2017/02/13

【世界のドローン56】今年もCESはドローン展示が大盛況 多彩な機能とアイデアでさらに用途が広がる

ドローン元年といわれた2015年から2年がたち、落ち着くかに見えたCES(Consumer Electronics Show)でのドローン展示だが、今年も盛況で来場者の反響も大きかったようだ。

メルセデス・ベンツをはじめ自動車関連メーカーが続々と参入

大手ドローンメーカーは、ラスベガスコンベンションセンター(LVCC)のサウスホールで比較的大きなブースを出展していたが、それ以外にもサンズ・エキスポや600社以上のスタートアップが世界から集まったEureka Parkエリア、そして自動車関連メーカーのブースでの展示も見かけられた。

自動車関連メーカーがドローンを出展する背景には、V2X(Vehicle-to-everything)と呼ばれるクルマに通信機能を搭載してさまざまなモノとネットワークで結ぶ、自動車版IoTのような技術の開発が進んでいることがある。その通信機能を使ってドローンをコントロールするというアイデアが複数から提案されており、メルセデス・ベンツのブースでは、次世代EVバン「Vision Van」の天井に載せて運べる宅配用ドローンを展示。自動車向けの電子部品を開発するNXPのブースでは、自動運転に必要な速度や道路情報をドローンで収集し、リアルタイムで提供するアイデアを展示していた。

メルセデス・ベンツは次世代型バン「Vision Van」と連携する宅配ドローンを出展

人気のセルフィ―用ドローンはますます安全に、高機能化して登場

高い位置からのセルフィーが楽しめるドローンは複数が出展。いずれもローター部分がカバーされている

ドローンのなかでも人気があるセルフィー(自撮り)用は小型、携帯、安定した飛行性能を持つタイプが多数登場。スマホサイズのケースに収納して持ち歩ける「AirSelfie」や、四角いフラットなデザインで室内でも安全に飛ばせる「Hover Camera」、その両方を併せたようなデザインをした「ROVA」などは、いずれもケガをしないようローターにカバーが付いてるのが特徴だ。

スタートアップのドローンは厳しい壁も

コンシューマー向けドローンは人気が高い一方で、競争がますます激化しており、昨年のCESでイノベーション・アワードを受賞して各メディアでも大きく取り上げられていた「Lily」は、合計3,400万ドル分のプレオーダーがありながら生産がうまくいかず、この1月にビジネスそのものを断念するという難しい状態に追い込まれている。

そうした影響もあってか、スタートアップのなかにも、ほかにはない機能を持つドローンを開発しようと力を入れるところが増えていた。Skypeの創業者らが開発する地上走行型ドローンの「Starship」は、ピザや生鮮品の宅配をする保冷・保温機能を持つドローンだ。また、卵型のユニークなドローンを開発しているPowerVisionは、水中を高速で泳ぐエイのような形をした「Poweray」を出展。海洋調査や魚群探知以外に、水中映像を楽しむこともできる。

地上を走行する「STARSHIP」や水中探査ができる「Poweray」など、ドローンの用途は空以外にも広がっている

2017年、ドローンは多様化・多目的に

大きさも見た目も鳥そっくりなドローン

用途に合わせてパーツを付け替えられる変形ロボットのようなドローン

また、さまざまな用途に合わせてパーツを組み替えることができる変形ロボットのようなドローンシリーズ「DRONE VOLT」や、農業用で害鳥を追い払うリアルな鳥型ドローン、そして教育分野向けにプログラミングで飛ばせるドローンなど、会場では幅広いジャンルに向けた多彩なドローンが出展されていた。

ほかにも、ここでは紹介しきれなかったドローンがたくさんある。今後、こちらのコーナーで個別に紹介していく予定だ。

文・撮影:野々下裕子