2016/07/13

プレゼントにいかが? 北欧デザインのオシャレでギークなバッグ型スピーカー

布製ハンドバッグの正体は特許取得済み技術のラウドスピーカー

ぱっと見ると、小型で丸みのあるスタイリッシュな布製ハンドバッグ。だが実際は、Bluetoothでスマホ、タブレット、PCなどと接続でき、パワフルな音を楽しめるというスピーカーが話題を呼んでいる。

「ヘルシンキ」という名前のこのスピーカーは、デンマークの音響関連製品メーカーVifaが、女性向けに開発したものだ。価格は449ドル。15.6センチ×21センチ×7センチの大きさで、片手で簡単に持ち運べる。1.4kgという重さは、実際に手に持ってみると、中身が入った女性用ハンドバッグの重さと同程度。簡単に持ち運びできるよう、肩かけ用のスウェーデン製の革製ストラップもついている。

「音響スピーカーのデザインは、長いあいだ『黒い箱』というのが定番で、男性消費者のニーズに応えるため、シャープな四角い形やメタリックな質感が基準だった。そして、女性向け消費者向けには、そんな鋭角的なデザインのまま、単に色をピンクに変えて売り出せばいい、という場当たり的な対応しかしていなかった」。そう語るのは、Vifa社のマーケティング・マネジャーのオリバー・シェリロ氏だ。

創業1933年の老舗音響関連製品メーカーのVifaが、北欧デザインのセンスを存分に生かして作ったこの「ヘルシンキ」は、女性の部屋のインテリアの中で、音響スピーカーだけがごつくて、メカっぽくなりがちだった点を解消するべく、インテリアに馴染むオーガニックな落ち着いた色合いを採用。緑、青、ピンク、グレーの四色展開で、2016年Red Dot Design Awardでベストプロダクトデザイン賞を受賞している。

Bluetooth接続機能があるため、充電さえ完了すれば、コードレスで、ビーチやクルマでの移動中など、どこでも使えるのが強みだ。アルミニウムの本体フレームを開けて見ると、直径6センチの丸形の2つのサブがサンドイッチのように向かい合ってバウンスし合い、音を反響させているのが見える。同社はこの2サブ技術の特許を取っており、形は小さくても、大きな音が出せるラウドスピーカーを実現した。

実際に小型バッグ型の「ヘルシンキ」で音楽を聴いてみると、小さいながらもかなりパワフルな音が出るのに驚く。バッグ型だから、ソフトで小さな音だろうと思っていると、いい意味で裏切られる。キュートでフェミニンな形ながら、パワフルなブーンボックスとしても使える点が音にうるさいユーザーに受けているようだ。また、水気や湿気がある場所でも問題なく良質の音を出せるよう、スピーカー本体を包む生地のウール糸の品質にも徹底的にこだわったという。

パーティーなどで仲間と部屋に集まって音楽を流す場合も、スピーカーが部屋に見当たらないのに、ハンドバッグから音が聞こえてくるサプライズ要素があり、「なにこれ、おしゃれ!」と話題の的になりそう。

北欧都市名シリーズのラインナップにも注目!

左から「ヘルシンキ」「オスロ」「ストックホルム」「コペンハーゲン」

「ヘルシンキ」のほかに、AppleのAirPlayを通じてTV画面と接続できる大きなサイズのバッグ型スピーカー「コペンハーゲン」もある。こちらはビジネスバッグ程度の大きさで、重さは4.65キロ。価格は799ドルだ。

ヘルシンキと違って、丸みを抑えた四角いデザインで、男性でも女性でも抵抗なく持ち運べる、完全にユニセックスなデザインだ。「ヘルシンキ」同様、Bluetooth接続もできるので、テレビ画面以外にも、スマホ、PC、タブレットなども自由につなげる。このコペンハーゲンもヨーロッパで複数のデザイン賞を受賞している。

さらに新商品の「オスロ」は、縦型のランチボックスに似た形。持ち歩き用ではなく、もっと大きいサウンドバーが部屋にほしいという消費者には、「ストックホルム」という横長の箱型の商品もある。価格は1,699ドルだ。

文:長野美穂