2016/09/30
【世界のドローン37】流行はまだまだ続く? ヨーロッパ最大の国際展示会IFAに見る最新ドローンのトレンド
ヨーロッパでは今年も引き続きドローン市場は人気を集めているようだ。
ドイツのベルリンメッセで開催されたヨーロッパ最大の国際家電見本市「IFA 2016」では、今年も引き続きドローンが数多く展示されていた。DJIやParrot、Yuneec、XIROといったメジャーどころの新製品はもちろん、本コーナーでも紹介した卵型ドローン「PowerEgg」の実物が披露されていたり、スマホサイズでポケットに入るドローンとして注目されているZeroTechの「Dobby」など、話題のドローンが一堂に会しており、実物を見たり、触れたりできる絶好の機会になっていた。
Parrotは高速で飛ぶXウィングタイプの「Parrot SWING」を発表。離着陸時は垂直に、飛行時は横に姿勢を変えるユニークな機体はドローンとは思えないほど高速で飛ばせる。
卵型をしたユニークなデザインの「PowerEgg」は、発表された時は本当に飛ぶのか半信半疑だったが、実際には想像以上にスムーズに空を飛んでおり、ローターや足の部分の出し入れも自動でスムーズにできていた。
ローター部分を本体に格納してポケットに入れて持ち運べるほどのコンパクトさながら、4Kカメラを搭載したZeroTechの「Dobby」はお洒落なセルフィドローンとしても話題で、カラーバリエーションもいろいろ。
EUでは国ごとでドローンの法規制がばらばらなままで、今後調整が進むかどうか不明なため、一般で楽しむドローンはトイサイズの小さなもので、それ以外はプロ向けの大型ドローンが主流という印象がある。そうした状況で今後増えそうなのが、室内や屋外のコースを使うドローンレース用のドローンで、複数のメーカーから専用の機体が出展されていた。ドローンレースは、国際イベントがフランスやオランダで開催されたり、オーストリアのイベントでデモンストレーション飛行が行わるなどすでに人気の兆しがあり、高い旋回能力と飛行能力、そして、複雑なコースを高速で飛び回るシステムを備えることが要求されている。今後は、機体の軽量化や耐久性だけでなく、カスタマイズ性の高さなどレース用ならではの機能を持つドローンが登場しそうだ。
独特なスタイルをしたドローンレース用のドローンは、複雑なコースを高速で飛びながら障害物をくぐり抜ける高度な旋回機能とセンサーをコントロールできるシステムと機体デザインの絶妙なバランスが求められる。上の写真はフランスで開催されるドローンレースに出場するために開発中の機体とのこと。
会場では水に浮かぶドローンのプロトタイプも展示されていた。
文:野々下裕子