2017/02/23

【世界のドローン57】高速、軽量なカーボン製ボディのトライコプター『ERIDA』が正式に販売決定

3本のルーターとカーボン製ボディで高速、軽量化を追求したドローン「ERIDA」が、大手ドローンメーカーYI Technologies社から発売されることが決まり、CES 2017会場で実機も披露された。

CES会場で展示されていた実機

もともとERIDAは、バルト三国のラトビアを拠点とするATLASというスタートアップが開発していたドローンで、独特のシャープなデザインと、3つあるローターのうち2つを折り畳んで携帯できるという特許取得済みのユニークなアイデアが高く評価されていた。一方で、耐久性や大量生産が可能かといった点が疑問視され、クラウドファンディングのIndiegogoでキャンペーンを行っていたものの、残念ながら目標額の41%しか達成できず、開発が危ぶまれていた。そうした状況にYI Technologies社が目をつけ、同社の高度な技術を持つスタッフと共同開発を行うことで、販売が決定した。

写真提供:YI Technology

正式発売にあたり、細かな仕様も改善されている。100%カーボン製のボディは、同型のスチール製ドローンに比べて5倍の耐久性があり、重さは3分の2に軽減されている。そのため、飛行速度は最高時速120kmまで高速化され、飛行時間も最長で40分以上と、同等のドローンに比べて大幅に長くなっている。上昇速度も速く、公式ビデオでは同サイズのDJI社モデルとの比較した映像が紹介されている。

さらにルーターとモーターが少ないトライコプターの特性を生かしてメンテナンスを簡単にし、当初はGoProのアタッチメントだったカメラ部分は、独自開発の軽量な4Kアクションカメラを装着している。本体およびカメラはいずれもスマートフォンから操作可能で、3軸ジンバルで安定した映像が撮影できる点も高いポイントになっている。発売価格は同型のドローンと同じ程度の749〜999ドルを予定しており、北米での先行発売を計画中だ。

写真提供:YI Technology

ERIDAはコンシューマー向けに発売されるが、撮影機能はプロのニーズにも応えられることから、セミプロ向けのエントリーモデルにもぴったりだという。飛行プログラミングをはじめ、自動追跡、GPSコントロールに関するソフトウエアはオープンソースで開発しており、今後もユーザーフレンドリーな機能を追求していくとしている。

スペック

YI ERIDA

サイズ:96 × 96 × 12 cm
重量:1,600g(バッテリーおよび4Kカメラを含む)
飛行速度:最高時速 120km
飛行時間:約40分
飛行高度:6,000m
操作距離:3.5km
予定価格:749〜999ドル

文:野々下裕子