2016/07/07
本物の紅茶の味、知ってる? スマホ連動で最高のお茶を淹れてくれるティーメーカー
ティーバッグを使えば熱湯を注ぐだけで手軽に淹れることができるお茶。だが実際には、単に湧きたての湯を無造作に注ぐのでは、香り豊かな出来上がりは期待できない。おいしく淹れようと思うと、温度と注ぎ方だけでもそれなりの知識と経験が必要な難しい作業だ。
茶葉には、カフェインや抗酸化物質など200種類以上の化学物質が含まれていて、淹れ方によって抽出されるカフィン量が違ってくるそうだ。つまり、熟練すれば同じ茶葉から朝食の紅茶と午後の紅茶を淹れ分けることができる。
そうした繊細な制御をマシンにやらせてしまおうというのが、カリフォルニア州マウンテンビューのスタートアップ、Teforia社である。TeforiaはIntel Edison内蔵で、Wi-Fiでスマホ・アプリと、さらにはクラウドと連動して、購入した茶葉の種類に応じ、淹れ方を制御する。さらに、飲む人の好みを学び、淹れ方を調整してくれる。せっかく高級な茶葉を入手しても、淹れ方が面倒では楽しめないが、マシンであれば手軽に何度でも繰り返し、上手に作ってくれるというわけだ。
茶葉は、同社サイト経由で、Steven Smith Teamakerなどからネット通販で買うことになる。RFIDタグをTeforiaのティーメーカーで読み取れば、クラウド上にある淹れ方レシピを利用可能になるという仕掛けだ。
定価は1,299ドルだが、2015年秋に実施した特別価格699ドルでの先行販売では250台を完売、その後、第二期先行販売として749ドルで予約を受け付けていたが、これも完売したようだ。出荷は2016年秋を予定している(米国内のみ)。
「茶道」という言葉のとおり、道具のしつらえから所作までも「道」として極める人もいれば、手段は問わず、「いつでも美味しいお茶を手軽に飲める」ことに価値を見いだす人もいる。お茶の楽しみ方はさまざまだ。
文:信國謙司