2016/07/14
夏のお悩み、『エアコンの電気代』を最大4割(!)も減らすガジェット
そもそもエアコンはどうやって部屋の温度を下げるのか?
暑い夏を乗り切るために欠かせないエアコン。熱い外気を室外機から取り込み、冷やして室内機に送り込む。室内機は室内の熱い空気を、外気で冷やして室内に送る。その際に暖められた空気は、室外機を経由して外に放出される。
つまり、空気の温度を下げるのは室外機の仕事だ。暑い昼間に室外機が取り込む外気の温度は極めて高く、それを冷やすには相当な電力を要してしまう。Mistboxは、室外機が取り込む外気の温度をミスト(水の噴霧)であらかじめ冷やすことで、室外機の効率を上げるというガジェットだ。
Mistboxがなぜエアコンの効率を上げるのか、わかりやすく解説している
ミストを利用し、気化熱で外気の温度を下げる仕掛けは、ビルの空調用の大型室外機などで使われている。これを小型化して、家庭用として開発した。価格は399ドルと決して安くないが、5分で設置でき、エアコンの電気代を2〜4割減らせるという。
Mistbox本体もソーラーで駆動し、外気温をモニタリングして必要最小限のミストしか噴出しないという省電力設計だ。ミストは外気の湿度を上げるが、室内に取り込むわけではないから、湿気が室内に入ってくる心配はない。稼働状態はスマホのアプリで確認することができ、月ごとにいくら「浮いた」のかまで算出してくれる。
室外機にMistboxを取り付けるときには、屋外の水道とホースでつなぐ必要があるので、庭で植物を育てているような戸建ての家に適した製品なのだろう。ランニングコストとして水道代がかかるが、電気代の節約で十分にお釣りはくるだろう。ただ、水不足が深刻な地域には向かないかもしれない。アメリカでは家庭用の省エネ製品として30%の税額控除の対象になる。
文:信國謙司