2016/06/10

【世界のドローン31】まるでXウィング? 垂直離陸後に高速飛行する『X PlusOne』

ローターを使ってヘリコプターのように空をホバリングする......そんなドローンのイメージが、この「X PlusOne」の登場で大きく変わるかもしれない。

アイダホのスタートアップ、xCraftが開発した「X PlusOne」は、長さが異なるXウィングにクワッドローターを組み合わせた、今までにないユニークな形をしたハイブリッド型ドローンだ。飛び立つときはローターの安定したホバリング性能を使って垂直に浮かび上がり、その後、空中で姿勢を斜めに傾けて高速飛行体制にスイッチすると、なんと最高時速100キロのスピードで飛び回る。

GPSを搭載し、自動追尾モードや自動機関機能、ターゲットを回り込むように飛ぶなど、さまざまな飛行モードを備えているが、モードの設定や操縦がスマートフォンで簡単にできるのも、特徴のひとつとなっている。空気抵抗を減らすためにコーンヘッド状になっている頭部は、取り外してアクションカメラを装着することで空中撮影にも使える。プロモーションビデオでは、カーブが続く山道を走るオートバイを、上空からピタリと追跡する「X PlusOne」が紹介されているが、ホバリングモードから高速飛行に切り替わるシーンは、まるでSFアクション映画のワンシーンのようにかっこいい。

すでにクラウドファンディングのKickstarterで開発資金を調達に成功しているが、同時期に、Shark Tankという新しいビジネスアイデアをプレゼンするTV番組でみごと、投資先を見つけ、150万ドルの出資金を獲得した。販売も開始されており、もっとも安い自分で組み立てるタイプは、1,549ドルから手に入れられる。

また、開発元のxCraftは、スマートフォンをローター付きのケースにはめるだけでドローンにできる「PhoneDrone Ethos」の開発でも知られており、こちらも現在299ドルで手に入れることができる。

ふたつの大きく異なるタイプのドローンを続けて成功させたxCraft社が、次にどんなドローンを生み出すのか楽しみだ。

スペック

X PlusOne

サイズ:82.55×48.26×35.56cm
重量:約1.3kg
飛行速度:最高時速100km
飛行時間:約20分
飛行距離:約120m
参考価格:1,549ドルから

文:野々下裕子