2016/09/07

「鏡よ鏡、会社の照明で私がいちばん映えるようにメークしたいの」が叶う? スマートミラー

写真提供:simplehuman 社

アメリカのハウスウェアのトップブランドのひとつである、シンプルヒューマン(simplehuman)のセンサーミラーのセンサーは、メークアップのために人がミラーに近づくと反応し、LEDライトが点灯して、離れると消える。

5月発売の新製品Sensor Mirror Pro(250ドル)は、外見上は周辺部5倍(半径8インチ)の拡大率の凹面鏡で、メークアップする部分を大きく映しながらお化粧できるようになっている。センサー内蔵なので、使用者が接近すればLED照明がつく。中心部に小型で倍率の高い(10倍)の凹面鏡を磁石で取り付ければ、もっと細かい部分も大きく見ることができる。

写真提供:simplehuman 社

LEDは周辺部を円周上に取り囲むように取り付けてあり、太陽光を模した光などを放つ。simplehumanではTru-luxと呼んでいるが、アプリを利用してLEDをコントロールし、晴れや曇りの太陽光だけでなく、蛍光灯、白熱灯などなど5万種類以上の光のバリエーションをつくり出すことができる。

使用シーンに合わせて光が調整される(動画「simplehuman wide-view sensor mirror」より)

同じ化粧品を使っていても、周囲の光によって見え方はまったく違う。単に色が違って見えるだけでなく、光の反射の違いが化粧品を浮かせて不自然に見せたり、思った以上にケバケバしく見せたりしてしまう。これは、メークアップする場所にある鏡と照明だけを頼りに行うのでは、回避できない。さまざまな光の中に身を置かなければわからないので、あらかじめシミュレーションするには、メークアップ場所でさまざまな光を浴びるしかないのだ。

さらにこの鏡、IFTTTなどを通じて、スマートフォーム関連製品や、外部のアプリケーションと連動できる。天気予報を見て、自分の判断で化粧を変えるのではなく、天気予報に合わせてその日の天候をシミュレーションする照明が自動設定されるように進化させることもできるということだ。

AmazonのAlexaとも連動するそうなので、ゆくゆくは「鏡よ鏡、オフィスの照明でいちばん映えるようにしたいの」と言えば、そのような光を発するようになるのかもしれない。

筐体は充電式なので、フル充電で4週間程度、コードレスで使用することができる。出荷は米国のみ。

文:信國謙司