2016/05/09
【世界のドローン29】3Dプリントしたパーツで本格的なドローンが“自作できる”『Mosquito』
3Dプリンター製のドローン「Mosquito(モスキート)」は、出力したパーツを自分で組み立てる"DIYタイプ"のドローンだ。それだけなら以前にも同じようなものがいくつかあったが、「Mosquito」は自動追尾システムや空中撮影用のカメラジンバルなど、さまざまなアクセサリーを追加したり、ほかにもローターの数を増やすなど、本格的なカスタマイズが自在にできるユニークな仕様だ。
制作したのはスペインのBonaDrone社。3Dプリンターを使って拡張性の高いドローンを開発するために集められたチームが、2015年から開発をスタートしている。新しい技術を取り入れながら、試行錯誤といくつかのプロトタイプ制作を経て完成したのが、ユーザーがさまざまなパーツをカスタマイズし、自分好みのドローンをDIYできる「Mosquito」だった。
提供:BonaDrone社
基本的な機能は市販されている自律飛行型のクワッド(4枚プロペラ)式ドローンと同じで、離着陸は自動、付属のコントローラーかスマートフォンで操作することができる。飛行時間は約20分で、自動追尾飛行などいくつかのフライトモードが用意されていて、軽量で持ち運びやすく、強度も安定しているという。
それだけでも十分楽しめるが、LEDライトやカメラジンバルなど、さまざまなアクセサリーを追加、変更してオリジナルのドローンを作れる。3Dプリンターを持っていれば、パーツを好みの色やオリジナルロゴでデザインできるほか、自分で設計したパーツを組み合わせてカスタマイズするといったこともできる。さらに、一部の部品の補強とフライトコントローラーをアップグレードすれば、ローターを倍の8枚に増やして、飛行速度や距離を延ばせるなど拡張性も高く、同じドローンでいつまでも飽きずに楽しむことができる。
提供:BonaDrone社
ドローンを作るためのパーツ数はそこそこ多く、制作工程もやや複雑になるが、取り扱い説明書や解説ビデオが用意されているので、小さな子どもでも、大人の手を借りれば自分でドローンを作ることができるという。
クラウドファンディングのIndiegogoでキャンペーンを開始し、ベーシックなキットセットは559ユーロからオーダーできる。同じく3Dプリンターで出力されたカメラジンバルなどが追加されたセットは749ユーロ、ジンバル単体の場合は229ユーロでオーダー可能。日本からも購入でき、いまオーダーすれば、今年9月ごろに発送される予定だ。
家族でキットから作り上げていくなかで、ドローンの仕組みを学んでみてはいかがだろうか。
文:野々下裕子