2016/07/04

ついにタトゥー型デバイスが実現? サイバーパンクなミライが来る

活動量計を身に着け、心拍数、呼吸、血圧などのバイタルサインを自分で常時モニターする人が増えている。だが、たとえ身に着けられる「ウエアラブルデバイス」だとしても、わざわざモニタリング機器を「装着」するのはわずらわしいもの。そんな悩みがタトゥーで解決される時代がもうすぐ来るかもしれない。

TECH TATSは、Chaotic Moon社(テキサス州オースティン)が開発している電子タトゥー。導電性の塗料や小さな電気部品を肩などに貼り付ける。Bluetooth LEでほかのデバイスと通信し、ATtiny85マイクロコントローラ(Atmel社)が体温センサーなどからの情報を受け取る。皮膚に密着させるので、体温や身体の動きなどで発電する素子を組み込めば、電池も不要になる可能性がある。

センサーを増やすことで、さまざまなバイタルサインを皮膚からモニタリングすることができるようになるので、ヘルスケア分野での応用が期待されている。Tシャツの袖で隠せば、目立たないフィットネス・トラッカーとしても使えるだろう。

体温センサーの代わりに化学物質のセンサーを貼り付ければ、自分の周辺の空気や水に危険なものが混ざっていないかをチェックできる。クレジットカードの認証情報を埋め込んでしまえば、電子タトゥーで認証を行い、クレジットカード決済を利用することも可能だ。

この技術はまだまだプロトタイプの段階のようだが、ICカードを何枚も持ち歩いたり、アクティビティ・トラッカーを腕に装着したりすることにうんざりしている人たち以外に向けても、さまざまな応用が考えられそうだ。

文:信國謙司