お互いに気になっているようです」というメッセージが表示されて、晴れてマッチングというわけだ。

もっと積極的に使うには、「チャーム」(英語のcharmには、「魅力」のほかに「魔法の呪文」という意味もある)を送る。相手が「チャーム」を受け入れると、LINEやFacebook Messengerのようにテキストで会話を始めることができる。

AIが運命の相手を特定する機能を実装!?

写真提供:HAPPN

Happnはより良いマッチングを提供するために、同じ場所ですれ違った人が複数いる場合、表示する順番を決めるAIを開発中だ。一般的なマッチングアプリは、プロフィールなどで登録しておいた趣味などをマッチング情報に使うが、「よく行く場所」や「ウェブの閲覧履歴」などの行動履歴も利用することで、よりマッチングしやすい相手をアプリが上位にレコメンドしてくれるようになる。

今回紹介したHappnは、広告に反応してクリックしたかを調べているネット広告と同じように、HappnのAIがお勧めした相手をHappn利用者が実際に選んだかどうかわかるので、おすすめの正確性は時間の経過、利用者の増加に伴って上がってくる。「リアルな生活の偶然をきっかけにしよう」が謳い文句のHappnが、AIの力で運命の人を探し出してくれるかもしれない。

写真提供:HAPPN

文:幸野百太郎