2017/04/24

空気が“読める”! スマホに挿すだけで環境チェックができる小型ガジェットが便利

春の訪れと共にやってくる花粉シーズンに続いて、黄砂、PM2.5と、春から初夏にかけてはマスクが手放せない季節だ。欧米でも花粉症患者は増加中で、空気汚染も依然として大きな問題になっている。

世界最小の「空気が読める」デバイス

写真提供:Sprimo

据え置き型の環境センサーは以前からいろいろあるが、いま自分がいる場所の空気の状態をチェックできるモバイル型のセンサーもいろいろ登場している。なかでもSprimo Labsが開発する小型ガジェット「Sprimo Personal Air Monitor」は、たった40ドルというお手ごろ価格ながら、スマホに挿し込むだけで、周囲の空気の清浄度や温度、湿度がすぐに測れる機能を持っている。

写真提供:Sprimo
家の中はもちろん、仕事場や学校、ふらっと入ったカフェの空気がどのような状態にあるのかを数値化してチェックできるので、マスクを付けたり長時間滞在するのを避けるなどの予防策がとりやすくなる。本体は鍵よりも小さいサイズ。充電も不要なので、持ち歩きには嬉しい。アレルギーやぜんそくを持つ人たちだけでなく、呼吸器の疾患や花粉症の予防にもなるので、フィットネスやヨガなど深く呼吸をする場所で、事前に空気の状態を調べておくといった使い方もできそうだ。

写真提供:Sprimo

きれいな空気を世界中でシェアしたい

さらにSprimo Personal Air Monitorで計測したデータはクラウドに集約。任意で送信することで、マップ上に色と数値で空気の状態が表示される。専用のコミュニティに参加すれば、世界中の人とエリアごとの空気の状態をリアルタイムで共有し、これから行きたい場所の状態をあらかじめ知ることもできるのだ。

Sprimo Labsの創業者であるRay Combs氏は、過去にAmazonやPalm社でシニアマネジャーを務めていたが、子どもが喘息になったのをきっかけに、本製品の開発に取り組みはじめたという。会社の拠点はシリコンバレーにあり、製造は中国のパートナーのもとで行われている。「参加者が増えれば増えるほどデータの精度は上がり、空気の清浄度に対する意識も高まる」ため、必要な機能を持ちつつ、デバイスの価格をできるだけ抑えることを目指しているという。

写真提供:Sprimo

現在、Kickstarterで出資を受付中だが(5月21日まで)、目標金額はクリアしており、キャンペーン価格で1つ30ドルから購入できる(2017年4月21日現在)。日本からも購入でき、7月には出荷される予定だ。

文:野々下裕子