2017/04/10

【世界のドローン61】翼幅3メートル! 巨大な昆虫型水陸両用ドローンが被災地の人命を救う

3メートルの羽を持つ巨大な昆虫のようなデザインをした「Pouncer」は、自然災害や事故で被災し、通常の方法では困難な場所に食糧や水、燃料を届けるために開発された人命救助用ドローンだ。

Pouncer 画像提供:Windhorse Aero

超軽量ながら耐久性もある機体は、翼や胴体の部分に食糧や水、燃料、医薬品等を組み込むことができ、全体の素材にデンプンをベースとした生分解できる熱可塑性プラスチックが使われている。用途にあわせてサイズを変えるなど柔軟なデザインも可能なうえに、制作コストも抑えられており、機体のコストに対して倍の価格分の救助物資が搭載できる。現在は木製のフレームを使用しており、利用後はそのまま自然に分解できるようにしているが、開発者のNigel Giffordは、「将来的にはすべての素材を食用にできるものに置き換える」ことを目指している。

Pouncer 画像提供:Windhorse Aero

飛行方法もユニークで、専用テールゲート航空機で一定の高度まで運び、カタパルトからパラシュートを使って複数のPouncerを降下させる。そのあと、各機体に搭載されたGPSと簡易ソフトウェアでそれぞれの登録された目的地まで自動で飛び、最後はもう一度パラシュートを使ってやさしく着陸させる。着陸の誤差は7m程度までに抑えられるとしている。

Pouncer 画像提供:Windhorse Aero

開発会社のWindhorse Aerospaceを運営するGifford氏自身はイギリスのエンジニアで、以前に開発していた高度長距離飛行型ドローンでWi-Fiプラットフォームを提供する「Aquila」がFacebookに買収されたことで話題になった。

Pouncerのアイデアは、国際的公衆衛生機関であるNSFインターナショナルがロンドンで開催したカンファレンスで発表され、大きな注目を集めている。同社によると、人道支援を必要とするような大きな自然災害は、2015年だけでも125件にのぼり、特にアジア地域は地震や洪水の被害が深刻になっているという。そうした状況に対応するため、具体的には12ヶ月以内にNSFと協力し、Pouncerの実用化を世界規模で進めるとしている。

スペック

Pouncer

サイズ:翼幅 3m
重量:25kg
飛行速度:120ノット
最高速度:100km
参考価格:500ポンド

文:野々下裕子